株式会社富士キメラ総研は、バイオ樹脂をはじめとした環境対応素材の採用・切り替えなどプラスチック使用量削減に向けた取り組みや、リサイクル推進に向けてのモノマテリアル化などで注目される飲料、食品、トイレタリーなどで使用される容器・包装材料の国内市場を調査しました。その結果を「2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、液体容器10品目、食品容器11品目、軟包装10品目、バリアフィルム7品目、その他5品目の計43品目の市場を捉えたほか、環境対応素材の採用動向、モノマテリアル化への対応やリサイクル動向をまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.容器・包装材料の国内市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2026年予測 |
2022年比 |
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液体容器 |
8,993億円 |
103.6% |
9,156億円 |
105.5% |
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食品容器 |
1兆3,342億円 |
100.6% |
1兆3,586億円 |
102.4% |
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軟包装 |
3,245億円 |
105.7% |
3,278億円 |
106.7% |
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バリアフィルム |
3,340億円 |
99.7% |
3,351億円 |
100.1% |
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その他 |
2,448億円 |
102.5% |
2,487億円 |
104.1% |
国内の容器・包装材料市場は、2020年に新型コロナの感染拡大により外食産業やCVS商品の需要減退を受け、各カテゴリーが縮小しました。2021年は軟包装を除くカテゴリーが伸長し、2022年は特に原材料高騰の影響を強く受け、値上げの関係からすべてのカテゴリーが前年比二桁増の伸びとなりました。ナフサなど原材料コストは徐々に下落しますが、エネルギーコストや関連設備、人件費などコスト上昇に伴い、今後、各市場は拡大するとみられます。
液体容器は、飲料メーカーがリサイクルPET樹脂の採用を進めていることから関連する品目が好調なほか、スパウト付きパウチ(飲料用)の需要が増加しています。食品容器は、電子レンジ対応容器関連の品目の伸びが大きいです。軟包装は、スキンパック用トップフィルムなど賞味期限延長ニーズから新しい形態の包装が好調です。バリアフィルムは、モノマテリアル化の開発トレンドからPETを使用したシーラントフィルムの需要増加が予想されます。その他、紙管・プラスチックコアがエレクトロニクス関連市場の回復に伴い需要が高まっています。
2.容器・包装材料における環境対応素材の国内市場
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2022年 |
2026年予測 |
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紙 |
210万340トン |
211万3,600トン |
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バイオ樹脂 |
非生分解 |
7万6,848トン |
10万6,109トン |
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生分解 |
3,315トン |
3,996トン |
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天然由来素材 |
800トン |
850トン |
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マスバランス |
バイオ |
108トン |
368トン |
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CR |
20トン |
100トン |
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合 計 |
218万1,431トン |
222万5,023トン |
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紙はリサイクル性に優れ、カーボンニュートラルや脱プラスチックの観点から環境対応素材として注目されています。すでに汎用的に使用されており、使用量に大きな変動はみられませんが、ラミネートチューブやストローでは紙化が進んでいるほか、チルド飲料カップや透明飲料カップは環境対応ニーズから紙カップに需要がシフトするなど脱プラスチックニーズを獲得しています。
バイオ樹脂は、カーボンニュートラルやサステナブルなどを受けて採用が増えています。非生分解は、コストは上がるものの石化樹脂と物性が近く、代替しやすいことから多くの品目で採用が進んでいます。生分解はPLA(ポリ乳酸)やPHBH(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート重合体)、PBS(ポリブチレンサクシネート)などがあります。PLAの採用が先行していますが、耐熱性や加工性、供給量などに課題があります。PHBHは海洋生分解性を特長とし、ストローやカトラリーなどで採用が進んでいますが、保管可能期間が短いことが採用の阻害要因となるケースもみられます。
天然由来素材は木や竹、石灰石、廃棄予定の非食用米を原料とする「ライスレジン」などであり、レジ袋やカトラリー、ストローのみで使用されるが、採用は一部にとどまっています。
マスバランスは、特性の異なる原料が混合される場合、ある特性を持つ原料の投入量に応じて生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法です。採用実績はわずかですが、今後各社で認証取得や採用検討が進むと予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.スキンパック用トップフィルム
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2023年見込 |
2022年比 |
2026年予測 |
2022年比 |
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3億円 |
100.0% |
5億円 |
166.7% |
スキンパックに使用されるトップフィルムを対象とします。スキンパックはプラスチックトレーや台紙、フィルムなどの容器・基材の上に生鮮食品などの商品を置き、上から特殊なフィルムで隙間なく熱圧着した包装形態です。凹凸がある製品の形に添って真空状に密着、シールして包装されるため、生鮮食品のドリップ流出が抑制され、食品の鮮度保持に適していることからフードロス削減対策として近年注目されています。
ノンバリア品は水産物向けの採用が中心であり、バリア品は気体や水分、ガス、においなどを遮断する特性を持つことから精肉、チーズ向けなどで採用され、チルドや冷凍流通のいずれも対応可能です。メディアで取り上げられたことから2020年、2021年は特需がみられました。2023年は宣伝効果が収まりノンバリア品は縮小しますが、バリア品はフードロス削減や脱プラスチックなどの環境対応、人手不足の解消など社会的ニーズに合致していることから伸長が予想されます。今後はドリップ流出を防ぐことで賞味期限を延長できるため精肉向けのバリア品の需要増加が予想され、市場をけん引するとみられます。
2.シーラントフィルム
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2023年見込 |
2022年比 |
2026年予測 |
2022年比 |
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全体 |
1,245億円 |
96.6% |
1,245億円 |
96.6% |
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PET |
0.5億円 |
100.0% |
1.0億円 |
2.0倍 |
※PETは全体の内数です
包装材の内面に接着層として使用することで加熱圧着できるフィルムで、LLDPE(低密度ポリエチレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)を対象とします。LLDPEは耐衝撃性、密着強度、ホットタック性に優れ、水物など重量物に適しています。CPPは耐熱性、透明性などに優れ、軽量物、レトルト食品での採用が多いです。PETはモノマテリアル(単一素材)化の進行により需要増加が期待されます。
LLDPEやCPPは、2020年から2022年の巣ごもり需要による大容量サイズの菓子や冷凍食品、レトルト食品などの買いだめ、ペットフードの販売量の増加などを背景に需要が増えました。特に、2022年は最終製品市場の拡大に加え、コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱や最終製品の値上げなどを懸念した先行発注が増加したことから市場は大きく伸びました。2023年は前年の反動により、市場縮小が予想されます。今後、LLDPEは冷凍食品や大容量パウチなど最終製品の増加やCPPからのシフトなどにより横ばいから微増で、CPPは横ばいから微減で推移するとみられます。
PETは、食品包装の特定用途で採用されており、横ばいで推移しています。現在、プラスチック使用量削減に向けPETトレーのふたをトップシールに変更する開発が行われるなど、新規用途での採用による需要増加が期待されます。現状ではモノマテリアル化の動きは少ないですが、今後プラスチック資源循環促進法(プラ新法)によるモノマテリアル化への対応が進み、採用増加が予想されます。
3.パウチ(食品用)
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2023年見込 |
2022年比 |
2026年予測 |
2022年比 |
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一般品 |
342億円 |
102.4% |
317億円 |
94.9% |
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電子レンジ対応 |
168億円 |
103.7% |
199億円 |
122.8% |
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合 計 |
510億円 |
102.8% |
516億円 |
104.0% |
一般品パウチ(レトルト食品、惣菜、小麦粉用など)と、自動的に蒸気が抜けることで開封せず電子レンジで加熱できる構造の電子レンジ対応パウチを対象とし、飲料用のスパウト付きパウチや菓子類に使用されるチャック付きパウチは対象外とします。
カレーなどのレトルト食品やアイスクリームなどのデザート類、しょうゆや調理みそなどの調味料で使用され、レトルト食品に使用される平パウチは、電子レンジ対応への切り替えが進んでいます。電子レンジ対応は冷凍食品やチルド食品で主に採用され、開封せず電子レンジで加熱できる手軽さが評価されて近年市場が急拡大しています。特に、2020年は巣ごもり需要により長期保存可能で手軽な冷凍食品の需要が増加したことから市場は前年比二桁増となりました。コロナ禍に大手外食チェーンがECやスーパーマーケットで冷凍食品の展開を進めたことも市場拡大の追い風となりました。今後は中小の食品メーカーで電子レンジ対応への切り替えが進むとみられ、市場は堅調な拡大が予想されます。
環境対応素材の動向としては、電子レンジ対応の最外層を中心にバイオPETの採用が進んでおり、今後電子レンジ対応への切り替えが進むとともにバイオ樹脂の使用量が増加するとみられます。
4.スパウト付きパウチ(飲料用)
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2023年見込 |
2022年比 |
2026年予測 |
2022年比 |
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164億円 |
103.8% |
170億円 |
107.6% |
ゼリー飲料などの清涼飲料に使用されるスパウト付きパウチを対象とします。ゼリー飲料は従来、スポーツシーンにおけるエネルギー補給が主な用途でしたが、近年はオフィスワーカーの間食やダイエットを目的とした食事代替、子ども向けのおやつなど多様なシーンでさまざまな年代に飲用されているため、スパウト付きパウチ市場は堅調に拡大しています。
2020年は、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが浸透しオフィスワーカー向けの需要が低迷したほか、スポーツシーンが減少したため、市場は大幅に縮小しました。2022年は外出規制の緩和を受け、オフィスワーカーや学生向けの需要増加、スポーツシーンの回復がみられました。また、これまでは男性をターゲットにした商品が多かったですが、女性をターゲットとするダイエットや美容訴求の商品が増加し、新規需要の獲得により市場は前年比二桁増となりました。2023年以降は、オフィスワーカー向けやスポーツシーンでの需要に加え、女性向けの新規需要により市場拡大するとみられます。
【参考】本記事で使用した「2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
液体容器
- PETボトル
- PETボトルキャップ
- 飲料カートン
- チルド飲料カップ
- 透明飲料カップ
- 紙カップ
- スパウト付きパウチ(飲料用)
- PE・PPボトル
- ラミネートチューブ
- ストロー
食品容器
- PSP食品容器
- OPS食品容器
- HIPS食品容器
- PP系発泡食品容器
- PPフィラー食品容器
- その他PP系食品容器
- PET系食品容器
- PLA食品容器
- パルプモールド容器
- 紙器
- カトラリー
軟包装
- パウチ(食品用)
- パウチ(非食品用)
- ラップフィルム(業務用)
- ラップフィルム(小巻)
- シュリンクフィルム
- ラベル用シュリンクフィルム
- スキンパック用トップフィルム
- MAP包装用トップシール
- 鮮度保持フィルム
- レジ袋
バリアフィルム
- アルミ蒸着フィルム
- 透明蒸着フィルム
- PVDCコートフィルム
- 共押出系バリアフィルム
- EVOH系共押出シート
- 包装用アルミ箔
- シーラントフィルム
その他
- 紙管・プラスチックコア
- チャックテープ
- 軟包装用インキ
- ラミネート用ポリエチレン樹脂
- ラミネート用接着剤
◆本記事は「2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。