株式会社富士経済は、男性のスキンケア意識の高まりで成長が続くメンズコスメティックス市場と、高単価化に加え、機能性や成分訴求といったスキニフィケーション発想の商品展開が進むヘアケア・ヘアメイク化粧品市場を調査しました。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2025 No.3」にまとめました。
この調査では、ヘアケア・ヘアメイク化粧品7品目、メンズコスメティックス7品目について最新の市場を捉え、将来を展望しました。「同 No.1」ではメイクアップ化粧品とフレグランスの市場の調査結果をまとめ、「同 No.2」ではスキンケア化粧品とボディケア用品の市場の調査結果をまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「化粧品マーケティング要覧 2025 No.3」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
ヘアケア・ヘアメイク化粧品の国内市場
近年、ヘアケア意識の高まりから単価上昇が進み堅調な市場拡大を続けています。2024年はこれまで新興企業が中心であった高単価ブランドの展開がトイレタリー企業の大型ブランドでもみられ、単価上昇が市場拡大に貢献しました。またYoutubeなどにおいて、シャンプーなどヘアケアアイテムの成分解説をする動画コンテンツが増加し、配合成分を重視して商品を選択する動きが活発となりました。商品面でも成分や機能性を訴求した展開が進んだほか、プレシャンプーやブースタートリートメントといった、プラスワンアイテムを取り入れたケアの提案もみられました。
ヘアケア業界では、スキンケア化粧品の成分やケア手法を取り入れる「スキニフィケーション」の考え方が広がっています。2025年は、前年に増して成分や浸透技術を打ち出した高単価なインバスヘアケア(シャンプー、インバストリートメントなど)が活況であるほか、ヘアケアのステップを増やすプラスワンアイテムの広がりも期待され、市場拡大が続くとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.メンズコスメティックス
メンズコスメティックスは、男性用のシャンプー・リンス、スタイリング剤、スカルプケア、シェービング料、洗顔料、整肌料、ボディケア用品を対象とします。リモート会議などで自身の顔を見る機会が増えスキンケア意識が高まったことなどから、近年市場は成長を続けてきましたが、2024年は前年比0.3%減となりました。同年はメンズ整肌料が好調を維持した一方、規模の大きいメンズシャンプー・リンスやメンズスカルプケアなどが苦戦しました。メンズシャンプー・リンスはユニセックスで利用できる女性用シャンプーへの需要流出、メンズスカルプケアは医薬品との競合激化が主な要因となっています。
メンズ整肌料は、保湿ケア化粧品(化粧水、乳液、モイスチャー他)、顔拭きシート、メイクアップ化粧品(ベースメイク、ポイントメイク)を対象とします。市場は近年拡大が続いており、特にワンステップでケアが完了するオールインワンタイプの保湿ケア化粧品の需要が旺盛です。オールインワンや美容液、モイスチャークリームを含むモイスチャー他カテゴリーは2023年に前年比約30%の大幅増、2024年も前年比約15%増で市場をけん引しています。保湿ケア化粧品の需要は手軽なオールインワンタイプへ集中しており、手軽さや保湿の訴求のみならず、エイジングケアなどの機能性を訴求したアイテム展開も進んでいます。一方で化粧水や乳液といった単品の保湿ケア化粧品は新規需要の獲得に苦戦するケースもみられます。
メイクアップ化粧品は、青髭対策のBBクリームが順調に伸びている一方、他のアイテムはリピート獲得に課題があり、2024年は微減となりました。若年層を中心にメイクへの抵抗感は薄れつつありますが、現状ではメイクアップ未経験層が多く潜在需要の掘り起こしが課題となっています。
2.ヘアトリートメント
インバストリートメント(家庭用)は、リンス・コンディショナーと同様にシャンプーと併用する商品(レギュラー)や、より補修力が高いことを訴求した商品(スペシャルケア)に大別されます。
近年はドラッグストアにおいてリンス・コンディショナーに代わってデイリーユースのヘアトリートメントをラインアップするブランドへの置き換えが進み、市場は着実に成長してきました。また、スキンケアにおいて成分訴求が活況であるのと同様に、新規性の高い成分を配合した商品の投入が増加しています。
2024年から2025年にかけてリンス・コンディショナーからの置き換えは一段落したとみられますが、2025年も大手トイレタリーメーカーから1,500円以上の商品が投入されており、短期的には単価上昇が市場拡大に貢献していくとみられます。また、トリートメント効果を高めるブースターなどの新たな提案が見られ、使用アイテム数の増加による今後の市場拡大が期待されます。
アウトバストリートメント(家庭用)は、オイル剤型がメインですが、近年は剤型のバリエーションが増えて新規需要の獲得に寄与しています。また、副次的にヘアスタイリング機能を訴求している商品では、ヘアスタイリング剤からの需要シフトもみられます。2024年は剤型の多様化が進み市場が活性化し、なかでもオイルやミルク剤型の商品が好調でした。
今後もヘアスタイリング剤からのシフトが予想されるほか、メーカーによってはプラスワンアイテムとして訴求する商品をインバストリートメント(スペシャルケア)から、アウトバストリートメントにシフトする動きもみられ、市場拡大が続くと予想されます。一方で新商品投入が多く競合が激化しているため、各商品の売上拡大には機能性以外に香りのバリエーションや剤型での差別化が不可欠です。
【参考】本記事で使用した「化粧品マーケティング要覧 2025 No.3」に掲載している調査対象市場
ヘアケア・ヘアメイク化粧品
- シャンプー
- リンス・コンディショナー
- ヘアトリートメント
- 女性用スカルプケア
- ヘアスタイリング剤
- ヘアカラー
- パーマネントウェーブ剤
メンズコスメティックス
- メンズシャンプー・リンス
- メンズスタイリング剤
- メンズスカルプケア
- メンズシェービング料
- メンズ洗顔料
- メンズ整肌料
- メンズボディケア
用途別市場
- インバスヘアケア
- エイジングケア
- メンズスキンケア
◆本記事は「化粧品マーケティング要覧 2025 No.3」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。