株式会社富士経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行に伴うインバウンド需要の消失や、感染対策の励行による風邪罹患率の低下などの影響を受けている一般用医薬品の内、感冒関連用薬、アレルギー用薬、生活習慣病関連用薬、外皮用薬、毛髪用薬、生活改善薬、環境衛生用薬、眼科用薬の8カテゴリー37品目の市場を調査しました。その結果を 「2021 一般用医薬品データブック No.2」 にまとめました。
また、「2021 一般用医薬品データブック No.1」 で対象とした9カテゴリー39品目を加えた、17カテゴリー76品目についての全体市場についても総括しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021 一般用医薬品データブック No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021 一般用医薬品データブック No.2」の全体サマリー
1.一般用医薬品国内市場(17カテゴリー76品目)
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2020年 |
2019年比 |
2021年見込 |
2020年比 |
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6,145億円 |
91.5% |
6,292億円 |
102.4% |
2020年の市場は、多くのカテゴリーが苦戦したため、前年比8.5%減となりました。新型コロナの流行に伴う外出自粛や多人数での飲食機会の減少など生活様式の変化、アルコール消毒の普及や衛生意識の高まりから疾病によっては罹患率が大幅に低下したことから、需要が減少した品目が多かったです。また、品目によってはインバウンド需要の消失が大きく影響しました。
生活習慣病関連用薬、感冒関連用薬、アレルギー用薬などの多くの製品は縮小幅が大きかったです。一方、新型コロナ対策で注目度が高まった殺菌塗布剤や含嗽剤などは大きく伸びました。
2.一般用医薬品市場における通販チャネルの比率
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2019年 |
2020年 |
2021年見込 |
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6.2% |
7.4% |
7.7% |
一般用医薬品の市場は、ドラッグストアをはじめとした店販チャネルが中心でしたが、近年は通販チャネルの比率が高まっています。Amazon.co.jpや楽天などプラットホーム型(卸通販)での取り扱いが増えるとともに、コロナ禍を契機に利用が増加し、2020年は市場の7.4%(前年比1.2ポイント増)を通販チャネルが占めました。
通販チャネルはメーカー自社通販、卸通販、ドラッグストア通販に大別されます。メーカー自社通販は、通販専業企業が展開する、しみや関節対策の製品を中心に伸びています。卸通販はAmazon.co.jpや楽天、LOHACOなどが主体となり、コロナ禍での巣ごもり消費をキーワードに日用品と合わせた購入が増え、2020年は大きく伸びました。ドラッグストア通販は、店舗受け取りなどオムニチャネルとしての位置づけとなっています。
◆注目個別市場サマリー
1.感冒関連用薬
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2020年 |
2019年比 |
2021年見込 |
2020年比 |
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全体 |
1,081億円 |
82.5% |
1,075億円 |
99.4% |
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含嗽剤 |
67億円 |
181.1% |
57億円 |
85.1% |
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殺菌塗布剤 |
65億円 |
180.6% |
62億円 |
95.4% |
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総合感冒薬 |
433億円 |
69.6% |
437億円 |
100.9% |
※含嗽剤、殺菌塗布剤、総合感冒薬は全体の内数です
総合感冒薬、風邪滋養内服液、葛根湯液、解熱鎮痛剤、鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴、経口服用タイプ)、含嗽剤、殺菌塗布剤を対象とします。2020年の市場は、新型コロナ対策で、のどをケアする含嗽剤や殺菌塗布剤が大きく伸びた一方、手洗い・アルコール消毒や健康意識の高まりにより風邪罹患率が低下したことから多くの品目が落ち込んだため、市場は前年比17.5%減となりました。2021年は前年に好調だった含嗽剤や殺菌塗布剤の反動減が懸念され、他の品目も横ばいになるとみられ、市場は微減が予想されます。
含嗽剤は、うがい習慣の定着により需要開拓が一巡したため、近年は風邪やインフルエンザなどの流行の程度により需要が増減してきました。2020年は、新型コロナ対策で注目され、感染予防意識の浸透・定着とともに大きく伸びました。2021年も感染対策としての需要は継続しますが、今後ワクチン接種の広がりにより感染拡大が収束に向かえば、縮小するとみられます。
殺菌塗布剤は、口腔内及びのどの殺菌や消毒を目的に使用され、のどの痛みや不快感などの改善効果を訴求しています。2019年はインバウンド需要や上位メーカーの販促強化により伸びました。2020年はインバウンド需要が消失しましたが、含嗽剤と同様に新型コロナで注目され、一時は多くの製品が欠品となるなど特需を獲得し、前年比80.6%増となりました。2021年も感染対策の需要は高いままですが、感染拡大が収束に向かえば、使用頻度の低下により家庭での消費量などが大幅に減少するため、縮小に転じると予想されます。
総合感冒薬は、2019年は上位メーカーによる新製品発売や症状別製品の積極的なプロモーション活動により、前年比1.8%の伸びとなりました。2020年は新型コロナの感染拡大の影響によるマスク着用の常態化や衛生意識の高まりから風邪罹患率が大幅に低下したことで需要は減少し、大きく縮小しました。2021年も同様の傾向は続き、今後も需要の低迷が続くとみられます。
2.外皮用薬
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2020年 |
2019年比 |
2021年見込 |
2020年比 |
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全体 |
1,112億円 |
96.8% |
1,156億円 |
104.0% |
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乾燥皮膚用薬 |
87億円 |
107.4% |
89億円 |
102.3% |
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皮膚治療薬 |
210億円 |
104.0% |
226億円 |
107.6% |
※乾燥皮膚用薬、皮膚治療薬は全体の内数です
鎮痒剤、乾燥皮膚用薬、あかぎれ用薬、皮膚治療薬、外用殺菌消毒剤、救急絆創膏、液体絆創膏、水虫薬、イボ・ウオノメ薬、ニキビ用薬、口唇ヘルペス治療薬、外用消炎鎮痛剤を対象とします。2020年はインバウンド需要が消失したために縮小した品目がみられましたが、アルコール消毒機会の増加による皮膚のトラブル対応として乾燥皮膚用薬や皮膚治療薬が伸びたことにより、市場の縮小幅は前年比3.2%減にとどまりました。2021年は回復に向かう品目が多いことから、前年比4.0%増が見込まれます。
乾燥皮膚用薬は、2020年はインバウンド需要を獲得していた製品が苦戦した一方、手指消毒の機会増加から手荒れを訴える人や日常的なマスクの着用によって乾燥を感じる人が急増し、需要が大幅に増えました。また、6月には新規参入メーカーによりヘパリン類似物質を配合した製品が発売され、TVCMを中心とした積極的なプロモーション施策で幅広い年齢層の需要を開拓したこともあり、前年比7.4%の伸びとなりました。
皮膚治療薬は、特定の部位や使用シーンを訴求した製品を中心に需要が増加し、参入メーカーによる新たな切り口を提案した製品の投入もあり、近年は伸びが続いてきました。2020年は、手洗い・手指消毒の機会増加や、在宅時間の増加により炊事頻度が増したことで手荒れを訴える人の需要を獲得しました。また、参入メーカーによる若年層をターゲットとしたWebプロモーションや、日常的なマスク着用による皮膚トラブルに対しての効果を訴求した製品を発売するなど積極的な展開を行ったことにより、前年比4.0%の伸びとなりました。2021年は、ステロイド剤の新製品発売に伴うTVCMを中心としたプロモーション施策などが展開されており、医療機関を利用していたユーザーの需要を取り込み、伸びが続くとみられます。
【参考】本記事で使用した「2021 一般用医薬品データブック No.2」に掲載している調査対象市場
感冒関連用薬
- 総合感冒薬
- 風邪滋養内服液
- 葛根湯液
- 解熱鎮痛剤
- 鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)
- 鎮咳去痰剤(経口服用タイプ)
- 含嗽剤
- 殺菌塗布剤
アレルギー用薬
- 鼻炎治療剤(内服)
- 点鼻薬
- 抗ヒスタミン剤
生活習慣病関連用薬
- 肥満改善薬
- 血清高コレステロール改善薬
- 中性脂肪値改善薬
- 強心剤
外皮用薬
- 鎮痒剤
- 乾燥皮膚用薬
- あかぎれ用薬
- 皮膚治療薬
- 外用殺菌消毒剤
- 救急絆創膏
- 液体絆創膏
- 水虫薬
- イボ・ウオノメ薬
- ニキビ用薬
- 口唇ヘルペス治療薬
- 外用消炎鎮痛剤
毛髪用薬
- 発毛剤
生活改善薬
- 禁煙補助薬
- 頻尿・尿もれ改善薬
- 催眠鎮静剤
- 眠気倦怠防止剤
- 足のむくみ改善薬
環境衛生用薬
- 殺虫剤
- 手指消毒剤
- 哺乳瓶消毒剤
眼科用薬
- 目薬
◆本記事は「2021 一般用医薬品データブック No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。