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Society 5.0を実現する電子部品の市場を調査。2027年の世界市場を8兆4,610億円(2020年比2.3倍)と推計

株式会社富士キメラ総研は、新たな技術を取り入れ、経済発展や社会的課題の解決を両立していく社会「Society5.0」の実現に寄与する電子部品の世界市場を調査し、その結果を 「Society 5.0時代の注目エレクトロニクス 2021」 にまとめました。

この調査では、Society 5.0関連の電子部品として、センシング・非接触HMI関連15品目、精密制御関連6品目、無線通信関連3品目、低損失伝送・ノイズ対策関連部材4品目、その他注目デバイス4品目の市場を調査したほか、Society 5.0に関わるサーバー・エッジ機器10品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「Society 5.0時代の注目エレクトロニクス 2021」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「Society 5.0時代の注目エレクトロニクス 2021」の全体サマリー

Society 5.0とは、2016年に内閣府による第5期科学技術基本計画において提唱された、日本が目指すべき超スマートな未来社会の姿です。Society 5.0では、IoTで人とモノがつながることで情報を共有し、AIでの解析などにより必要な情報を見つけて分析し、ロボットや自動走行車などを自動制御することで様々な課題の解決が期待されます。現在、IoTやロボット、AI、ビッグデータといった新たな技術が進展しており、これらの先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れることで経済発展と社会的課題の解決を両立していくSociety 5.0の実現に向けて、準備が進められています。また、それらで使用される様々な機器で採用される電子部品の需要増加も予想されます。

1.Society 5.0関連の電子部品市場

2021年見込

2020年比

2027年予測

2020年比

センシング・
非接触HMI関連

1兆4,206億円

112.2%

3兆1,579億円

2.5倍

精密制御関連

485億円

106.4%

957億円

2.1倍

無線通信関連

1兆961億円

132.9%

2兆2,808億円

2.8倍

低損失伝送
・ノイズ対策
関連部材

1兆7,212億円

108.4%

2兆8,320億円

178.4%

その他注目
デバイス

23億円

2.6倍

947億円

105.2倍

合 計

4兆2,887億円

115.1%

8兆4,610億円

2.3倍

※市場データは四捨五入しています

2021年の市場は前年比15.1%増の4兆2,887億円が見込まれます。2020年時点で1兆円以上の市場規模であるセンシング・非接触HMI関連デバイスや低損失伝送・ノイズ対策関連部材は今後も市場をけん引していくとみられます。また、精密制御関連デバイスや無線通信関連デバイス、その他注目デバイスも高い伸びで推移するとみられ、2027年には2020年比2.3倍の8兆4,610億円が予測されます。

センシング・非接触HMI関連

最も市場規模が大きいのはミリ波レーダーで、ADASの進展により自動車における搭載員数が増加しています。また、自動運転において安全性に寄与するデバイスであることから需要が高く、今後も高い伸びが期待されます。空中ハプティクスデバイスは、現在サンプル出荷段階ですが、新型コロナの感染拡大を受けて非接触操作のニーズが高まっていることから、今後採用が広がるとみられます。

精密制御関連

最も市場規模が大きいのはピエゾアクチュエーターで、特に、データセンターで需要が増加しているHDD向けの採用が増えています。そのほか、空気圧ゴム人工筋肉は産業用・介護用でソフトロボティクスを実現する部品として注目されており、今後高い伸びが期待されます。

無線通信関連

セルラーモジュール・AiPが市場をけん引しており、近年は自動車で採用が増加しています。そのほか、LPWAは電源確保が課題のIoTセンサー向けの低消費電力通信デバイスとして伸長するとみられ、物流やインフラ監視用途などで採用が広がると予想されます。

低損失伝送・ノイズ対策関連部材

最も市場規模が大きいのは積層セラミックコンデンサーで、自動車での搭載員数の増加やIoT化によるセンサーモジュールなどの増加により伸びています。誘電対応銅張積層板は高速伝送に欠かせないデバイスとしてサーバーやRFモジュールで採用が増えるとみられ、さらなる低誘電化を目指した開発が進められています。

その他注目デバイス

小型酸化物系全固体電池は、2021年以降量産開始を予定している企業が複数あることから市場は拡大していくとみられます。今後、IoTセンサーユニットなどで採用が進むと予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.LPWA

2021年見込

2020年比

2027年予測

2020年比

507億円

129.3%

1,594億円

4.1倍

LPWA(Low Power Wide Area)は低消費電力で広域をカバーする無線通信技術であり、主にIoT用途で使用されています。免許不要の周波数帯域を用いる規格(アンライセンスバンド)と、セルラー通信をベースに構築され、免許が必要な規格(ライセンスバンド)に大別されます。

スマートメーターの普及率上昇や、製造業・物流業における無人化・省人化の流れを背景に、市場は拡大してきました。2020年は新型コロナの感染拡大を受けて上期に実証実験や設置工事の滞りがみられたことから伸びは鈍化しました。一方、新型コロナの影響によりさまざまな用途で無人化・省人化のニーズが高まっており、2021年は新規の案件増加に加え、前年の反動もあり市場は前年比29.3%増が見込まれます。

2.積層セラミックコンデンサー

2021年見込

2020年比

2027年予測

2020年比

1兆5,100億円

107.9%

1兆6,853億円

120.4%

酸化チタンやチタン酸バリウムなどの誘電体と電極を多数積み重ねたチップタイプのセラミックコンデンサーを対象とします。

2020年は、新型コロナの感染拡大を受けてスマートフォンや自動車の生産が下方修正されたことから伸び悩みが懸念されました。しかし、年間を通してPC関連需要の増加、下期にはスマートフォン関連の需要の回復などにより、生産量が拡大しました。2021年は、スマートフォン関連の需要が停滞していますが、ノートPCや自動車関連の需要が好調であることから、前年比7.9%増が見込まれます。今後もカーナビやECUなど自動車での搭載員数の増加やIoT化によるセンサーモジュールなどの増加により、市場拡大するとみられます。

3.非接触スイッチ

2021年見込

2020年比

2027年予測

2020年比

1億円

-

132億円

-

ディスプレイと組み合わせて用いられる非接触タッチパネルと、オン/オフ操作などのタッチスイッチを非接触対応させた非接触タッチスイッチを対象とします。

2020年は新型コロナの感染拡大により、非接触タッチスイッチやタッチパネルのニーズが高まったことから各メーカーによる開発、製品化が活発化しました。2021年には昇降機向け非接触タッチスイッチや航空チケット自動受付端末向け非接触タッチパネルがそれぞれ実用化し、市場が立ち上がるとみられます。今後も非接触・コンタクトレスニーズは高まると予想されます。特に、FA機器や自動券売機など不特定多数の人が操作を行う端末で需要が増加し、市場拡大が期待されます。

【参考】本記事で使用した「Society 5.0時代の注目エレクトロニクス 2021」に掲載している調査対象市場

センシング・非接触HMI関連デバイス

  • センシング用イメージセンサー
  • TOFセンサー
  • ミリ波レーダー
  • 光電センサー
  • 加速度・角速度センサー
  • 磁気センサー
  • 圧力センサー
  • ひずみゲージ
  • 温度センサー
  • 超音波センサー
  • ロータリーエンコーダー
  • 脳波センサー
  • 導電性テキスタイル
  • 非接触スイッチ
  • 空中ハプティクスデバイス

精密制御関連デバイス

  • 汎用ロボットハンド
  • 超音波モーター
  • 空気圧ゴム人工筋肉
  • ピエゾアクチュエーター
  • ソフトアクチュエーター
  • 静電アクチュエーター

無線通信関連デバイス

  • セルラーモジュール・AiP
  • LPWA
  • RFID

低損失伝送・ノイズ対策関連部材

  • 積層セラミックコンデンサー
  • 焼結フェライトシート
  • 電波吸収体
  • 低誘電対応銅張積層板

その他注目デバイス

  • ワイヤレス給電モジュール
  • 熱電発電デバイス
  • 振動発電デバイス
  • 小型酸化物系全固体電池

サーバー・エッジ機器

  • サーバー
  • スマートグラス
  • ヘッドマウントディスプレイ
  • スマートウォッチ・ヘルスケアバンド
  • 自律走行AGV
  • ドローン
  • 遠隔操作ロボット
  • 遠隔コミュニケーションロボット
  • 手術・治療支援ロボット
  • IoTゲートウェイ機器

◆本記事は「Society 5.0時代の注目エレクトロニクス 2021」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。