株式会社富士経済は、2019年は、需要期の7月に長雨や低気温といった天候不順などの影響を受けるも、紅茶飲料や無糖茶飲料の伸びや、一部商品の価格改定により微増が見込まれる、清涼飲料の国内市場を調査しました。その結果を「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」にまとめました。
この調査では、清涼飲料16分野49品目の市場の現状を分析し、将来を予想しました。また、健康性や容器・容量などをテーマに注目される17品目の市場の将来性についてもまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」の全体サマリー
清涼飲料の国内市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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5兆2,286億円 |
100.2% |
5兆2,379億円 |
100.4% |
2019年は、前半にコスト増を受けた大容量PET商品や乳価の高騰による乳性飲料の価格改定、また、需要期の長雨や低気温といった天候不順の影響により、販売量ベースでは2018年を下回るとみられます。一方、金額ベースでは一部商品の価格改定効果や、紅茶飲料や無糖茶飲料、豆乳類の伸びにより、2018年比0.2%増が見込まれます。
ドライ飲料は、無糖茶飲料や紅茶飲料が好調だったものの、前半に上位メーカーが価格改定を行ったことによる消費者の買い控えや流通との交渉難航などで大容量PET商品の販売が減少し、また、猛暑となった2018年と比べて、7月の販売が天候不順により大きく落ち込んだため、市場の伸びは微増にとどまるとみられます。
チルド飲料は、近年はドリンクヨーグルトや豆乳類など機能性や健康性の高い飲料が好調でしたが、ドリンクヨーグルトの需要は近年落ち着きつつあります。一方、縮小が続いていた乳飲料ではたんぱく質摂取の重要性の認知向上により2018年比プラスとなるなど、明るい材料もみられます。
今後、上位メーカーは注力ブランドに対して集中的な投資を進め、強固なブランド作りで売上を確保する傾向が強まるとみられます。2020年は炭酸飲料や機能性飲料、豆乳飲料などの伸びが期待され、市場は5兆2,379億円が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.紅茶飲料
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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2,177億円 |
116.0% |
2,148億円 |
114.5% |
市場は2016年以降、微増で推移していましたが、2019年は大幅な拡大が見込まれます。
2019年はタピオカミルクティーがカフェや専門店をはじめ様々な外食業態に派生したことにより紅茶ユーザーの裾野が広がり、清涼飲料でも各メーカーから新商品が積極的に投入されたことにより、市場が活性化しています。また、上位メーカーが既存ブランドのリニューアル、他カテゴリーブランドを利用した新商品投入など、それぞれの切り口による積極的な展開で、無糖やミルクティー、フルーツティーなど多様な商品が発売されたため、市場は2018年比16.0%増が見込まれます。
タピオカブームの恩恵を受けながらも、紅茶ならではの香りやリラックス効果など紅茶そのものの価値の見直しや、売り場の近いPETコーヒーからの需要流入などもみられ、今後も2,000億円を超える市場が期待されます。
2.豆乳類
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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697億円 |
105.6% |
720億円 |
109.1% |
豆乳と大豆飲料を対象とします。健康需要に加え、近年は調製豆乳や無調整豆乳を中心に調理での使用など用途も広がっており、大豆飲料は減少していますが、市場拡大が続いています。
2018年は、調製豆乳や無調整豆乳が堅調だったことに加え、豆乳飲料を凍らせて食べる"豆乳アイス"がSNSを通じて若年層の需要を獲得したことにより、市場は拡大しました。
2019年は、上位メーカーを中心に若年層や新規ユーザーの獲得を図った小型容器の豆乳飲料などの伸長、また、白物系豆乳が調理や飲用シーンなどの提案で需要が増えていることから、市場は前年比5.6%増の697億円が見込まれます。
今後、豆乳飲料における新規ユーザーの獲得や白物系豆乳における用途拡大による使用量の増加が期待され、市場は堅調な伸びが予想されます。また、苦戦が続く大豆飲料も上位メーカーが機能性を訴求した商品の発売や、常温保存可能なパッケージへのリニューアルなど注力度を高めており、下げ止まりが期待されます。
3.ドリンクヨーグルト
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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1,700億円 |
101.7% |
1,698億円 |
101.6% |
ヨーグルトの健康性をメディアが継続して取り上げたことで、免疫力向上によるインフルエンザ予防効果だけでなく、健康管理に寄与する商品として消費者に認知されたことにより、市場は拡大を続けてきました。
2018年は、機能性タイプの商品や大容量紙パックなどの展開によりライトな健康志向ユーザーの需要獲得を図ったものの、メディア報道の落ち着きや他の健康飲料への需要流出などにより、市場は2017年比微減となりました。2019年は、上位メーカーが機能性の認知向上に注力したことで各ブランドが安定的に需要を獲得しており、市場は2018年比1.7%増が見込まれます。
今後も、乳酸菌の効能効果訴求や健康効果についての啓発活動の継続、新規ユーザー層の獲得を図ったターゲット別のプロモーションなどの施策により、市場の活性化が期待されます。ヨーグルトの健康訴求がメディアを通して消費者に根付き、また、乳酸菌含有食品の種類が増える中、その代表格としての認知度が向上していることも需要増加の追い風として期待されます。
4.炭酸飲料
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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5,546億円 |
98.4% |
5,768億円 |
102.3% |
無糖炭酸系が伸びているものの、有糖炭酸は特に原料価格の高い果汁系炭酸の苦戦が続いたため、2016年以降は市場縮小が続きました。2018年は猛暑による需要増加で2017年比プラスとなりましたが、2019年は上位メーカーの大容量サイズ商品の価格改定や、7月の天候不順により各メーカーが需要期に販売を落としたため、市場は2018年比1.6%減が見込まれます。
2020年は、前年の天候不順による大幅減の反動から各メーカーの売上は2019年比プラスが期待されるほか、市場をけん引している無糖炭酸では「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)の好調が継続するとみられます。東京五輪のパートナー企業であるコカ・コーラシステムの販促の活発化、訪日外国人の増加によるインバウンド需要なども期待され、中長期的には継続した伸びは難しいですが、一時的な市場拡大が予想されます。
5.タピオカドリンク
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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112億円 |
167.2% |
136億円 |
2.0倍 |
タピオカを含有するドリンクを対象とし、ティースタンドカフェなど店舗で提供されている商品は含まないものとします。
台湾カフェをきっかけに2017年頃からタピオカミルクティーが日本でもブームとなり、タピオカドリンクもCVSを中心に展開され市場は急拡大しています。2019年は参入メーカーの増加や、ミルクティーだけでなく他のフレーバーも加わったことなどから大幅な伸びが予想されます。
タピオカドリンクのフレーバーの内訳は、カフェラテや抹茶ミルクなどをベースとした商品が投入されているものの、イメージが定着しているためミルクティーが大部分を占めています。一方、果汁をベースとした商品なども多く登場しており、限定的ですが伸びています。
ティースタンドカフェなどで提供されている商品と比べ安価で手軽に購入できることや、専門店へ行かなくても本格的なタピオカが味わうことができます。また、飲み歩きをするユーザーが多いためパッケージデザインへのこだわりや、デザインと合わせて新しいフレーバーを投入しSNSを利用した販促展開も図られていることから、今後様々なシーンで飲用機会の増加が期待されます。現在のメインユーザーは女性ですが、さらなる市場拡大のためには男性など新たなユーザー層の獲得が必要であるとみられます。
6.ノンカフェイン・デカフェ
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2019年見込 |
2018年比 |
2020年予測 |
2018年比 |
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3,021億円 |
102.5% |
3,088億円 |
104.8% |
ノンカフェインやデカフェのリキッド商品を対象とします。妊婦や子ども、病気や体質によりカフェインの摂取を控えなければいけない層の需要を取り込んでいます。
無糖茶飲料が市場の80%以上を占めています。当初はブレンドティが大半を占めていましたが、近年は麦茶の伸びが続いています。麦茶は猛暑対策などで夏場の需要が増えているほか、冬場でも乾燥対策としての訴求が奏効し、現在はブレンドティと同等の販売規模となっています。また、小規模ではありますがルイボスティーやジャスミンティーなども女性を中心に需要が増えています。
コーヒーでも、2010年頃からカフェインレスを意識した商品開発が進み、2015年頃からは"デカフェ"という表現が使われるようになり、美容や健康に気を遣う女性や妊婦などの一定の需要を取り込んでいます。
"デカフェ"という表現の使用が広まったことにより、カフェインの含有率を気にする消費者の増加や、質の良い睡眠や体調管理への関心の高まりから、ノンカフェイン・デカフェ商品の需要増加を受け、麦茶など元々カフェインを含まない商品でもノンカフェインを訴求した健康イメージ向上が図られています。
【参考】本記事で使用した「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」に掲載している調査対象市場
果実飲料
- 100%果汁飲料
- 低果汁入清涼飲料
- 果肉飲料
- 果汁入飲料
- 果粒含有果実飲料
野菜系飲料
- トマト飲料
- 野菜飲料
- 果実野菜混合飲料
炭酸飲料
- コーラフレーバー飲料
- 乳類入炭酸飲料
- その他炭酸飲料
- 透明炭酸飲料
- ジンジャーエール
- 果汁系炭酸飲料
- 無糖炭酸飲料
飲用牛乳
乳飲料
- 白物乳飲料
- 色物乳飲料
- コーヒー系乳飲料
- プラカップ入乳飲料
ドリンクヨーグルト
乳酸菌飲料類
- 乳製品乳酸菌飲料
- 乳酸菌飲料
乳性タイプ飲料
- 乳類入清涼飲料
- 殺菌乳製品乳酸菌飲料
コーヒー飲料
- 缶コーヒー
- リキッドコーヒー
紅茶飲料
無糖茶飲料
- 日本茶
- 麦茶
- その他ティードリンク
- ウーロン茶
- ブレンドティ
ミネラルウォーター類
- 国産ミネラルウォーター類
- 輸入ミネラルウォーター類
機能性飲料
- 食系ドリンク
- 機能性清涼飲料
- スポーツドリンク
- 健康サポート飲料
- パウチゼリー飲料
- エナジードリンク
豆乳類
- 豆乳
- 大豆飲料
ビネガードリンク
バラエティドリンク
- ココアドリンク
- スープ
- おしるこ
- ゼリー飲料(PET、缶、紙)
- 甘酒
注目市場将来性分析
- 特定保健用食品&機能性表示食品
- 熱中症対策飲料
- 強炭酸
- プロテインドリンク
- フレーバーウォーター
- 無糖
- リキャップ式
- スムージー
- 微糖・低糖
- スパウト付パウチ
- タピオカドリンク
- ノンカフェイン・デカフェ
- ワンショット
- 希釈飲料
- 乳酸菌
- 常温保存紙容器飲料
- 青汁
◆本記事は「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの必要な部分だけをご利用になりたい方は、こちらの市場調査データサービスでご確認いただけます。