株式会社富士キメラ総研は、5G通信における高周波帯の追加やNSA方式からSA方式へのネットワーク置き換え、6G通信の投資本格化などを受け、今後の需要増加や製品開発が期待される、高周波/高速伝送通信に対応するデバイスや材料の世界市場を調査しました。その結果を「2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望」 にまとめました。
この調査では、端末向け通信デバイス・モジュール11品目、インフラ向け通信機器・デバイス7品目、コネクター・受動部品6品目、高周波/高速伝送関連材料3品目を対象に、高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料の世界市場を明らかにし、将来を展望しました。また、高周波/高速伝送通信を活用するアプリケーション8品目の市場についても調査を行いました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料の世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2035年予測 |
2022年比 |
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端末向け通信デバイス・モジュール |
5兆2,647億円 |
102.9% |
7兆9,512億円 |
155.3% |
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インフラ向け通信機器・デバイス |
3兆2,173億円 |
102.7% |
8兆7,014億円 |
2.8倍 |
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コネクター・受動部品 |
4,173億円 |
100.2% |
5,045億円 |
121.1% |
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高周波/高速伝送関連材料 |
2,765億円 |
107.9% |
1兆5,071億円 |
5.9倍 |
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合 計 |
9兆1,758億円 |
102.8% |
18兆6,643億円 |
2.1倍 |
※市場データは四捨五入しています
2023年はスマートフォンや基地局などのセット機器の市場が苦戦しているため、端末向けやインフラ向けのデバイス・材料の需要は低調ですが、円安の影響で市場は前年比2.8%増が見込まれます。
2024年以降は5G通信における6GHzを超えた高周波帯の追加に加え、ネットワークをNSA(ノン・スタンドアローン)方式からSA(スタンドアローン)方式へ置き換える目的の設備投資が増加するとみられます。2028年頃からは、6G通信実現に向けた設備投資の本格化も予想され、2035年の市場は18兆6,643億円が予測されます。
端末向け通信デバイス・モジュールは、通信量の増大による繋がりにくさを解消するため、通信キャリアなどがWi-Fiアクセスポイントを増やしていることからWi-Fiチップが大きく伸びています。
Wi-FiチップはSub6を超える高速伝送が可能であり、今後は、情報通信機器だけではなく自動車や家電などさまざまな機器へ搭載されることから、Wi-Fiチップが引き続き市場拡大をけん引するとみられます。
インフラ向け通信機器・デバイスは、2023年は通信キャリアの設備投資が低調であるため、市場は前年比2.7%増にとどまるとみられます。今後、基地局やサーバー、ルーター、スイッチといったインフラ機器内部や機器間伝送が高速化するとみられ、電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバーの伸びが予想されます。
コネクター・受動部品は、セット機器に必須であり、2023年の市場は4,173億円が見込まれます。2024年以降、新たな周波数の追加に伴う基地局の増加やSub6以上に対応したスマートフォンの登場によってRFモジュールの需要が高まるため、使用されるMLCC(積層セラミックコンデンサ-)やインダクターが伸長するとみられます。
高周波/高速伝送関連材料は、2023年はサーバーやスイッチ、ルーターなどへの設備投資増加により、多層基板用低誘電CCL(Copper Clad Laminate)と低誘電CCL用樹脂が伸びています。
AIサーバーをはじめ今後はサーバーの最大通信速度の向上が求められるほか、車載ミリ波レーダーでの需要増加などを背景に、引き続き多層基板用低誘電CCLと低誘電CCL用樹脂が大きく伸長するとみられ、2035年の市場は2022年比5.9倍が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.サーバー用多層基板
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2023年見込 |
2022年比 |
2035年予測 |
2022年比 |
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2,398億円 |
88.4% |
8,426億円 |
3.1倍 |
汎用サーバー向けは16層以下の多層基板が用いられ、AIサーバーなどハイエンドサーバー向けは18層以上の高多層基板が採用されています。
2023年は、高価格なAIサーバー向けが好調です。一方、7割程度を占める汎用サーバー向けは、サーバーの出荷台数減少やEMS(電子機器の製造受託企業)の基板在庫増加によって需要が減少しており、市場は前年比11.6%減が見込まれます。
2024年は、AIサーバー向けは、引き続き好調が予想され、中長期的にも堅調な需要を維持することから今後の市場拡大に貢献するとみられます。汎用サーバー向けはPCI Express7.0規格への移行により、低誘電化への対応が進み、Very Low LossからUltra Low Loss対応品へ需要が移り単価上昇が予想されるため、2035年に向けて市場は拡大が予想されます。
2.多層基板用低誘電CCL
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2023年見込 |
2022年比 |
2035年予測 |
2022年比 |
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1,766億円 |
110.2% |
1兆2,523億円 |
7.8倍 |
ガラス繊維を布状に編んだガラスクロスにエポキシ樹脂などを染み込ませた絶縁層(プリプレグ)に、回路層を書き込む銅箔を貼ったもので、サーバーや通信機器や基地局で使用されます。最大通信速度が速い順にSuper Low Loss、Ultra Low Loss、Very Low Lossと分類できます。
2023年は、Ultra Low Lossグレードを中心にAIアクセラレータ-チップ向けが伸長しています。AIサーバーのスイッチやルーター向けにSuper Low Lossグレードも急伸しており、市場は前年比10.2%増が見込まれます。
AIサーバー向け通信機器では、求められる最大通信速度がさらに高まると予想され、今後はSuper Low Lossの需要が増加するとみられます。また、Ultra Low Lossの多層基板が車載ミリ波レーダー向けで増加しているほか、ゲーミングPCやノートPCでの採用も増えており、使用される低誘電CCLも伸長が予想されるため、2035年の市場は2022年比7.8倍が予測されます。
3.低誘電CCL用樹脂
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2023年見込 |
2022年比 |
2035年予測 |
2022年比 |
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200億円 |
122.0% |
1,670億円 |
10.2倍 |
Super Low Loss、Ultra Low Loss、Very Low Loss対応品のCCLに使用される樹脂を対象とします。CCLの主剤のほか、柔軟性や靭性などの機能付加を目的に使用されます。
2023年は、AIサーバー向けの需要増加により、Super Low LossやUltra Low LossのCCLが好調であるため、使用される樹脂も伸長しており、市場は拡大するとみられます。
1.6TbEの通信機器では100G×16レーンの転送方法から始まるとみられ、今後はSuper Low Lossの採用が進むと予想されます。2020年代後半から2030年にかけて、より効率的なデータ転送を行う200G×8レーンが本格化しSuper Low Lossを超えるCCLのニーズが高まるため、樹脂の需要も増加するとみられ、2035年の市場は2022年比10.2倍が予測されます。
【参考】本記事で使用した「2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望」に掲載している調査対象市場
端末向け通信デバイス・モジュール
- AiP・AiM
- FPCアンテナ・アンテナケーブル用FPC
- ガラスアンテナ
- フィルムアンテナ
- テラヘルツ波通信用アンテナ
- フィルターデバイス
- パワーアンプ
- RFモジュール
- UWBチップ
- Wi-Fiチップ
- 水晶デバイス
インフラ向け通信機器・デバイス
- 光トランシーバー
- 基地局用セクターアンテナ
- 基地局用Massive MIMOアンテナ
- RRH・RU
- アンテナ反射板
- サーバー用多層基板
- 60GHzミリ波レーダー
コネクター・受動部品
- USB Type-Cコネクター
- 狭ピッチB-Bコネクター
- 小型RF同軸コネクター
- 細線同軸コネクター
- MLCC
- インダクター
高周波/高速伝送関連材料
- 多層基板用低誘電CCL
- 低誘電CCL用樹脂
- 低誘電FCCL(MPI/LCP/PFA)
アプリケーション
- スマートフォン
- スマートグラス
- CPE
- 自動車
- 基地局
- スイッチ
- サーバー
- 衛星通信受信端末
◆本記事は「2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。