株式会社富士経済は、人材不足や消費者動向の変化などへの対応に向けてDX推進が急務であるリテール業界において注目される、「データ利活用」「クラウド連携」をテーマとしたリテール向け次世代システム・サービス市場を調査しました。その結果を「サイバーフィジカル×データ利活用×次世代サービスによって進化する小売・サービス業の新市場調査」にまとめました。
この調査では、リテール向け次世代システム・サービスとして位置情報活用型商圏可視化システム、店舗向けクラウド録画サービス、リテールメディア構築プラットフォーム、ネットスーパー立ち上げ支援サービス、店舗向け物流マッチングサービスの5品目を取り上げ、市場の動向と今後の方向性を明らかにしました。また、ソリューションベンダーに求められる要件や、機器・システムベンダーのビジネスモデルの方向性などを整理して、2030年に向けたビジネスチャンスを考察しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「サイバーフィジカル×データ利活用×次世代サービスによって進化する小売・サービス業の新市場調査」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
リテール向け次世代システム・サービスの国内市場
|
2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
|
146億円 |
113.2% |
372億円 |
2.9倍 |
リテール業界では新型コロナウイルス感染症の影響で変化した消費者の生活様式や外部環境に対応するために、店舗を中心としたフィジカル空間(リアル店舗)のデータを、サイバー空間で蓄積・分析し活用できるクラウド・SaaSサービスの利用が増えています。リアルタイムに近い消費者の位置情報や店舗の映像・音声データを把握することが可能となるほか、蓄積・分析されたデータは店舗や消費者データを活用し広告配信するリテールメディア、ネットスーパー、物流マッチングサービスなどの新たなサービスとしてフィジカル空間で活用されています。フィジカル空間とサイバー空間を連携させた次世代システム・サービスの2022年の市場は146億円が見込まれます。
今後は、フィジカル空間のデータ利活用の高度化を図るソリューションやクラウド上のデータをフィジカル空間において具体的なサービスとして提供するサーバーフィジカル型ソリューションの展開は一層加速するとみられ、2030年の市場は2021年比2.9倍の372億円が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.位置情報活用型商圏可視化システム
|
2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
|
16億円 |
106.7% |
27億円 |
180.0% |
消費者の移動履歴、居住地情報などの位置情報を活用し、店舗開発やエリアマーケティングに活用する商圏分析システムを対象とします。
ECの普及による購買行動の変化や新型コロナの影響による生活様式の変化によって、従来のエリアマーケティングのノウハウが活かしにくい環境となったことから、リアルタイムに近いデータに対する需要が増加しています。また、初期導入コストの削減や、短期間での導入可能なSaaS型の利用が進むとみられます。業種別では、飲食店の導入比率が高く、コロナ禍による人流の変化で来店予測が難しくなった点が背景にあるとみられます。
2.店舗向けクラウド録画サービス
|
2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
|
87億円 |
108.8% |
130億円 |
162.5% |
ネットワークに接続された店舗のカメラから得られる情報をクラウド上で管理することができるクラウド録画サービスを対象とします。
映像が録画管理されたクラウドプラットフォームにアクセスすることで、店舗から離れた場所で店内の状況が把握できることから、コロナ禍ではリモートによる店舗巡回に活用するなど、従来の防犯用途以外の活用が進んでいます。今後も、画像解析を通した消費者の行動分析などへの活用が進むとみられ、2030年の市場は130億円に拡大すると予測されます。
3.リテールメディア構築プラットフォーム
|
2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
|
21億円 |
131.3% |
110億円 |
6.9倍 |
店舗に訪れた消費者に対し、デジタルサイネージなどで広告を提示するためのプラットフォームを対象とします。
実証実験段階から本格的な導入が進んでおり、2022年の市場は2021年比31.3%増の21億円が見込まれます。リテールメディア事業を自社で展開したいとする小売事業者の意欲が高まっており、市場は拡大しています。また、大手消費財メーカーが自社商品の販売促進として活用する事例もみられるほか、世界的に導入が進んでいることからも注目度が高まっています。
人口減少が進み、薄利多売型ビジネスからの脱却が課題となる小売事業者にとって、店頭で最適な広告を配信するリテールメディアは売上向上につながると期待されています。リテールメディアの構築は、規模や業種を問わずニーズが高まるとみられ、2030年の市場は2021年比6.9倍の110億円と大幅な拡大が予測されます。
【参考】本記事で使用した「サイバーフィジカル×データ利活用×次世代サービスによって進化する小売・サービス業の新市場調査」に掲載している調査対象市場
品目
- 位置情報活用型商圏可視化システム
- 店舗向けクラウド録画サービス
- リテールメディア構築プラットフォーム
- ネットスーパー立ち上げ支援サービス
- 店舗向け物流マッチングサービス
◆本記事は「サイバーフィジカル×データ利活用×次世代サービスによって進化する小売・サービス業の新市場調査」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。