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企業向けソフトウェア48品目の市場を調査。2027年度の国内市場を2兆8,700億円(2022年度比45.2%増)と推計

株式会社富士キメラ総研は、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度導入など法改正に伴う業務プロセスのデジタル化/ペーパーレス化、ESG経営への取り組み促進、また、生成AIの搭載や連携による新たな進展などを受けて、継続的な需要増加が期待される企業向けソフトウェアの国内市場を調査しました。その結果を「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」にまとめました。

この調査では、業務システム14品目、CX/デジタルマーケティング10品目、情報分析3品目、コラボレーション10品目、プラットフォーム/インフラ11品目の計48品目の市場について、SaaS/パッケージの二つの提供形態別に捉え、ソフトウェアビジネス市場の将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.ソフトウェア48品目の国内市場

2023年度見込

2022年度比

2027年度予測

2022年度比

業務システム

4,989億円

112.1%

6,737億円

151.4%

CX/デジタルマーケティング

2,914億円

112.4%

3,983億円

153.7%

情報分析

892億円

104.7%

1,013億円

118.9%

コラボレーション

5,532億円

109.1%

7,379億円

145.5%

プラットフォーム/インフラ

7,611億円

111.8%

9,588億円

140.9%

合 計

2兆1,938億円

111.0%

2兆8,700億円

145.2%

2023年度の市場はCX(カスタマーエクスペリエンス)/デジタルマーケティングや業務システムなどの伸びがけん引し、好調です。電子帳簿保存法などの法改正によるペーパーレス化の進展や、ソフトウェアを活用したDXの推進活発化、また、デジタル技術を活用するための支援ソフトウェアなどの需要が高まっています。

業務システムは、精度の高い経営計画・戦略の立案などを目的に導入が進むEPM、業務環境のデジタル化需要により大手から中小まで幅広い企業で導入が進む労務管理ソフトや電子契約ツール、契約書の作成業務の負担を軽減することが可能なクラウドサービスとして契約書作成・確認支援ツールが大きく伸長しています。

CX/デジタルマーケティングは、顧客対応の効率化/自動化ニーズにより導入が進むCRM(顧客対応系)が伸びているほか、ソフトウェアの導入効果の最大化を目的とするデジタルアダプション支援ツールが大手企業を中心に採用されています。

情報分析は、データに基づいた経営ニーズが高まっていることから、アドバンスドアナリティクスツールなど意思決定を支援するソフトウェアの需要が増加しています。

コラボレーションは、働き方の多様化に伴うテレワークやノンオフィスの流れからコミュニケーション強化が期待できるビジネスチャットや、法改正を契機としてペーパーレス/脱ハンコの動きが加速しているためワークフローやファイル/コンテンツ共有サービスがそれぞれ伸びています。

プラットフォーム/インフラは、データ利活用のための基盤としてのデータベース/データ連携ソフトウェアが好調なほか、中でも開発の効率化ニーズにより導入が進む製品(ローコード開発ツール、Webデータベース/ノーコード開発ツール)が好調です。

2.ソフトウェア48品目の提供形態別(SaaS/パッケージ)国内市場

2023年度見込

2022年度比

2027年度予測

2022年度比

SaaS

1兆4,128億円

117.1%

2兆  990億円

174.0%

パッケージ

7,809億円

101.3%

7,710億円

100.1%

合 計

2兆1,938億円

111.0%

2兆8,700億円

145.2%

※市場データは四捨五入しています

提供形態別では、パッケージはカスタマイズニーズや情報セキュリティ面などから需要は根強いですが、初期導入および運用コストの削減、機能拡張性への期待、短期間での導入などの利点によりSaaSが増加している。今後もSaaSを軸に市場拡大が予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.ローコード開発ツール

2023年度見込

2022年度比

2027年度予測

2022年度比

SaaS

1,034億円

120.0%

1,650億円

191.4%

パッケージ

122億円

108.9%

148億円

132.1%

合 計

1,156億円

118.7%

1,798億円

184.6%

アプリケーション開発に必要なソースコードの記述量を減らし、既定のパーツや機能を直感的に配置するGUI(Graphical User Interface)技術を使ったコード開発手法である、ローコード開発を行う開発・実行基盤となる製品を対象としました。

この製品を利用することにより、要件定義や設計、開発、テストの各段階で自動的なテストやプログラムの自動生成が可能となり、人的・時間的コストを大幅に低減できます。当初はITベンダーを中心に導入されていましたが、一般企業でも外部委託してきたシステム開発を内製化することでDXにつなげようとする動きがみられ導入が進んでいます。

2022年度は、システム開発の高速化や内製化ニーズの継続により、市場は拡大しました。2023年度も順調な伸びが予想されますが、一方で、ChatGPTなどの生成AIによるコーディング支援ツールの登場は、ローコード開発ツール市場に影響を与えるとの見方もあります。しかし、開発ベンダーでは、ローコード開発ツールに生成AIを組み込むなどさらなる高機能化による差別化を進めており、市場拡大は続くとみられます。

2.電子契約ツール(SaaS)

2023年度見込

2022年度比

2027年度予測

2022年度比

245億円

125.0%

500億円

2.6倍

書面上の署名/押印で行われてきた契約締結を、電子証明書やタイムスタンプなどの技術を活用しオンライン上で契約締結するツールを対象としました。コロナ禍でテレワークが広がったことから注目度が高まり、導入が進みました。さらに、法改正や官公庁/業界団体が契約の電子化を進めたことによって認知度が高まり、契約書保管や印紙税にかかるコストが削減できることから、2020年度および2021年度に市場が大きく拡大しました。

2022年度は、電子契約の認知度向上や、電子契約を導入している企業の契約相手先企業が利用を開始したことにより新規導入が増加しました。また、導入済み企業では、一部部門での利用から複数部門や全社導入など利用範囲が広がったことから、市場は拡大しました。さらに、電子帳簿保存法改正に対応するため、文書電子化への投資が拡大したことにより、電子契約ツールを導入する企業が増加しました。2023年度は、自治体での電子契約利用が増えており、自治体と取引を行う企業への導入が進むことにより、引き続き市場は拡大するとみられます。

今後、マイナンバーカードを活用した個人向けの電子契約の普及や、電子帳簿保存法改正への対応を目的としてペーパーレス/脱ハンコを推進した企業が次のステップとして電子契約ツールの導入を進めるとみられ、市場は順調に拡大すると予想されます。

3.デジタルアダプション支援ツール(SaaS)

2023年度見込

2022年度比

2027年度予測

2022年度比

42億円

161.5%

120億円

4.6倍

デジタルアダプションは、ユーザーが迷いやストレスなくシステム/ソフトウェアを使いこなせる状態を指す概念です。デジタルアダプションを実現するために、システム/ソフトウェアの操作や使い方を指示するデジタルガイドや入力ルールを示すツールチップなどを画面上に展開する機能、ユーザーがどのように利用しているかを可視化/分析する機能など、ソフトウェアの導入効果を最大化するための支援を行う製品を対象としました。DX推進に伴う急激なシステム/ソフトウェアの刷新などに起因するユーザーの操作性低下の課題に対応するため、需要が増加しています。

2019年頃から徐々に大手企業を中心に導入が進みました。2022年度は、提供ベンダーの販売パートナーとのアライアンスによる営業強化が奏功したことから、新規ユーザーが増加しました。また、この製品の機能を活かすために必要となる各ソフトウェアに適したデジタルガイド/ツールについて、ベンダーや販売パートナーがユーザーの作成支援に注力したことから、既存ユーザーの追加導入が増えて、市場は拡大しました。

2023年度は経費精算/調達ソフトウェアなどでの導入に加え、既存ユーザーにおいてローコード開発ツールで開発したシステムなどでの活用が増えていることや、官公庁/自治体が国民/住民向けシステムの利便性向上のために導入するなど、活用の範囲が広がっています。

今後は、経費精算/調達/会計など汎用ソフトウェアでの活用に加えて、建設業/医療/小売業など業種特化ソフトウェアでの活用が進むとみられます。また、ユーザー個別開発のシステムでの活用が進むとともに、顧客体験向上などを目的にBtoC向けサービスの提供サイトで導入が増えるなど用途が広がることから、市場拡大が続くとみられます。

【参考】本記事で使用した「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」に掲載している調査対象市場

業務システム

  • 大規模企業向けERP
  • 中規模企業向けERP
  • 財務・会計管理ソフト
  • 連結会計管理ソフト
  • EPM
  • 人事・給与管理ソフト
  • 人材管理ソフト
  • 勤怠管理ソフト
  • 労務管理ソフト
  • 経費精算ソフト
  • 電子契約ツール
  • 契約書作成・確認支援ツール
  • 販売・在庫管理ソフト
  • 生産管理ソフト

CX/デジタルマーケティング

  • CRM(営業系)
  • CRM(顧客対応系)
  • ECサイト構築ツール
  • CMS
  • メールマーケティングツール
  • マーケティングオートメーション
  • マーケティングプラットフォーム
  • CTI/コンタクトセンタークラウド基盤
  • SMS配信ツール
  • デジタルアダプション支援ツール

情報分析

  • BIツール
  • アドバンスドアナリティクスツール
  • テキストマイニングツール

コラボレーション

  • グループウェア
  • ビジネスチャット
  • Web会議
  • ワークフロー
  • 文書管理ツール/ECM
  • ファイル/コンテンツ共有サービス
  • プロジェクト管理ツール
  • 検索エンジン
  • 電子帳票関連ツール(設計・出力)
  • 電子帳票関連ツール(運用・保存)

プラットフォーム/インフラ

  • EDIツール
  • ファイル転送ツール
  • RPAツール
  • OCRソフトウェア
  • ローコード開発ツール
  • Webデータベース/ノーコード開発ツール
  • データ連携ツール(EAI/ESB/ETL/iPaaS)
  • RDBMS
  • DWH用DB
  • 運用管理ツール
  • SaaS管理ツール

◆本記事は「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。