株式会社富士経済は、価格優位性の高さから物価上昇による節約志向の受け皿になっているほか、価格志向型と付加価値型などブランドの棲み分けが進み、チャネルを問わず存在感が増しているPB食品の国内市場を調査しました。その結果を「PB食品市場の最新動向と将来展望 2026」にまとめました。
この調査では、生鮮食品や惣菜を含めたPB食品のトータル市場に加え、加工食品12カテゴリー69品目の市場動向や市販用でのPB販売額構成比、チャネル別販売動向などPB食品のポジショニングを明らかにしました。また、ブランド事例では5ブランドのPB商品開発のポイントや今後の方向性、チェーン事例では15チェーンの販売動向やPB食品戦略なども分析しました。
本記事は「PB食品市場の最新動向と将来展望 2026」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの必要な部分だけをご利用になりたい方は、こちらの市場調査データサービスでご確認いただけます。
◆「PB食品市場の最新動向と将来展望 2026」の全体サマリー
PB食品の国内市場(小売りベース)

食品全体の価格上昇が続く中、NBと比較した価格優位性の高さから、PB食品市場は堅調に拡大しています。2026年は物価高の継続に加え、中東情勢の影響を受けた原材料や資材の高騰を商品価格に転嫁する動きがみられます。一方で消費者の価格志向の強まりや買い控えは続いており、価格訴求力の強いPBの需要は変わらず高く、市場拡大が予想されます。PBを展開する流通各社は、価格訴求ブランドからの新商品投入、既存商品のリニューアルにとどまらず、付加価値商品の展開や新ブランドの立ち上げ、価格帯別のブランド展開によるターゲット拡大など、多彩な商品施策を進めています。
また、加工食品に限らず生鮮品や惣菜でもPB化が進み、市場拡大に寄与しています。流通各社は顧客の来店頻度の向上に向けて生鮮強化や惣菜強化を掲げており、生産や開発の段階から携わり自社のこだわりが詰まった商品をPBとして展開することで、他社PBやNBとの差別化につなげていく狙いとみられます。
チャネル別では、最大のチャネルである量販店が5割以上を、他のチャネルと比較してPB販売額構成比が高いとみられるCVSが2割強を占めています。また、ディスカウントストアやドラッグストアは店舗数が増え、特に食品のPBが充実したチェーンでは価格訴求力の強いアイテムが好調なことから、高い伸びをみせています。
カテゴリー別では、乳性飲料をはじめ、紅茶・茶系飲料、ミネラルウォーター類を含む清涼飲料・嗜好品の規模が大きく、近年はコーヒー(レギュラー・インスタント)で原料高騰によるPBへの需要流入が顕著です。次いで規模の大きいステープルはCVSの比率が高いパンやカップめん・袋めんがけん引しています。冷凍調理済食品は、簡便性の高さや品質、味の向上が評価されユーザー層の拡大が続いており、価格優位性が高いPBが存在感を高めています。
◆注目個別市場サマリー
1.PBヨーグルト

NBの値上げが続いていることから、値ごろ感があるPBへのシフトがみられ、健康維持のため毎日喫食するヘビーユーザー層に対して経済性の高さを訴求しています。2024年以降は米価格高騰による朝食代替需要が増加しています。PB販売額構成比は2025年時点で14.6%とみられます。チャネル別では、量販店が市場の7割程度を占めており、ブランド力のあるNBの近くに、安価なPBを並べ、価格優位性を強調する棚割りが展開されています。
商品としては、NBではLB81やビフィズス菌BB536など特定の乳酸菌の機能性を訴求するのに対して、PBは脂肪ゼロ、低糖質などを訴求し、パッケージの成分表で比較しやすいスペックを強調した商品が展開されています。また、たんぱく質含有量の高いギリシャヨーグルトのPBが、健康・美容意識の高い層へ向けたエントリー商品として定着しています。
2.PB冷凍めん類

冷凍のそば、うどん、中華めん(ラーメン、ちゃんぽん、つけめん、まぜめん、冷やし中華、焼きそば、焼きうどん、揚げタイプの皿うどん)、パスタを対象とします。
冷凍めんは、調理する作業の省略や時短がメリットである反面、他のめん類と比較して1食あたりの単価が高いです。簡便ニーズの高まりから購入頻度は増加していますが、同時にコストパフォーマンスを重視する傾向も強まっているため、割安なPBの需要が増えています。
商品としては、冷凍うどんは簡便性、汎用性が高い複数食入りの玉うどんのPBが、コストパフォーマンスの高さから選ばれています。個食タイプでは冷凍パスタがけん引しており、ソースやめん重量が多いものなど商品の拡充が続いています。
チャネル別では、量販店が5割以上を占めており、素材として使用できる玉めんのアイテムが充実しているほか、個食タイプもうどんやそば、ラーメン、パスタと品揃えが豊富であり、単身者などのランチ需要も獲得しています。CVSでは売り場面積が限られるものの豊富なメニューラインアップが展開され、ワンプレートタイプを中心に簡便ニーズを捉えています。
市販用を展開する上位メーカーがNBに注力している一方、生産力の強みを生かしてPBの受託を積極的に行っているメーカーもあり、NBの値上げが続く中で、PBは価格訴求品を中心に需要を取り込むとみられます。
【参考】本記事で使用した「PB食品市場の最新動向と将来展望 2026」に掲載している調査対象市場
PB食品
- 流通企業が商品開発に携わり、独自のブランドを商品パッケージに表記した商品。輸入品やダブルチョップ(メーカーもパッケージに表示された共同開発商品)も含みます。
- OEMやPBブランドを冠さない専売商品、製造小売業のオリジナルブランド、問屋PBは含みません。
PB食品の国内市場
- 加工食品、青果、精肉、鮮魚、米、惣菜を含む食品
加工食品12カテゴリー69品目のPB食品
調味料
- しょうゆ
- 食用油
- マヨネーズ/ドレッシング類
- ソース/トマトケチャップ
- 食酢/ぽん酢
- スパイス類
- つゆ/たれ
- ジャム/スプレッド/はちみつ
調味食品
- レトルト食品
- インスタントカレー/シチュー
- 即席スープ
- 即席みそ汁
- パスタソース
- メニュー専用合せ調味食品
- ふりかけ
冷凍調理済食品
- 冷凍めん類
- 冷凍米飯類
- 冷凍から揚げ
- 冷凍中華惣菜
- 冷凍スナック類
- 冷凍野菜
- 冷凍果実
ステープル
- カップめん/袋めん
- チルドめん
- 乾めん
- 乾燥パスタ
- 無菌包装米飯/レトルトライス
- パン
- シリアルフーズ
- プレミックスパウダー
農産加工品
- 漬物
- 納豆
- 豆腐/豆腐加工品
- 煮豆/佃煮
- サラダ類
畜肉加工品
- ハム/ベーコン
- ソーセージ類
- チルド洋惣菜
- チルド中華惣菜
- チキン加工品
水産加工品
- 水産缶詰/瓶詰
- 水産練製品
- のり
- 削り節/花かつお
菓子
- 米菓
- チョコレート
- スナック菓子
- ガム/キャンディ類
- 豆菓子/ナッツ類
- 和風菓子
- ビスケット/クッキー
デザート
- ドライゼリー
- ヨーグルト
- アイスクリーム類
乳油製品
- バター/マーガリン類
- チーズ類
清涼飲料・嗜好品
- 果汁/野菜飲料
- 炭酸飲料
- 乳性飲料
- コーヒー飲料
- 紅茶/茶系飲料
- ミネラルウォーター類
- 機能性飲料
- コーヒー(レギュラー/インスタント)
- 紅茶/茶類(リーフ/ティーバッグ)
アルコール類
- ビール類
- チューハイ/カクテル
- 焼酎甲類
- ワイン
ブランド事例
-
5ブランド
チェーン事例
-
15チェーン
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