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LiBで使用されるリチウムの需要量や廃LiBからのリチウム抽出・回収の動向を調査。2040年の世界市場を予測

株式会社富士経済は、LiB(リチウムイオン電池)の正極材で使用されるリチウムの需要が急増する中、カントリーリスクや枯渇リスクに対応し必要なリチウム量を確保する手段として注目されている、LiBのリサイクルプロセスにおけるリチウムの抽出・回収技術の動向を調査しました。その結果を「経済安全保障上の最重要鉱物 リチウム抽出・回収技術の最新動向」にまとめました。

この調査では、LiBリサイクルによるリチウムの抽出・回収技術に関する開発動向を捉え、リチウムの将来的な需要量と枯渇リスクや、廃LiBから発生するブラックマス量、そこから抽出・回収が可能なリチウム量、また、技術的課題やロードマップを整理しました。

カーボンニュートラルに向けたEVやESS(電力貯蔵システム)の普及に伴うLiB市場の成長によって、正極材の主要原料の一つであるリチウムの需要も大幅に増えています。しかし、リチウムは資源埋蔵量が特定エリアに偏在しているため、経済安全保障上のカントリーリスクが懸念されており、特に、鉱物資源に乏しい日本ではリチウムの安定的な確保が喫緊の課題となっています。また、LiB需要の増加が続くことで資源枯渇も懸念されることから、効率的なリサイクルを実現する観点でもリチウム抽出・回収技術の確立が求められています。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「経済安全保障上の最重要鉱物 リチウム抽出・回収技術の最新動向」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆「経済安全保障上の最重要鉱物 リチウム抽出・回収技術の最新動向」の全体サマリー

1.LiBで使用されるリチウムの需要量(世界)[炭酸リチウムベース]

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LiBで使用されるリチウムの需要量を対象としました。LiB需要の大幅な増加に伴い、リチウムの需要量も大きく増えると予想されます。正極材別では、長期的には車載やESSで採用される三元系LiBやLFP系LiBが伸び、リチウム需要量の増加をけん引するとみられます。

LiBで使用されるリチウム需要量は今後採掘量を大幅に上回ると予想されるため、LiBのリサイクルや海水からの抽出など、現在埋蔵量として算出していないリチウム含有物からの抽出・回収技術が重要になります。LiB市場の伸びに伴い廃LiBも増えることから、リサイクルプロセスで抽出・回収できるリチウム量増加が期待されますが、大量の廃LiBに対応した大規模処理施設が必要となり、それらへの設備投資が課題となっています。

2.ブラックマス発生量(世界)

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世界で発生する廃LiBをすべて回収した際に、リサイクルプロセスで発生するブラックマス量をxEV、ESS、民生機器、その他(工程端材を含む)の用途別に捉えました。

ブラックマスは、使用済みLiBのリサイクルプロセスで回収される粉状物質で、リチウムをはじめ、ニッケルやコバルト、マンガンなどを含み、いくつかの抽出技術によってそれら金属類の抽出が可能です。なお、大量の金属類を処理する際には大規模施設が必要となります。

ブラックマスの発生量はLiB需要の伸長により拡大が続いています。2024年、2025年は中国での発生量が多かったです。用途別では、現状、車載用や使用年数が短い民生機器用の廃LiBや工程端材からの発生量が大部分を占めています。将来的には車載用やESS用の廃LiBからの発生量が大部分を占めるとみられます。車載用LiBは中国を中心に大幅に伸長し、また、ESS用LiBは急速に需要が増えていることから、2035年ごろから大量のブラックマス発生が予想されます。2040年に車載用とESS用の合計で8割以上を占めるとみられます。

ブラックマス発生量に対するリチウム回収については、主に欧州規則の目標に沿った回収率が指標とされています(欧州規則:2027年末までに50%)。なお、100%のリサイクル回収が達成された場合、2040年には300万トンを超えるリチウムが回収されるとみられます[炭酸リチウムベース]。

日本のブラックマス発生量は工程端材や民生機器用、車載用が中心であり、現在は工程端材の占める割合が大きいです。発生するブラックマスの大半が韓国など海外に流出しているのが実状とみられます。国内のリサイクル施設の整備が不十分なことなどにより、日本での処理量は低いレベルにとどまっています。長期的には、ESS用からの発生量が大きくなると予想される一方、EVの普及が他国よりも進まないとみられ、車載用が占める割合は他国と比較すると低くなると予想されます。

【参考】本記事で使用した「経済安全保障上の最重要鉱物 リチウム抽出・回収技術の最新動向」に掲載している調査対象市場

リチウム抽出・回収関連

  • リチウム需要量、ブラックマス発生量、リサイクルリチウム量
  • 乾式精錬(+湿式精錬)、湿式精錬、吸着分離、イオン交換法、分離膜抽出、その他

◆本記事は「経済安全保障上の最重要鉱物 リチウム抽出・回収技術の最新動向」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。