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ファストフードやテイクアウトなど6カテゴリー64業態の外食産業国内市場を調査

株式会社富士経済は、イートインが新型コロナ対策による店内での飲食機会の減少から苦戦を強いられているものの、テイクアウトやデリバリーを軸に対応が進む外食産業国内市場について調査し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2021 No.1」にまとめました。

この調査では、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー64業態の市場について現状を捉え、将来を展望しました。外食産業のうち料飲店やファミリーレストラン、喫茶などについては、「外食産業マーケティング便覧 2021 No.2」でまとめております。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「外食産業マーケティング便覧 2021 No.1」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「外食産業マーケティング便覧 2021 No.1」の全体サマリー

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

ファストフード

3兆180億円

93.6%

3兆2,023億円

106.1%

テイクアウト

7兆728億円

92.2%

7兆3,552億円

104.0%

ホームデリバリー
・ケータリング

8,245億円

69.3%

9,028億円

109.5%

交通機関

219億円

20.4%

228億円

104.1%

レジャー施設

6,238億円

62.3%

7,152億円

114.7%

給食

3兆8,319億円

93.7%

3兆9,424億円

102.9%

2020年のファストフードは、テイクアウト比率の高いハンバーガーやチキンが好調でしたが、イートイン主体の業態が苦戦し前年比6.4%減の3兆180億円となりました。2021年は様々な業態でテイクアウトやデリバリーを強化する動きがみられることやイートイン需要が徐々に回復する予想から前年比6.1%増の3兆2,023億円が見込まれます。

2020年のテイクアウトは、巣ごもり需要の増加によりロードサイド立地が好調となりました。一方、都市部を中心にオフィス街や百貨店、駅ビルなどの店舗ではテレワークの定着による客数減や出店先施設自体の休業、時短営業を受け、前年比7.8%減の7兆728億円となりました。2021年は緊急事態宣言の再発出でテイクアウトの需要が維持されているほか、前年に苦戦した都市部店舗の客数も回復が予想されるため市場は拡大するとみられます。一方、コロナ禍で不採算店舗の撤退が進むほか、他業態もテイクアウトに注力しているためコロナ禍以前の2019年の規模までは回復しないとみられます。

2020年のホームデリバリー・ケータリングは、宅配ピザや宅配ずし、宅配釜飯などは外出自粛の影響で需要が増加し、自社配送や宅配代行サービスの躍進を背景に好調な動きがみられました。しかし、仕出し弁当やケータリングはテレワーク普及によるオフィスでの需要の低下や集会機会の減少により大きく落ち込んだため、市場は前年比30.7%減の8,245億円となりました。2021年は、宅配ピザや宅配釜飯、病者・高齢者食宅配など続伸する品目もありますが、仕出し弁当やケータリングなどはテレワークや集会自粛の影響が長引くことから、市場は2019年の規模には至らないとみられます。

2020年の交通機関は、新型コロナの影響で国際線を中心に大幅な減便や運休が相次ぎ、機内食が激減しました。また、列車内食はインバウンド需要や出張者が減少、客船食堂もダイヤモンドプリンセス号の集団感染などにより利用客が大幅に減り、前年比79.6%減の219億円となりました。2021年は新型コロナの影響がありますが、前年に比べて機内食や客船食堂は増加すると予想されます。しかし、テレワークの定着による駅の利用客の減少や車内販売の終了・休止などから列車内食が減少し、2019年の規模までは回復しないとみられます。

2020年のレジャー施設は、店舗や施設の一時休業や時短営業で、全業態が大幅なマイナスとなりました。比較的新型コロナの影響が落ち着いた秋頃でも、外出先での飲食の敬遠やカラオケボックスなどの感染リスクに関する報道によって、前年比37.7%減の6,238億円となりました。2021年は2020年の緊急事態宣言下の休業とは異なり、人数制限をしつつも営業を続ける店舗がみられるため、市場は回復に向かうと予想されます。しかし、新型コロナが収束していないことから、2019年の規模までは回復しないとみられます。

2020年の給食は、高齢者福祉施設給食が新型コロナの影響を受けずに伸長しましたが、産業給食はテレワークによる喫食者の減少、学校給食、学生食堂は休校、オンライン授業の実施などにより縮小し、市場は前年比6.3%減の3兆8,319億円となりました。2021年は高齢者福祉施設給食が有料老人ホームなどの新設により伸長するとみられます。また、給食が例年通り実施されることから学校給食が、保育所及び幼保連携型認定こども園の設置増から幼稚園・保育所給食が、それぞれ伸びるとみられます。そのほか、学生食堂も対面授業の再開によって喫食者の増加が予想され、市場は前年比2.9%増の3兆9,424億円が見込まれます。

◆注目個別市場サマリー

1.唐揚げ

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

1,050億円

123.1%

1,200億円

114.3%

唐揚げは、共働き世帯の増加や油の廃棄など煩雑な工程が多いことを背景に家庭内調理頻度が減少していることもあり、外食の需要が増加しています。2010年頃よりテイクアウト専門店の出店が進み、2014年以降大手外食チェーンもテイクアウトに参入したことにより、テイクアウトを中心に市場は拡大してきました。

2020年の市場は在宅時間が増加しましたが、油の廃棄などを含めた調理の煩雑さから家庭内調理が敬遠され、むしろテイクアウトの唐揚げの簡便性や時短効果に注目が集まったため、テイクアウト・デリバリーを中心に需要を取り込みました。さらに、既存のテイクアウト専門店の好調や従来のイートインを中心としてきたチェーンでも需要の獲得が進んでおり、前年比23.1%増の1,050億円となりました。

2021年は引き続き在宅時間の増加や感染対策に伴う店内飲食の機会低下がテイクアウト・デリバリーの需要を高め、前年比14.3%増の1,200億円が見込まれます。

2.ハンバーガー

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

7,420億円

105.1%

7,798億円

105.1%

ハンバーガーは2015年以降、上位チェーンのけん引により市場拡大を続けてきました。

2020年の市場は新型コロナ流行の影響により在宅時間が伸び、住宅街立地の店舗を中心に需要が増加しました。また、デリバリーも好調で前年比5.1%増の7,420億円となりました。

2021年は年明けから緊急事態宣言が発出されましたが、コロナ禍以前よりデリバリーやテイクアウトの需要の取り込みが進んでいることや日常食としての需要を獲得していることから、在宅時間の増加は前年同様プラスに影響するとみられ、市場は前年比5.1%増の7,798億円が見込まれます。

3.回転ずし

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

6,194億円

92.4%

6,553億円

105.8%

回転ずしは、低価格で高品質のすしのほか、ラーメンやスイーツなど他業態の主力メニューを提供し、需要を獲得しています。また、2013年以降はオーダーレーンやタッチパネルの導入など顧客の利便性向上を図る施策や上位チェーンの積極的な出店により、市場は拡大してきました。

2020年の市場は新型コロナ流行の影響により売上高が3月~5月に激減し、6月~10月に改善傾向となりました。また、高価格帯メニューの投入で、客数が減少する中でも単価アップを図るチェーンや11月~12月にGo To Eatキャンペーンにより売上高が急伸したチェーンもみられました。しかし通年でみると新型コロナ流行の影響が大きく、前年比7.6%減の6,194億円となりました。

2021年は期間限定や高価格帯のメニューの開発が続くほか、ロードサイド立地の飽和感や顧客接点の増加を背景に都心、駅前、SCなど他業態の空き店舗を活用した出店が拡大しています。また、テイクアウト・デリバリーの強化や自動案内機・セルフレジなどを導入した非接触型店舗も増加しており、市場は前年比5.8%増の6,553億円が見込まれます。

4.スタミナ丼

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

71億円

94.7%

83億円

116.9%

スタミナ丼は、豚バラ肉と野菜を炒めご飯の上に盛った丼メニューを主力として販売する店舗を対象とします。

2000年にアントワークスが安価でボリューム感のあるメニューとして出店を開始し、市場は成長してきました。

2020年は参入各社がテイクアウト・デリバリーに注力したことでリピーターや女性を中心とした新規顧客獲得が進みました。しかし、外出・外食の自粛や営業時間の短縮により、最も需要のあるディナー帯のイートインが大幅に減少し、市場は前年比5.3%減の71億円となりました。

2021年は前年同様テイクアウト・デリバリーの需要獲得が進む一方、イートインも回復に向かうとみられます。また、デリバリーに強みを持つ上位チェーンがFC店舗の出店を急速に進めており、市場は前年比16.9%増の83億円が見込まれます。

5.宅配ピザ

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

1,738億円

122.3%

1,755億円

101.0%

宅配ピザは、2016年に微減しましたが、上位チェーンを中心とした積極的な出店やテイクアウト需要の取り込みにより2017年以降市場拡大を続けています。

2020年の市場は新型コロナの流行によりパーティー需要が落ち込みましたが、外出自粛による宅配需要の増加で上位チェーンを中心に大きく伸びました。また、「ドミノ・ピザ」による最低注文金額の撤廃や各社の1人向けメニューの強化などを背景に、ハレの日だけでなく日常利用が増加しました。さらに、宅配代行サービスから注文できるようになったことで消費者との接点が増え、新規や休眠顧客の取り込みに繋がり前年比22.3%増の1,738億円となりました。

2021年の市場は日常利用の定着や上位チェーンによる積極的な出店が続きますが、前年程の需要は見込めず、各社の1人向けメニューの強化やテイクアウト時の割引販売などが客単価の低下に繋がるとみられ、前年比1.0%増の1,755億円にとどまるとみられます。

【参考】本記事で使用した「外食産業マーケティング便覧 2021 No.1」に掲載している調査対象市場

ファストフード

  • ハンバーガー
  • チキン
  • ドーナツ
  • サンドイッチ
  • クレープ
  • アイスクリーム
  • ラーメン
  • カレーショップ
  • ステーキ
  • セルフ式そば
  • セルフ式うどん
  • クイックパスタ・ピザ
  • 回転ずし
  • 牛丼
  • 天丼・天ぷら
  • 海鮮丼
  • スタミナ丼
  • とんかつ・かつ丼
  • 唐揚げ
  • 定食チェーン
  • スープカフェ

テイクアウト

  • テイクアウト弁当
  • デリカショップ
  • 百貨店デリカ
  • おにぎり
  • テイクアウトずし
  • ベーカリーショップ
  • 量販店デリカ
  • CVSテイクアウトフード
  • CVSカウンターFF
  • CVSカウンターコーヒー
  • スイーツ店
  • 百貨店スイーツ店
  • シュークリーム専門店
  • たこ焼き・お好み焼き類
  • たい焼き専門店

ホームデリバリー・ケータリング

  • 宅配ピザ
  • 宅配ずし
  • 宅配中華料理
  • 宅配釜飯
  • 病者・高齢者食宅配
  • 仕出し弁当
  • ケータリング

交通機関

  • 駅構内飲食店
  • 列車内食
  • 機内食
  • 有料道路SA・PA
  • 客船食堂

レジャー施設

  • ゴルフ場
  • スキー場
  • 健康ランド・スーパー銭湯
  • レジャーランド
  • 野球場
  • 映画館・シネコン
  • ギャンブル場
  • カラオケボックス
  • 複合カフェ

給食

  • 産業給食
  • 学校給食
  • 病院給食
  • 高齢者福祉施設給食
  • 有料老人ホーム給食
  • 幼稚園・保育所給食
  • 学生食堂

◆本記事は「外食産業マーケティング便覧 2021 No.1」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。