株式会社富士経済は、メーカー側が新たな領域への進出、競合との差別化のため提供の仕方や独自サービスなどで付加価値化を図る一方、臨床現場側は医療サービスの充実、また、業務効率化・人手不足対策として新規導入・リプレースを進める、注目の臨床検査システム、サービスの国内市場を調査しました。その結果を「ビジネスモデル変革で注目される臨床検査システム・サービス市場発展のロードマップ」にまとめました。
この調査では、注目の臨床検査システム、サービス7品目の市場について、市場規模やトレンド、導入率・サービス契約率などを明らかにし、2035年までの将来を展望しました。また、主要参入企業のマッピングやポジショニング戦略の分析も実施しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「ビジネスモデル変革で注目される臨床検査システム・サービス市場発展のロードマップ」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
現状では、中・大規模病院によるシステム導入、サービス利用は一巡しています。システムはオンプレミスでの導入がメインであり、ほぼリプレース市場となっています。現状では、中・大規模病院によるシステム導入、サービス利用は一巡しています。システムはオンプレミスでの導入がメインであり、ほぼリプレース市場となっています。
今後は、医療サービスの充実、業務の効率化、ISO15189取得を目指す施設が増加するとみられ、小規模病院・クリニックでもシステム導入やサービス利用の需要が高まると予想されます。なお、システムは安価なクラウド型の導入が増加することから、数量ベースでは拡大しますが、市場は微減が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.生化学・免疫検査装置の保守・メンテナンスサービス
病院や検査センターに対し新規に販売された生化学・免疫検査装置(自動化学分析装置、化学発光法装置)の保守・メンテナンスサービス契約を対象としました。サービス市場は契約したサービスの利用金額であり、サービス契約率は販売台数に占める契約台数の割合です。
生化学・免疫検査装置は、新型コロナウイルス感染症流行の渦中を除き、新規導入とリプレースによって販売台数が増えており、それに伴い保守・メンテナンスサービスの契約台数も増加しています。また、現状では、保守・メンテナンスサービスの契約は大規模病院や検査センターがメインですが、今後は臨床検査に対する品質と技術能力を証明するISO15189取得を目指す中・小規模病院の契約増加が期待されることから、サービス市場の拡大は続くと予想されます。
2024年時点でサービス契約率は62.3%でしたが、2035年には75.4%に上昇すると予測されます。特定機能病院の認証を受けるためにISO15189取得が必須になると装置のメンテナンスや管理も認定要件の対象になるため、契約率上昇の一因になるとみられます。
2.病理検査支援システム
病理検査支援システムは、電子カルテやオーダリングシステムと連携し、組織診や細胞診などといった検査の受付から検査情報の管理、報告書の作成支援までを行い病理検査部門の業務効率化や精度向上、病理診断をサポートするシステムです。電子カルテとの接続が可能で、施設間での遠隔病理診断連携ができるシステムもあります。導入は大規模病院が中心であり、導入形態としてはオンプレミスを中心に、システムリースや、近年はクラウド型システムの利用が注目されています。
病理検査システムは、病院・クリニックの病理検査部門における導入率が高く、特に、年間2万件以上の検査を実施する大規模病院では導入がほぼ一巡しています。そのため、市場はリプレースが中心で横ばいとなっています。
高齢者やがん患者の増加により、病理検査のニーズは高まっていることから、今後は200床以下の病院においても、導入が進むと予想されます。また、病理医が不足していることから施設間での遠隔病理診断連携を目的とした導入も期待されます。しかし、イニシャルコストやランニングコストが安価なクラウド型システムの導入が中心になるとみられることから、数量ベースでは増加しますが、市場は微減が予想されます。
3.病院・クリニックにおけるシステム導入率
2024年時点で病理検査部門を置く病院・クリニックにおける導入率は81.0%でした。400床以上の病院の導入率が91.7%である一方で、200床以下の病院やクリニックは病理医が常駐していない施設も存在するため、76.7%と低いです。今後は、電子カルテの普及や、デジタルパソロジーとの連携、クラウド型システムの導入増加、遠隔病理診断連携を目的とした導入も期待されることから、導入率の上昇が予想されます。
【参考】本記事で使用した「ビジネスモデル変革で注目される臨床検査システム・サービス市場発展のロードマップ」に掲載している調査対象市場
1.生化学・免疫検査装置(自動化学分析装置・化学発光法装置)の保守・メンテナンスサービス
2.病理検査支援システム
3.健診支援システム
4.生理検査のデータ管理・シフト管理システム
5.POCのデータ管理・シフト管理システム
6.細菌検査支援システム
7.LIS(臨床検査情報システム)
◆本記事は「ビジネスモデル変革で注目される臨床検査システム・サービス市場発展のロードマップ」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。