株式会社富士経済は、健康志向で野菜摂取ニーズが高まる一方、共働きや単身世帯の増加で調理に対する簡便性ニーズが高まったことから需要が増加している、野菜を訴求した市販用加工食品の国内市場を調査しました。 その結果を 「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」にまとめました。
この調査では、野菜をベースとした加工食品、または、野菜の使用量や栄養素などを訴求して生鮮野菜の代替として使用されている可能性のある加工食品を、加工度別に低加工野菜、素材系野菜加工品、野菜系飲料、野菜使用調理済食品に区分し、市場の動向とポテンシャル、主力生鮮野菜の価格変動との相関性、商品特性、新型コロナウイルス感染症流行による影響などをまとめました。また、中食のコールドデリカ市場についても動向を明らかにしました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」の全体サマリー
野菜訴求食品の国内市場
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2020年 |
2019年比 |
2021年見込 |
2020年比 |
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低加工野菜 |
2,070億円 |
104.0% |
2,085億円 |
100.7% |
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素材系野菜加工品 |
1,373億円 |
103.1% |
1,386億円 |
100.9% |
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野菜系飲料 |
2,082億円 |
101.3% |
2,052億円 |
98.6% |
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野菜使用調理済食品 |
305億円 |
110.5% |
308億円 |
101.0% |
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合 計 |
5,830億円 |
103.1% |
5,831億円 |
100.0% |
市場は近年、下処理の手間を省け、フードロスを避けられることから、生鮮野菜から代替する消費者が増加しており、堅調に拡大しています。
2020年は外出自粛による運動不足などから食事面での体調管理や健康維持に対する関心が高まり、生鮮も含めて野菜需要が全体的に増加したことから市場は前年比3.1%増の5,830億円となりました。2021年は一部の品目で前年の反動減が見られますが、野菜摂取という健康性や調理の簡便性、保存性に対する認知が消費者に進んでいることから、市場は横ばいを維持するとみられます。
低加工野菜はカット野菜や冷凍野菜、焼き芋(生鮮売り場で販売されるもの)など、特別な味付けをせず、生のままカットまたは皮むき、茹で、冷凍などの処理がされている商品を対象としています。調理時間の短縮や必要な分だけ使用できるニーズにマッチし、食事メニューの素材やプラス一品として生鮮から需要がシフトしています。生鮮野菜との価格差よりも使い勝手をメリットと捉える消費者が定着しているほか、供給側では生産設備の強化やチャネル・売り場の新規開拓も進んでいます。焼き芋は素材系スイーツとして人気が高く、通年販売化も進むなど近年好調を維持しています。
2020年は自宅でのサラダや野菜料理の喫食頻度が高まり、生鮮野菜の価格は安定していましたが、カット野菜は都度使い切り需要、冷凍野菜はストック需要を獲得していずれも伸長し、市場は前年比4.0%増となりました。2021年は冷凍野菜が前年の反動により減少しますが、一部品目では生鮮野菜からのシフトが続いており、焼き芋も続伸していることから、市場は僅かではあるが前年を上回るとみられます。
素材系野菜加工品は漬物や水煮、素材缶詰(パウチ、紙パックを含む)など、塩漬けやみそ漬け、水煮にすることで保存性を高めた商品を対象としています。市場は近年ほぼ横ばいで推移してきました。
2020年はキムチの免疫効果がメディアで特集されるなどしたことから漬物が伸びたほか、素材缶詰が上位企業によるアイテムの拡充やプロモーション強化により伸長したことから、市場は前年比3.1%増となりました。2021年は漬物や素材缶詰の伸びが落ち着いていることから、市場は僅かに前年を上回る程度にとどまるとみられます。
野菜系飲料はトマト飲料や野菜飲料、果実野菜混合飲料など、野菜原料をメインとする飲料を対象としています(粉末・冷凍タイプは対象外)。野菜不足を手軽に解消でき、野菜嫌いの子どもにも多種の野菜を摂らせることができるなど、幅広い層に野菜代替のイメージが浸透しています。市場は近年、機能性表示食品の登場やスムージーブームにより拡大してきましたが、2019年はスムージー需要の一巡や、野菜の手軽な摂取手段の多様化、豆乳やプロテイン飲料などの野菜訴求以外の健康飲料の台頭などから需要が流出し前年割れとなりました。
2020年は在宅勤務や休校などで外出機会が減少したことからCVSなどで売れていたパーソナルタイプが伸び悩みましたが、自宅で過ごす時間が増えたことからファミリー用やデイリーユース用の大容量タイプを中心に伸長し、市場は拡大しました。2021年は健康効果を期待した需要が伸び悩んでおり、加えて大容量タイプが前年の反動により減少していることから、市場は前年を下回るとみられます。
野菜使用調理済食品は惣菜・サラダメニューのうち野菜をメインに味付けや加熱処理された加工食品と、"1日分"や"1/2日分"などと野菜量を明確に訴求する調理済食品を対象としています。近年市場はサラダ類が常備菜として定着したほか、和惣菜でも2017年に発売されたフジッコの「おかず畑 おばんざい小鉢」シリーズが生産とプロモーションの強化によって年々伸長したことで、堅調に拡大してきました。
2020年は常備菜としての定着に加えて、内食機会が増加したこと、買い物頻度が減少するなか日持ちの良さからストック需要を獲得したことで、市場は前年比二桁成長となりました。また、健康維持のためにバランスのよい食事への意識が高まったことも追い風となりました。2021年は前年の反動を受けますが、主力メーカーの注力度は高いことから、市場は前年を上回るとみられます。
【参考】本記事で使用した「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」に掲載している調査対象市場
- 野菜訴求食品市場(低加工野菜、素材系野菜加工品、野菜系飲料、野菜使用調理済食品)
- 中食市場
◆本記事は「素材志向を捉える野菜訴求食品市場分析」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。