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リチウムイオン二次電池材料の市場を調査。2040年の世界市場を69兆2,930億円(2025年比3.9倍)と推計

株式会社富士経済は、中国電池材料メーカーのシェア拡大や、xEVからESSへの有望用途の変化、また、資源・原料価格の高騰、安定供給のための国産化志向などを背景に、大きな動きがみられるリチウムイオン二次電池材料の世界市場を調査しました。その結果を「2026 電池材料市場実態総調査」にまとめました。

この調査では、リチウムイオン二次電池材料11品目の市場について、各材料の価格動向やサプライチェーン状況、各エリアの政策・規制、資源・原料の動向を踏まえ、現状を把握し、将来を予想しました。また、注目されるニッケル水素二次電池材料3品目、一次電池材料3品目についても市場を整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2026 電池材料市場実態総調査」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆「2026 電池材料市場実態総調査」の全体サマリー

リチウムイオン二次電池(LiB)材料の世界市場

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リチウムイオン二次電池(LiB)は、再生可能エネルギー併設型や蓄電所、データセンター向けのESS(電力貯蔵システム)用途で需要が急増しています。xEV用途は、市場規模は大きいものの、直近では減速感がみられるため、電池材料メーカーはxEV用途からESS用途のLiB材料への展開に注力する動きが顕著です。
LiBメーカーの動向として、EV市場の減速を受けた増産計画の延期や工場売却などが一部でみられるものの、電池材料メーカーでは欧州や東南アジア、北米の生産拠点を構築する動きが拡大し、生産体制の充実化が図られています。LiB需要の増加に伴い、金額の大きい正極活物質を中心に、電池材料市場も順調な拡大が予想されます。
材料開発の観点では、高エネルギー密度化を志向したハイNi正極やSi系負極、金属Li負極、複合集電体、CNT導電助剤の開発・採用が進められているほか、半固体化・全固体化に対応した研究開発も活発化しています。また、急速充電対応や安全性の向上、プロセスコスト削減を目的とした取り組みも強化されています。

主要材料別にみると、正極活物質の占める割合が大きいです。EVやESS、民生用電池での需要増加を背景に、市場拡大が続いています。種類別では、リン酸鉄リチウム(LFP)と三元系(NMC、NCA)の使用量が大きいです。特にEVやESS用途では、LFPと三元系の採用が大部分を占めています。LCO(コバルト酸リチウム)は民生用で継続的な採用があります。
LFPは、安全性や長寿命、低コストを背景に需要が急速に高まっています。特に中国ではLFPの採用比率が高く、EV用LiBでは主流となっています。LFPの価格は、原材料である炭酸リチウム価格の影響を強く受ける傾向にあります。現状は炭酸リチウム価格の下落により価格は安定し、三元系より2割から3割低い価格のため、EV車両の価格競争が激しい中国ではコスト削減を目的に採用が急増しています。また、ESS用途のLiBでも使用が増えており、LFP正極活物質は高い伸びが続くとみられます。

負極活物質も、順調に市場が拡大しています。種類別では、近年は人造黒鉛の採用増加が顕著であり、現状は数量ベースで8割以上を占めています。一方、天然黒鉛は安価ではあるものの、EVにおける急速充電要求の高まりや、人造黒鉛との価格差縮小などにより構成比は低下しています。また、黒鉛と比べて大容量化が可能となるSi系は、中国電池材料メーカーを中心にシランガスを用いたタイプの開発が進んでいます。
生産エリア別にみると、現状、中国が生産量の9割以上を占め、日本や韓国が続いています。中国電池材料メーカーは生産規模の拡大や、黒鉛化加工におけるコスト削減を進めるなど注力度を増しています。海外拠点の設置にも積極的で、ベトナムやマレーシアなど東南アジアでの拠点設立に向けた動きがみられます。日本や韓国などの非中国電池材料メーカーは、中国による黒鉛および製造技術に対する輸出管理強化に対応し、黒鉛などの在庫積み増しや原料調達先の多様化を進めています。また、エンドユーザーからの要請により、サプライチェーンの脱中国に向けた動きもみられます。

電解液は、電解質塩(リチウム塩)に有機溶媒を添加した液体です。LiB市場拡大に伴い、需要が増加しています。国ごとの化学物質規制の影響や、多大な輸送コスト、輸送中に生じる品質劣化への懸念などから、生産地と消費地を近接させるため、LiBの生産拠点近くに電解液の生産拠点が設けられるケースが多いです。特に近年は、EVやESS用途のLiB市場拡大を受け、大手LiBメーカーの大型工場周辺に電解液の生産拠点が新設されています。生産エリアは中国、米国、西欧に集中しています。なお、電解液の価格はリチウム価格の変動を受けやすく、LiB材料の中では変動が大きいです。リチウム価格の下落により、一時電解液の価格も低下していましたが、2025年下半期から上昇しており、市場の伸びを後押しするとみられます。
採用される電解質塩はLiPF6(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が中心ですが、近年はLFP正極向けに急速充電性能が高いLiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)を併用、または主塩として使用するケースが増えています。

セパレータは、正極と負極の接触を防ぎ、電気的に絶縁するために使用されます。現状、高強度かつ薄膜化が進む湿式セパレータが主流で、市場をけん引しています。電池メーカーのセル設計に紐づいて採用セパレータが決まっており、湿式への置き換えは難しいことから、乾式セパレータも伸びています。
なお、ベースフィルムの薄膜化に伴いコーティングの重要性が高まっている点が注目されます。セラミックコーティングやPVDFコーティングが一般的ですが、耐熱性・耐酸化性に優れるアラミドコーティングに対応するセパレータメーカーが増えています。

◆注目個別市場サマリー

一次電池材料

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電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池やマンガン乾電池、マンガン酸リチウムの材料として使用されるケースが多いです。市場は一時低迷していましたが、2024年以降在庫調整の進展などにより回復に転じており、2025年は中国電池材料メーカーを中心に価格の安定化を図る動きが強まったこともあり、市場は堅調です。今後は、新興国での長期的な乾電池需要の増加が市場を下支えすると予想されます。

亜鉛粉は、比較的安価で安全性が高く、大電流放電にも適していることから、一次電池の負極材として、特にアルカリマンガン乾電池向けでの使用が多いです。
市場はアルカリマンガン乾電池の生産・販売動向に左右されますが、家庭用製品向けを中心に安定した需要があり、サイズ別では単3形向けが約5割を占めています。今後、二次電池への置き換えが進むものの、玩具やリモコンなどでは一定の需要が維持されるため、市場は1,000億円を超える規模で推移するとみられます。

金属リチウム箔は、二酸化マンガン電池や塩化チオニルリチウム電池などでの使用が中心であり、市場はこれらの需要に連動しています。価格は、炭酸リチウムなどのリチウム価格の影響を受けます。2024年から2025年前半にかけては下落傾向でしたが、2025年後半からは上昇傾向に転じています。

【参考】本記事で使用した「2026 電池材料市場実態総調査」に掲載している調査対象市場

リチウムイオン二次電池材料

  • 正極活物質
  • 負極活物質
  • 電解液
  • セパレータ
  • 正極バインダ
  • 負極バインダ
  • 正極集電体
  • 負極集電
  • 外装材
  • 導電助剤
  • 活物質用コーティング材料

ニッケル水素二次電池材料

  • 正極活物質(水酸化Ni)
  • 水素吸蔵合金
  • セパレータ

一次電池材料

  • 電解二酸化マンガン
  • 亜鉛粉
  • 金属リチウム箔

◆本記事は「2026 電池材料市場実態総調査」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。