株式会社富士経済は、世界的なxEVシフトにより、電池メーカーの積極的な投資や生産拡大で注目される自動車向け二次電池の世界市場を調査しました。その結果を「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 電動自動車・車載電池分野編」にまとめました。
この調査では、自動車向け二次電池市場を駆動用と補機用に分け、明らかにしました。また、世界各国の補助金政策、燃費規制、電池セルの大型化で注目される電池パックや電池モジュール・セル構成部材の市場についても整理しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 電動自動車・車載電池分野編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
自動車向け二次電池の世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2050年予測 |
2022年比 |
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駆動用 |
21兆9,153億円 |
133.2% |
72兆4,961億円 |
4.4倍 |
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補機用 |
2兆2,236億円 |
105.3% |
1兆8,595億円 |
88.1% |
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合 計 |
24兆1,388億円 |
130.0% |
74兆3,556億円 |
4.0倍 |
※市場データは四捨五入しています
走行の動力源となる駆動用は今後、xEVの需要増加に伴い市場の急拡大が予想されます。世界各国の環境規制強化や、2035年までに欧州の大半や中国などでICEV(内燃自動車)の販売禁止が実施される予定であり、自動車メーカーは環境性に優れるEVを中心とした販売、新規投入に力を入れていきます。2050年の市場は2022年比4.4倍の72兆4,961億円が予測されます。市場をけん引している欧州、北米、中国は20兆円前後の市場規模まで拡大するとみられます。
補機用はICEVやISSV(アイドリングストップ自動車)、12V系MHV(マイルドハイブリッド自動車)にはエンジン始動用として、48V系MHVやHV、PHV、EVおよびFCVには電池システム(ECU)起動用として搭載されています。自動車世界市場が半導体供給不足による減産から回復基調にあることから、2023年の市場は前年比5.3%増の2兆2,236億円が見込まれます。今後中期的には、EVが増えることで内燃自動車が減りますが、自動車生産台数が伸びていることから市場は堅調に推移していきます。しかし、長期的には自動車生産台数の伸びも徐々に鈍化していくとみられ、2050年に市場は2022年比で縮小が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.車種別駆動用二次電池の世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2050年予測 |
2022年比 |
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EV向け |
16兆5,113億円 |
131.8% |
66兆3,012億円 |
5.3倍 |
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EVトラック・バス向け |
8,660億円 |
114.8% |
3兆1,635億円 |
4.2倍 |
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HV向け |
6,146億円 |
112.4% |
5,855億円 |
107.1% |
EV向けは、2023年以降にEVを購入する消費者が税額控除を受けられる米国の「インフレ抑制法」や欧州などの環境規制の強化による市場成長が予想されます。また、カーボンニュートラル実現に向けたEVシフト戦略を背景とした、EVモデルの大幅な投入増加が予想されます。日本、欧州、米国、中国などによるICEVの販売終了によってEVが中心になるとみられます。多くの国がカーボンニュートラルの実現目標とする2050年の市場は2022年比5.3倍の66兆3,012億円が予測されます。
EVトラック・バス向けは、中国が大型EVトラックの積極的な導入を始めたことから市場が拡大しました。現在もEVトラック向けが市場の中心となっています。今後は燃費規制の強化などに伴い、欧州や北米の需要拡大が予想されます。また、物流におけるカーボンニュートラル実現を目的としたEV化、都市の環境対策として公共交通機関のEV化が想定され、市場は2050年に2022年比4.2倍の3兆1,635億円が予測されます。
HV向けの市場は、2023年に前年比12.4%増の6,146億円が見込まれます。近年、EV需要の拡大でHV需要の低下がみられますが、燃費規制強化などの対策として、研究開発が続くと想定されるため、当面は電動自動車の主力車種として、好調を維持すると予想されます。将来的にはEVシフトに伴い、欧州主要国や中国のHV需要は縮小していくとみられますが、新興国では一定の需要が期待されます。また、日本においても2035年までに乗用車の新車販売は電動車率100%を目指す政府方針や、2030年以降ICEVの新車販売禁止を打ち出す東京都の政策などが、HV需要の増加に作用すると予想されます。そのためHV向け市場は2050年に2022年比7.1%増の5,855億円が予測されます。
2.CMUの世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2050年予測 |
2022年比 |
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4,774億円 |
134.3% |
2兆4,170億円 |
6.8倍 |
CMU(Cell Management Unit)とは、LiBなどの電池セルの電圧や電流、温度などを測定して、管理するためのユニットであり、1個で複数の電池セルの監視が可能で、セル数によって自動車へ搭載される個数が変化します。市場はxEVに搭載される電池のセル数に依存するため、xEV市場と連動します。特に、EVはセル搭載数が多く、搭載容量が大きいことから影響が強いです。
2023年以降の環境規制強化、また、カーボンニュートラル実現に向けたICEV/ISSVからのシフトによるxEV市場の伸長を背景に、市場拡大が予想されます。ただし、近年は直接電池セルを電池パックに統合し、電池パックの空間利用率とエネルギー密度を効果的に向上させるCell to PACK技術が採用トレンドになっており、EVを中心に1台当たりのセル搭載数の減少に伴い、CMUも減少するため、長期的にはxEV市場の伸びほどの市場成長率は期待できません。
【参考】本記事で使用した「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 電動自動車・車載電池分野編」に掲載している調査対象市場
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二次電池 |
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・鉛電池(Pb) |
・電気二重層キャパシタ(EDLC) |
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・ニッケル水素電池(NiMH) |
・リチウムイオンキャパシタ(LiC) |
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・リチウムイオン電池(LiB) |
・その他次世代電池 |
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駆動用電池/補機用電池搭載車両 |
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・MHV(12V系/48V系マイルドハイブリッド自動車) |
・FCV(燃料電池自動車) |
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・HV(ハイブリッド自動車) |
・HV/PHVトラック・バス |
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・PHV(プラグインハイブリッド自動車) |
・EVトラック・バス |
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・EV(電気自動車) |
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駆動用電池搭載車両 |
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・マイクロEV(ミニカー、超小型モビリティ) |
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補機用電池搭載車両 |
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・ICEV(内燃自動車)、ISSV(アイドリングストップ自動車) |
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車載電池モジュール・セル構成部材 |
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・CMU(Cell Management Unit) |
・LiB/次世代電池用負極活物質 |
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・xEVバッテリー用高圧ハーネス |
・LiB/次世代電池用電解液 |
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・LiB/次世代電池用セル筐体 |
・LiB/次世代電池用セパレータ |
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・高圧電流遮断器(パイロヒューズ) |
・LiB/次世代電池用正極集電体 |
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・LiB/次世代電池用正極活物質 |
・LiB/次世代電池用負極集電体 |
◆本記事は「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 電動自動車・車載電池分野編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。