株式会社富士キメラ総研は、有線から無線への移行やクラウド化の進展、IoT需要の増加など、様々なトピックスへの対応が注目される通信機器や通信サービスの国内市場を調査し、その結果を「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめました。
この調査では、通信機器(ネットワーク関連製品12品目、音声関連製品5品目、会議関連製品3品目、移動体通信端末3品目、移動体通信基地局関連製品4品目)計27品目、通信サービス(インターネット接続サービス5品目、移動体通信サービス2品目、固定データ通信サービス4品目、音声関連サービス6品目、その他サービス9品目)計26品目の市場について現状を調査し、将来を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」の全体サマリー
通信機器・通信サービスの国内市場
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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通信機器 |
3兆4,627億円 |
95.4% |
3兆1,812億円 |
87.7% |
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通信 |
11兆296億円 |
99.5% |
11兆2,158億円 |
101.2% |
| 合 計 |
14兆4,923億円 |
98.5% |
14兆3,970億円 |
97.8% |
通信機器市場は、2020年度は、「GIGA スクール構想」を受けて文教向けタブレット端末やネットワーク関連製品が伸び、5G通信サービス向け移動体通信端末/基地局関連製品の需要増加もあり好調でした。2021年度は文教分野での特需の反動減により、縮小するとみられます。今後は、会議関連製品や移動体通信基地局関連製品は堅調な伸びが期待されますが、移動体通信端末の買い替えサイクル長期化や、スマートフォン利用増加に伴う固定電話端末の需要減少などにより、市場は緩やかな縮小が予想されます。
通信サービス市場は、2020年度は、新型コロナ流行の影響を受けた自宅時間の増加によりFTTHサービスへの移行進展、映像系会議やビジネスチャットサービスの需要増加、また、リモートアクセスサービスなどが伸び、好調でした。今後、移動体通信サービスが事業者間の競争激化に伴うARPU低下により縮小が懸念されますが、インターネット接続サービスにおけるFTTHサービスの普及や10Gサービスの需要増加、また、テレワークや遠隔授業に伴う会議サービスやリモートアクセスなどの伸長が期待されます。
カテゴリー別にみると、通信機器市場では、会議関連製品と移動体通信基地局関連製品の伸びが期待されます。
会議関連製品は、2020年度は、オフィス内のハードウェア製品への投資抑制や、テレワーク推進のため導入が容易なクラウド系Web会議サービスが採用され影響を受けましたが、2021年度はオフィス内のリモート会議環境整備などへの投資増により、堅調な伸びが期待されます。今後、テレワークや遠隔授業などの広がりを受けて、自宅やオフィス、学校などで映像/音声品質の向上によるコミュニケーション環境の整備が求められるため、堅調な市場拡大が予想されます。また、遠隔会議の参加人数や場所、用途に応じて様々な機器やサービスが利用され、オンライン商談やオンライン相談窓口などの活用も広がり、需要増加が予想されます。
移動体通信基地局関連製品は、2020年度は、移動体通信基地局やEPC(Evolved Packet Core)/5GCが、主要移動体キャリアの5G通信投資や、楽天モバイルの4G/5G通信投資により好調でした。また、ローカル5G/プライベートLTE関連製品が、固定キャリアやCATV事業者、大手電機メーカーによる実証実験の需要を獲得し伸びました。今後は、移動体通信基地局やEPC/5GCは5G通信やSA対応投資の継続により、堅調な伸びが予想されます。ローカル5G/プライベートLTE関連製品は、SA製品の商用化やPoC(概念実証)ユーザーの本格導入、構内PHSシステムのリプレース需要獲得が期待されます。
通信サービス市場では、インターネット接続サービスとその他サービスの伸びが期待されます。
インターネット接続サービスは、2020年度は、新型コロナ流行によるテレワークやWebコンテンツの利用増加に伴い、FTTHサービスへの移行が進みました。ADSLサービスやINSネット(ディジタル通信モード)の終了もあり、今後はFTTHサービスなどで1G超プランの利用が増え、顧客単価が上昇するとみられ、市場拡大が予想されます。
その他サービスは、2020年度は、テレワークの普及に伴い、非対面のコミュニケーションサービスである映像系会議やビジネスチャットサービスの需要が増加しました。また、自宅やオフィス外から社内ネットワークなどに安全にアクセスするため、リモートアクセスサービスやZTNAサービスの利用が拡大しました。今後は、業務インフラとして、Web会議サービスが汎用的な会議用途で継続して需要を獲得し、ビジネスチャットサービスは他の業務アプリケーションと連携した利用が増えるとみられます。また、ユーザーのシステム管理負担を軽減できるZTNAサービスが引き続き伸びるとみられます。
なお、5G通信関連では、2020年度にサービスエリア拡大に向けて、ネットワーク関連製品や移動体通信基地局関連製品を中心に好調でした。通信サービスでは携帯電話サービスのほか、固定データ通信サービスやインフラシェアリングサービスなどで立ち上がりつつあります。2025年度にかけては通信サービスが大きく伸びるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.ローカル5G/プライベートLTE基地局
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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ローカル5G |
35億円 |
2.1倍 |
147億円 |
8.6倍 |
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プライベー |
13億円 |
185.7% |
52億円 |
7.4倍 |
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合 計 |
48億円 |
2.0倍 |
199億円 |
8.3倍 |
総務省によりローカル5Gでの利用に割り当てられた4.5GHz帯と28GHz帯向けのローカル5G基地局、プライベートLTEの利用に割り当てられた1.9GHz帯(sXGP)と2.5GHz帯(自営BWA)向けのプライベートLTE基地局を対象としました。市場は無線部(RRH、RU)とベースバンド部(BBU、DU/CU)のメーカー出荷金額で算出しました。
ローカル5GやプライベートLTEは、企業や自治体の自営無線システムとして高速、低遅延、多接続かつ、帯域独占、セキュリティの高さ、基地局構築の柔軟性など様々な利点があり、普及が期待されています。
ローカル5Gは2019年度にミリ波帯が制度化され市場が立ち上がりました。2020年度には、ミリ波帯と比べて使い勝手の良いSub6帯が制度化され、ローカル5Gを利用したソリューション提供や自営インフラ構築を検討する通信キャリアやCATV事業者、大手電機メーカーなどがPoC(概念実証)を進めています。総務省による補助金の提供や税制優遇措置も後押ししています。
基地局に関しては、移動体キャリア向け製品をベースとした製品が存在しますが、高価格であるため、低価格なローカル5G用製品が注目されています。ただし、ローカル5G用製品はキャリア向け製品をベースとした製品と比べると通信品質が低い点が課題です。また、ローカル5Gに関して、免許申請の手間、対応するルーターや端末機器が十分に整備されていないなどの課題がありますが、それらが徐々に解消されることで、市場拡大が予想されます。
プライベートLTE基地局は、2.5GHz帯のBWA(Broadband Wireless Access)製品はNSA(Non-StandAlone)構成のローカル5G基地局におけるアンカー基地局としてや、ローカル5G基地局より低価格で機能が成熟している点で需要を獲得するとみられます。1.9GHz帯のsXGP(shared eXtended Global Platform)製品は利用できる帯域が拡張され、構内PHSシステムとの共存が容易となったことで、代替需要が増えるとみられます。
2.クラウドPBXサービス
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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163億円 |
117.3% |
225億円 |
161.9% |
オフィス構内に置いていたPBX(Private Branch eXchange)をクラウド化し、PBX機能をネットワーク経由で提供するサービスを対象としました。特にクラウドPBXと組み合わせたスマートフォンの活用は、オフィスのフリーアドレス化や、テレワーク時のコミュニケーションツールとして注目されています。
2020年度は、テレワークの普及やスマートフォン活用ニーズの増加に伴い、好調でした。テレワーク時の電話対応の課題解決として、既存PBXの利用を継続したまま、このサービスを利用するケースが増えたことなどが要因です。
2021年度以降は、働き方改革の一環としての導入や、資産の運用管理コストの削減、他業務システムとの連携による業務効率化を目的とした利用増加により、市場拡大が続くとみられます。オンプレミス製品との併用が可能であり、オフィスワークとテレワークのハイブリッド環境を実現するため、更改期に合わせた段階的な移行を図るユーザーも多いです。今後、感染症対策として利用を開始したユーザーの拡張需要などが期待されます。また、オフィススペース削減/拠点統廃合や、問い合わせ電話窓口/コールセンターの臨時開設に際して、迅速な利用開始が可能なことや設備を必要としない柔軟な運用ができる点でも関心が高まっています。
【参考】本記事で使用した「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」に掲載している調査対象市場
通信機器
ネットワーク関連製品
- WDM
- PONシステム
- メディアコンバーター
- CATV関連機器
- L2/L3スイッチ
- 無線LAN機器
- ルーター
- L4-7スイッチ
- 帯域制御装置
- RADIUSサーバー
- CATV-STB
- リモートアクセス関連ツール
音声関連製品
- 呼制御装置
- 固定電話端末
- 構内PHSシステム
- ソフトフォン
- SBC
会議関連製品
- ビデオ会議システム
- Web会議システム
- 音声会議関連機器
移動体通信端末
- ハンドセット
- タブレット端末
- Wi-Fiモバイルルーター
移動体通信基地局関連製品
- 移動体通信基地局
- ローカル5G/プライベートLTE基地局
- EPC/5GC
- ローカル5G/プライベートLTEコア
通信サービス
インターネット接続サービス
- ADSLサービス
- FTTHサービス
- CATVインターネットサービス
- ISPサービス
- IXサービス
移動体通信サービス
- 携帯電話サービス
- MVNOサービス
固定データ通信サービス
- IP-VPNサービス
- 広域イーサネットサービス
- インターネットVPNサービス
- 専用線サービス
音声関連サービス
- 加入電話サービス
- 直収電話サービス
- 050-IP電話サービス
- 0AB~J-IP電話サービス
- クラウドPBXサービス
- FMCサービス
その他サービス
- ビデオ会議サービス
- Web会議サービス
- 音声会議サービス
- ビジネスチャットサービス
- クラウド型無線LANサービス
- LPWAサービス
- リモートアクセスサービス
- ZTNAサービス
- インフラシェアリングサービス
◆本記事は「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。