株式会社富士キメラ総研は、少子高齢化を背景とした労働人口減少への対応やDX化による生産性向上などに向け、2025年度には業務に「組み込む」段階に入っており、今後の伸びが予想されるAI関連の国内市場を調査しました。その結果を「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」にまとめました。
この調査では、サービス、アプリケーション、プラットフォーム、インフラに分け、AI関連市場の現状を把握し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
AI関連の国内市場
生成AI関連が市場拡大をけん引しています。生成AIは、従来のAIとの組み合わせによって、分析や予測、意思決定、コンテンツ生成まで一貫して行えるよう進展していることが、利用を後押ししています。特に、製造業や金融業、情報通信業での普及が進んでいます。また、外部のデータベースを検索し、それに基づいた回答を生成するRAG(検索拡張生成)を用いた汎用型AI基盤モデルの利用も一般化しつつあります。2025年度の市場は1兆8,301億円、そのうち生成AI関連は36.4%を占めると見込まれます。
従来のAIと生成AIを組み合わせた活用や、RAG利用は今後も増えるとみられます。また、2026年度頃からはAIエージェント活用の本格化や、学習・推論データのセキュリティやプライバシー保護の観点などからエッジAIの活用が進むとみられます。これらは2020年代後半に、エージェント型AIの本格化やフィジカルAIの実装に繋がるとみられ、引き続き市場は拡大が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.対話型生成AIアプリケーション【アプリケーション】
2022年11月に公開された「ChatGPT」(OpenAI)が契機となり、生成AI技術が広く認知されることとなりました。2024年度頃から、国内のビジネスシーンにおいて生成AI使用に対する理解が進み、市場が拡大しています。また、2024年9月から「Claude for Enterprise」(Anthropic)の提供が開始されたことも後押しし、2025年度の市場は、132億円が見込まれます。
今後も、「ChatGPT Enterprise」「ChatGPT Business」「Claude for Enterprise」が市場拡大をけん引するとみられます。様々な業務で活用できるため、幅広い業種での活用が進んでいます。特に、IT投資予算が大きい製造業や、金融業の活用が増えており、今後もこれらの業種や流通業での普及が市場拡大に繋がるとみられます。
2.LLM/SLM【プラットフォーム】
大規模な計算量やパラメーター数を前提として深層学習によって開発された言語モデルであるLLM(大規模言語モデル)、また、LLMと比較して少ないパラメーター数を前提とした深層学習によって開発されたSLM(小規模言語モデル)と応答可能なクラウドAPIサービスを対象とします。
2024年度は、APIを活用して生成AIプロダクトを提供することの多い情報通信業での利用が7割強を占めました。また、自社で独自の生成AIシステムを構築するための利用もみられ、2025年度の市場は、357億円が見込まれます。ただし、公共向けでは、自治体などでは自前で生成AIシステムを構築するエンジニアリソースが不足しており、既製の生成AIプロダクトを利用するケースが多いため、現時点では活用が少ないです。
今後は、AIエージェントの普及により、情報通信業では、生成AIを活用したプロダクトの提供をより進めるとみられるため、普及が予想されます。情報通信以外の業種でもそれぞれの課題を解決する独自生成AIシステムの構築が本格化すると予想され、製品の活用が進むことから、市場は拡大するとみられます。
3.GPUクラウド/ホスティングサービス【インフラ】
インターネットなどのネットワークサービスを通じてサービスプロバイダーが保有するGPUサーバーを利用できるサービスです。GPUサーバーは、CPU(中央演算処理装置)に加え、GPU(画像処理半導体)を搭載したサーバー設備です。このサービスでは、生成AIの使用に加え、生成AIの学習や学習したモデルを特定の目的に合わせて調整するファインチューニングのほか、従来のスーパーコンピューターで行う数値シミュレーションなど高速演算処理用途での利用も進んでいます。
独自AI基盤の開発やファインチューニングの用途が多い自動車会社や、自社サービスに関連機能を実装する用途のWebコンテンツを扱うエンターテインメント系のITサービス会社、独立系ソフトウェアベンダーなどで需要が高まっています。また、幅広い業種で短期間のファインチューニングやシミュレーションを行う際に、利用が進んでいるため、市場は拡大しています。
現在は、PoCなどを目的とする小規模な基盤モデルの開発やカスタマイズが多いですが、今後は全社利用に向けた活用が進むとみられ、2029年度の市場は、2024年度比2.7倍が予測されます。
【参考】本記事で使用した「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」に掲載している調査対象市場
サービス
- アノテーション
- データ秘匿化
- データ活用基盤構築
- データ活用支援
- AIコンサルティングサービス
- AIアプリケーション開発・構築
- MCP対応支援
- 組み込みAIアプリケーション開発・構築
- AI/DX人材教育サービス
- GPUサーバー設計・構築
- GPUサーバー向けハウジング
- その他(AIアプリケーション運用・保守、非GPUサーバー向けハウジングなど)
アプリケーション
- 対話型生成AIアプリケーション
- サードパーティ対話型生成AIアプリケーション
- AIコーディングアシスタント
- 生成AI/AIエージェントアドオン
- 営業支援
- バックオフィス業務支援
- AI-OCR
- チャットボット/ボイスボット
- FAQナレッジ管理
- 翻訳/通訳
- AI外観検査
- AI行動分析
- その他(統計解析、データマイニング、テキストマイニング、バイオメトリクス、その他AI搭載アプリケーションなど)
プラットフォーム
- AIエンジン
- LLM/SLM
- RAG連携向け検索エンジン
- AI/MLプラットフォーム
- ノーコードAI開発プラットフォーム
- その他(基盤モデル(画像生成、音声生成、音楽生成など)など)
インフラ
- GPUサーバー
- GPUクラウド/ホスティングサービス
- エッジAIサーバー
- エッジAIゲートウェイ
- その他(ミドルウェア(データベース、データウェアハウス、データ連携など)、ハードウェア(サーバー[非GPU]、ストレージ)、IaaS/ホスティング(サーバー[非GPU]、ストレージ)など)
◆本記事は「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。