株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行によりワクチンや治療薬の臨床研究や製造、検体やワクチンの保管、検査用途で需要が増加した製品がみられるティッシュエンジニアリング関連のアジア市場を調査し、その結果を「ティッシュエンジニアリング関連アジア市場の最新動向と将来性 2021」にまとめました。アジアは中国を中心に研究が活発化しており、日本や台湾、ベトナムでも再生医療関連の法制定が進んでいることから注目されています。
この調査では、再生医療等製品4品目、細胞2品目、細胞培養施設/サービス4品目、ライフサイエンス研究用製品4品目、細胞保管/輸送製品4品目、細胞培養/分離製品8品目、イメージング装置/検査用製品7品目、セルカルチャーウェア4品目、試薬6品目の市場動向を日本、中国、台湾、ベトナム、インドネシアの5エリアで調査・分析し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「ティッシュエンジニアリング関連アジア市場の最新動向と将来性 2021」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「ティッシュエンジニアリング関連アジア市場の最新動向と将来性 2021」の全体サマリー
ティッシュエンジニアリング関連のアジア市場
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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日本 |
1,163億円 |
99.6% |
1,813億円 |
155.9% |
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中国 |
2,746億円 |
104.6% |
4,519億円 |
164.6% |
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台湾 |
168億円 |
101.2% |
293億円 |
174.4% |
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ベトナム |
86億円 |
107.5% |
141億円 |
164.0% |
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インドネシア |
113億円 |
104.6% |
224億円 |
198.2% |
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合 計 |
4,276億円 |
103.1% |
6,991億円 |
163.5% |
※市場データは四捨五入しています
各エリアで細胞を用いた各種研究が活発化しており、特に中国や台湾などではライフサイエンス関連の研究予算が増加していることから市場は拡大してきました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言の発出やロックダウンなどの影響を受け、細胞を用いた各種研究の休止が多くみられたことから一部製品の需要が減少しました。しかし、後半に新型コロナのワクチンや治療薬の臨床研究や製造、検体やワクチンの保管、検査用途で使用する製品の需要が増加し、市場は2019年比3.1%増の4,276億円となりました。新型コロナ関連の需要により、2021年も引き続き市場は拡大するとみられます。今後、再生医療・細胞治療のさらなる普及や他家細胞を用いた治療が進むことで市場拡大が続くとみられ、2030年の市場は2020年比63.5%増の6,991億円が予測されます。
エリア別では、中国の市場規模が最も大きいです。中国では再生医療・細胞治療関連の臨床研究が積極的に進められており、それに伴い細胞培養に使用する製品の需要が増加していることから今後も市場をけん引するとみられます。中国に次いで市場規模が大きい日本では、民間企業における再生医療・細胞治療関連の研究が活発化しており、今後も伸長するとみられます。台湾とベトナム、インドネシアは現状の市場規模は小さいですが、細胞を用いた各種研究が年々活発になっていることから、市場拡大が期待されます。
◆注目個別市場サマリー
1.超低温フリーザー/メディカルフリーザー
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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284億円 |
107.2% |
415億円 |
146.1% |
温度制御範囲が-150℃から-80℃程度に設計された試料保存を目的に使用される超低温フリーザーおよび-40℃から-10℃程度に設計されたメディカルフリーザーを対象とします。
2020年の市場は、新型コロナの流行による緊急事態宣言の発出やロックダウンの影響などにより細胞を用いた各種研究が休止したことから大学・研究機関用途が落ち込みましたが、新型コロナワクチンの保管用途で需要が増加したことから前年比7.2%増の284億円となりました。2021年も引き続き需要が増加することから市場は大幅に拡大するとみられます。特に、日本の伸びが高く前年比2倍超が予想され、2022年は前年の特需の反動から2020年の市場規模まで落ち込むとみられます。
再生医療の産業化が進むにつれて生体試料の冷凍保存ニーズも高まるとみられ、今後のさらなる市場拡大が期待されます。
2.薬用冷蔵ショーケース/薬用保冷庫
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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131億円 |
104.8% |
187億円 |
142.7% |
温度制御範囲が2℃から14℃程度に設計された薬品保管に使用される冷蔵ショーケースおよび保冷庫を対象とします。
薬用冷蔵ショーケース/薬用保冷庫は、以前からライフサイエンス分野において使用されている機器であり、関連研究が盛んな中国を中心に伸びています。2020年後半から新型コロナワクチンの保管用途の需要が増加し、2021年も引き続き市場は拡大するとみられます。2022年は前年の特需の反動から日本の需要が減少するため微減が予想されますが、他のエリアでは細胞を用いた各種研究が引き続き活発に行われるとみられ、今後も市場拡大が期待されます。
3.安全キャビネット/クリーンベンチ
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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184億円 |
136.3% |
160億円 |
87.0% |
病原体や微生物などの検体を清浄空間で取り扱う際の作業台です、安全キャビネットとクリーンベンチを対象とします。
近年、安全キャビネットは再生医療の研究用途や毒性の高い抗がん剤の調合用途などで需要が増加しています。一方で、クリーンベンチは安全キャビネットで代用可能であるため、2018年頃までは需要が減少していました。2020年の市場は新型コロナの流行により医療機関や民間の検査機関、空港の検疫所や保健所での採用が増え、需要が急増したことから、安全キャビネット、クリーンベンチともに伸び、2019年比36.3%増の184億円となりました。2021年以降、徐々に新型コロナ関連の需要が減少していくとみられますが、中国や台湾では再生医療やバイオ医薬品の開発が活発化していることから市場は堅調に拡大すると予想されます。
4.細胞性医薬品/CAR-T細胞療法
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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40億円 |
100.0% |
990億円 |
24.8倍 |
細胞自身が持つ性質を用いて、身体の構造・機能の再建・修復・形成による治療や疾病の治療・予防を目的に使用する製品のうち、保険償還価格が定められているものを対象とします。
現状は日本市場のみです。細胞性医薬品は2016年に発売されたJCRファーマの「テムセルHS注」により、CAR-T細胞療法は2019年に発売されたノバルティス ファーマの「キムリア」により市場が形成されましたが、2021年5月現在、流通している製品数は限定的です。また、安全性などの考慮から発売直後は治験実施施設などに使用が限られていましたが、徐々に使用可能な施設が増えています。2020年は「キムリア」が使用可能な施設が増加したことにより症例数が増えました。2021年は「キムリア」のさらなる使用増加や、2020年に供給制限されていた「テムセルHS注」の制限解除などにより、市場は2020年比57.5%増が見込まれます。2022年以降は新しく保険償還される製品によって、市場は拡大するとみられます。
中国では法律が未整備であることから遅れていますが、2022年頃よりCAR-T細胞療法、2023年頃より細胞性医薬品の治療が開始されることで、急激な市場拡大が期待されます。
【参考】本記事で使用した「ティッシュエンジニアリング関連アジア市場の最新動向と将来性 2021」に掲載している調査対象市場
再生医療等製品
- 培養軟骨
- 培養皮膚
- 心筋シート/角膜上皮シート
- 細胞性医薬品/CAR-T細胞療法
細胞
- ヒト細胞/三次元組織モデル
- iPS細胞/ES細胞
細胞培養施設/サービス
- 細胞培養センター(CPC)/細胞製造プラント
- 細胞培養/加工受託サービス
- 臍帯血バンク
- 細胞搬送サービス
ライフサイエンス研究用製品
- マイクロプレートリーダー
- エレクトロポレーター
- 滅菌器
- トランスフェクション試薬
細胞保管/輸送製品
- 超低温フリーザー/メディカルフリーザー/プログラムフリーザー
- 薬用冷蔵ショーケース/薬用保冷庫
- 凍結保存容器
- 細胞搬送容器/ドライシッパー
細胞培養/分離製品
- 遠心分離機
- CO2インキュベータ
- 自動培養装置
- アイソレータ・
- 安全キャビネット/クリーンベンチ
- 三次元バイオプリンター
- 自動分注ワークステーション
- 細胞濃縮・洗浄装置
イメージング装置/検査用製品
- フローサイトメーター
- 細胞計数分析装置
- セルイメージングシステム
- 細胞観察用顕微鏡
- リアルタイムPCR装置
- 液体クロマトグラフ質量分析装置
- 細胞安全性試験システム
セルカルチャーウェア
- 細胞培養用シャーレ/プレート/フラスコ
- 遠沈管/ピペット
- 血液成分分離キット
- 細胞培養用バッグ
試薬
- 細胞培養用培地
- 細胞培養用血清
- 細胞凍結保存液
- 細胞外マトリクス
- 細胞剥離・分離用試薬
- 細胞培養用スキャホールド
◆本記事は「ティッシュエンジニアリング関連アジア市場の最新動向と将来性 2021」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。