株式会社キメラ総研は、ディスプレイの需要増加によりOLED関連部材が好調で、高コントラストや広色域を実現する高付加価値LCD向けの拡大が期待されるLCD関連部材など、ディスプレイ関連部材の世界市場を調査しました。その結果を「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」にまとめました。
この調査では、LCD・OLED共通関連部材5品目、LCD関連部材15品目、OLED関連部材14品目、タッチパネル関連部材6品目を調査・分析しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」の全体サマリー
LCD・OLED関連部材世界市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2024年予測 |
2018年比 |
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LCD関連部材 |
2兆7,734億円 |
96.9% |
2兆8,413億円 |
99.3% |
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OLED関連部材 |
2,020億円 |
114.1% |
4,642億円 |
2.6倍 |
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LCD・OLED |
9,216億円 |
94.2% |
9,702億円 |
99.2% |
OLED関連部材はスマートフォン、TV向けを中心としたAMOLEDディスプレイの需要増加により市場が拡大しています。蒸着型発光材料(EML)や円偏光板などの部材が今後も安定した需要が予想されるほか、将来的には、フォルダブル用カバー材料などフォルダブル用部材、塗布型発光材料などインクジェット対応部材、QDインクなどQD-OLED用部材といった新規ディスプレイデバイス向け部材の拡大も期待されます。
LCD関連部材やLCD向けの比率が高いLCD・OLED共通関連部材の市場は、2019年第三四半期以降のTV用LCDの生産調整の影響により低迷している品目も多く、共に縮小が予想されます。今後はディスプレイの安定的な枚数や面積ベースの増加、車載ディスプレイに関わる部材、高コントラストや広色域を実現する高付加価値LCD用部材などの伸びにより緩やかながら拡大するとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.フォルダブル用カバー材料世界市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2024年予測 |
2018年比 |
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透明PIフィルム |
34億円 |
― |
392億円 |
― |
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フレキシブルガラス |
僅少 |
― |
63億円 |
― |
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合 計 |
34億円 |
― |
455億円 |
― |
フォルダブルディスプレイのカバー材料に使用される透明ポリイミド(以下、PI)フィルムとフレキシブルガラスを対象とします。
2019年に発売されたフォルダブルスマートフォンには透明PIフィルムが採用されており、市場は34億円が見込まれます。透明PIフィルムは耐久性や光学特性に課題があるため、折れ筋が発生せず筐体が歪まないフレキシブルガラスの採用も検討されています。しかし、フレキシブルガラスは割れに対する強度や屈曲半径の小径化が課題であり、当面は透明PIフィルムが中心になるとみられ、市場は2024年で透明PIフィルムが392億円、フレキシブルガラスが63億円と予測されます。
参考:ディスプレイ(フォルダブルAMOLED)世界市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2024年予測 |
2018年比 |
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114億円 |
― |
3,315億円 |
― |
フォルダブルディスプレイは、折りたためるディスプレイです。
2019年にSamsung El.「Galaxy Fold」やHuawei「Mate X」など、AMOLEDを採用した見開き型のフォルダブルスマートフォンが発売されました。これによりフォルダブルAMOLED市場が形成され、2019年の市場は114億円が見込まれます。2020年にはSamsung El.の新機種フォルダブルスマートフォン投入により市場は引き続き拡大し309億円が予測されます。
フォルダブルAMOLEDを採用する最終製品としては、スマートフォン以外にも、タブレット端末、ノートPCなどが想定されています。端末需要の増加とフォルダブルAMOLED市場の拡大には、フォルダブルを生かせるアプリケーションの開発なども重要とみられます。
2.QD関連世界市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2024年予測 |
2018年比 |
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QDシート |
200億円 |
152.7% |
407億円 |
3.1倍 |
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QDインク |
― |
― |
529億円 |
― |
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合 計 |
200億円 |
152.7% |
936億円 |
7.1倍 |
QD(Quantum Dot/量子ドット)は、特殊な光学特性を持つ半導体のナノ粒子であり、ディスプレイに応用することで広色域を実現できます。材料はセレン化カドミウムが代表的ですが、カドミウムは重金属であるため環境規制に抵触するケースが多く、カドミウムフリー材料の開発が重要になっています。
QDシート
LCDのバックライトユニットに採用されるQDシートを対象としました。高付加価値LCD向け材料であり、QDシートをバックライトに組み込んだQD-LCDが量産され、TVを中心に採用されています。
Samsung El.のQD-LCD(QLED)TV向けを中心に需要が増加しています。Samsung El.のほか、Vizio、TCL、Hisenseなど中国メーカーもQDシートを採用したTVを投入しており、2019年の市場は200億円が見込まれます。QDシートの低価格化が進んでいることから、2020年はSamsung El.がQDシートを採用したTVの展開をミドルレンジまで広げるほか、HuaweiからもQDシートを採用したTVの投入が予定されており、QDシート市場の拡大が続くとみられます。
今後は、中国TVメーカーによるQDシートの採用が増えるとみられますが、Samsung El.はQDシートを使用しないQD-OLEDの開発を進めており、2022年以降は市場の伸びは落ち着き、2024年には407億円が予測されます。
QDインク
QDをバインダー樹脂に分散したインクジェット用材料を対象としました。光源の青色光を赤色光や緑色光に変換させる材料として、LCD、OLEDとマイクロLED向けでの採用を想定した開発が行われています。
2019年は開発用のサンプル出荷のみであり、市場は形成されていません。QD-OLEDの開発が難航しており、量産技術の確立には時間を要するとみられることから、QDインクの市場形成時期は2022年ごろになるとみられます。
また、QDマイクロLED向けの市場も立ち上がると予想されますが、マイクロLEDはQD-OLED以上に量産技術の確立とコストダウンが課題になっており、まずは非コンシューマー向けの展開が中心になるとみられます。
2022年以降QD-OLED、QD-マイクロLEDの拡大とともに材料需要が喚起され、2024年にはQDシートの市場を上回る529億円が予測されます。
【参考】本記事で使用した「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」に掲載している調査対象市場
LCD・OLED共通関連部材
- ガラス基板
- カラーレジスト
- ブラックレジスト・ブラックカラムスペーサー
- 透明電極用ターゲット材
- 表面処理フィルム
LCD関連部材
- オーバーコート剤
- フォトスペーサー
- 配向膜材料
- 液晶材料
- シール剤
- 偏光板
- 偏光板保護フィルム・位相差フィルム
- TV用バックライトユニット
- 車載用バックライトユニット
- 拡散シート
- プリズムシート・マイクロレンズシート・輝度向上フィルム
- 反射シート
- QDシート
- バックライト用LED
- 拡散ビーズ
OLED関連部材
- フォルダブル用カバー材料(透明ポリイミド・フレキシブルガラス)
- 円偏光板
- 円偏光板保護フィルム・位相差フィルム
- 重合性液晶材料
- 封止材(OLED用)
- TFT基板用ポリイミド
- バンク用透明ポリイミド
- 蒸着型発光材料(EML)
- 正孔注入材料(HIL)
- 正孔輸送材料(HTL)
- 電子輸送材料(ETL)
- 電荷発生材料(CGL)
- 塗布型発光材料
- QDインク
タッチパネル関連部材
- カバーガラス(元板)
- カバー樹脂(元板)
- 車載用カバーガラス(完成品)
- メタルメッシュフィルム
- OCA
- OCR
◆本記事は「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの必要な部分だけをご利用になりたい方は、こちらの市場調査データサービスでご確認いただけます。