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映像ソリューション・ビジネスの市場を調査。AR/VR/MRソリューションやコンテンツ配信プラットフォームなどが大きく伸びる

株式会社富士キメラ総研は、デバイス/機器/システムメーカーに加えて、システム提案・設計からメンテナンスまでを手掛けるSIer・AVディーラー・電設業者や、サービスを提供するソリューションベンダー・通信事業者、コンテンツ制作会社、企画会社・広告代理店など多様な事業者が、さまざまなビジネス・サービス形態で参入し活性化している映像ソリューション・ビジネスの国内市場を調査しました。その結果を「次世代映像ビジネス総覧 2020」にまとめました。

この報告書では、会議や教育、デジタルサイネージ、AR/VR/MRなどに関する映像ソリューション・ビジネス11品目に加え、映像ソリューションを構成する主要なソフト3品目、機器・システム21品目を対象に国内の市場規模推移、メーカー・ベンダーシェア、需要先別動向、技術トレンド、今後の方向性などを捉えました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「次世代映像ビジネス総覧 2020」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「次世代映像ビジネス総覧 2020」の全体サマリー

1.映像ソリューション・ビジネスの国内市場

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

全 体

2兆477億円

105.8%

2兆3,185億円

119.8%

AR/VR/MR

70億円

118.6%

448億円

7.6倍

コンテンツ配信

395億円

112.9%

682億円

194.9%

官公庁自治体向け

197億円

118.7%

324億円

195.2%

※AR/VR/MR(AR/VR/MRソリューション)、コンテンツ配信(コンテンツ配信プラットフォーム)、官公庁自治体向け(官公庁自治体向けソリューション)は全体の内数です

一般企業や教育機関における働き方改革やICT環境整備/利活用の推進のほか、インバウンド需要の増加や業務の利便性向上や防犯意識の高まりなどを背景に会議、教育、セキュリティソリューションを中心に市場は拡大しています。また、それらに加えて幅広い分野・用途で映像コンテンツの活用が広がり、特にAR/VR/MRソリューション、コンテンツ配信プラットフォーム、官公庁自治体向けソリューションは高い伸びが予想されます。

AR/VR/MRソリューションは、最も高い伸びが予想されます。製造業における現場作業支援や技術研修用途などでの需要増に加え、今後も5Gの普及に伴い高速化・大容量通信が可能になることにより、活用の広がりが期待されています。

コンテンツ配信プラットフォームは、スマートフォンやタブレット端末を用いた動画視聴時間が増えており、それに伴う配信需要の増加により伸びています。今後、5Gの普及に伴い高画質なコンテンツが楽しめる環境が整うことから、長期的な伸びが期待されます。

官公庁自治体向けソリューションは、自然災害時に、迅速に情報を取得/表示/共有するデジタルサイネージシステムの導入が大幅に増えるとみられます。

その他、遠隔画像診断サービスが伸びている医用画像ソリューション、最も市場規模の大きい映像制作ビジネスなども安定した需要が想定されます。

2.映像機器・システムの国内市場

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

3,776億円

107.4%

4,539億円

129.1%

表示機器や配信・伝送機器、会議/通信機器・システムを中心に市場は拡大しています。東京五輪後の需要が減少する機器やシステムがあるものの、一般企業や教育機関を中心とした働き方改革やICT環境整備の推進に伴い、今後も多くの機器・システムで安定した需要が予想されます。特にパブリックディスプレイやスマートグラス・HMD、タブレット端末などの表示機器は、BtoBにおける映像コンテンツの利活用の増加や、大画面・高解像度化の進行による単価上昇などで伸びが期待されます。

ドローンやスマートグラス・HMDなどは現状の市場規模は小さいですが、個人用途だけではなく業務用途での活用が本格的に広がるとみられ、大幅な伸びが期待されます。また、働き方改革推進や教育のICT化に関連するタブレット端末やワイヤレスプレゼンテーションユニット、パブリックディスプレイ、また、5Gの普及により利用用途が多様化するデジタルサイネージ用STBやWeb会議システムなどの機器・システムも伸びが予想されます。

3.注目ソリューション

AR/VR/MRソリューション

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

70億円

118.6%

448億円

7.6倍

AR/VR/MRを実現するために必要となるスマートグラス・HMDとコンテンツ制作を対象としました。

エンターテインメント用途が市場をけん引してきましたが、VRやARの目新しさが薄まっているため、伸びは鈍化しています。一方、製造現場などで需要が増加しており、ARは製造業における現場作業支援で、VRは技術研修や安全教育、設計レビューなどで利用が広がりつつあります。現状はトライアルが中心ですが、有用性が認められつつあり、2020年以降は本格導入が進むと予想されます。5Gの普及に伴い、高速化・大容量通信が実現できるため、Wi-Fiが利用できない環境でもコンテンツのライブ配信が可能になり、活用の幅が広がると期待されます。ハードウェアの進化によりシステム構築の幅が広がり、ハードウェアの進化とともに様々な用途での需要増加が期待されます。

また、5Gの利便性訴求のためにデモンストレーションとしての活用も多く、通信事業者が5Gの本格普及に向けたデモンストレーションに利用する機会が当面は増えるとみられます。また、キラーコンテンツが登場した場合には大幅な需要増加も期待されます。

教育ソリューション

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

187億円

114.7%

222億円

136.2%

授業や講義で利用される機器・システムを対象とします。

学校ICT環境の整備を進めるため、多人数への情報伝達を主目的に講義システムや電子黒板を含めた大型提示装置として映像機器が導入/活用されています。現状は、価格メリットの大きいビジネスプロジェクターが中心ですが、インタラクティブホワイトボード(FPD型)やパブリックディスプレイは操作性や視認性に対する評価が高いことから、低価格化とともにこれらへのシフトが進むとみられます。小中高校や特別支援学校の普通教室の大型提示装置の整備率は50%強にとどまっていることから、当面はインタラクティブホワイトボード(FPD型)やパブリックディスプレイ、ビジネスプロジェクターなどの導入や整備が続くと予想されます。

教育予算は他のICT機器・設備の整備を含めた編成であるため導入時期の相違はありますが、引き続きICT環境整備の一環として映像機器・システムの導入が進められることで、今後も安定した需要が期待されます。

また、ハードウェアとしては仕様面でのメーカーや製品間の差が無くなってきているため、他の機器との連携やソフト・アプリを含めた機能面の充実、操作性や使い勝手の向上などによる差別化が図られるとみられます。

デジタルサイネージソリューション

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

1,955億円

117.8%

3,050億円

183.8%

各種ディスプレイおよび配信システムおよび設置/施工を含めた「システム販売/構築ビジネス」、配信システムユーザー向けの「コンテンツ制作/配信ビジネス」「広告ビジネス」を対象とします。

「システム販売/構築ビジネス」は、パブリックディスプレイやデジタルサイネージ用STBが中心です。東京五輪に向けて首都圏の交通機関、自治体施設、公共施設、大型商業施設などで新設需要や追加・リプレース需要が、機器および配信システムの低価格化もあり好調です。「コンテンツ制作/配信ビジネス」は、クラウド型の配信サービス拡充が進むとみられ、配信システム稼働数/業務委託数の増加に比例して、今後も堅調な伸びが期待されます。「広告ビジネス」は、媒体数の増加に加えて、デジタルサイネージアドネットワークによる媒体価値向上や効率化が進むことにより、これまで市場をけん引してきた交通広告に加えて、インストアメディアによるビジネス展開が期待されます。

訪日外国人(インバウンド)向けに交通機関や宿泊施設を含めた公共性の高い施設分野での多言語対応ソリューションや防災・減災ソリューションの提案増加、また、店舗・商業施設ではマーケティングやコミュニティツールとして顔認証・画像認識や行動・購買分析、チャットボット・音声認識、SNS連携のソリューションなど、従来システムの付加機能や差別化を目的とした周辺・関連ソリューションを絡めた提案の増加なども市場拡大の追い風になると期待されています。

◆注目個別市場サマリー

1.インタラクティブホワイトボード

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

112億円

114.3%

135億円

137.8%

インタラクティブホワイトボードは、インタラクティブ機能を搭載した電子黒板を対象としました。ディスプレイ一体型製品(FPD型)、プロジェクターに機能を搭載したプロジェクター一体型(PJ内蔵型)、その他(ボード一体型、ユニットタイプなど)に分類されます。

教育機関におけるICT環境整備の推進、一般企業における会議やプレゼンテーションの多様化により、市場は拡大しています。当初はFPD型やその他が中心でしたが、短焦点製品の増加や高輝度化・低価格化の進展により、PJ内蔵型の需要が増加し、現在はFPD型とPJ内蔵型が市場拡大をけん引しています。

教育機関においては、電子黒板を含む大型装置の整備が進められており、価格メリットの大きいPJ内蔵型が中心です。一方、FPD型は働き方改革の推進が追い風となり一般企業での需要が増加しています。

2.ワイヤレスプレゼンテーションユニット

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

16億円

160.0%

25億円

2.5倍

ワイヤレスプレゼンテーションユニットは、会議室や教室に設置されているディスプレイに本体(受信機)を接続し、ノートパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのデバイスに専用ソフトをインストール、また、送信機を接続することで、ワイヤレスかつボタン一つで複数画面の同時表示や切り替えが可能となります。

2000年代後半に製品化され、当初はデバイスにあらかじめ専用ソフトのインストールが必要な製品が主流でしたが、送信機をUSB端子に装着するだけで使用できる製品が発売され、接続・セッティングの簡便化や操作性の向上が図られたことにより、ユーザー層の広がりと需要増加につながりました。さらに、働き方改革の推進に伴う会議の効率化や質の向上に対する意識の高まりを受け、注目度が一層高まっています。参入企業の増加や低価格化の進行、また、潜在需要も大きいとみられ、今後も市場拡大が予想されます。

【参考】本記事で使用した「次世代映像ビジネス総覧 2020」に掲載している調査対象市場

映像ソリューション・ビジネス

  • 会議ソリューション
  • 教育ソリューション
  • 医用画像ソリューション
  • セキュリティソリューション
  • デジタルサイネージソリューション
  • 官公庁自治体向けソリューション
  • 放送局向けソリューション
  • 映像制作ビジネス
  • AR/VR/MRソリューション
  • コンテンツ配信プラットフォーム
  • VODソリューション

ソフト

  • 動画編集
  • 顔認証
  • 暗号化

映像機器・システム

表示機器

  • パブリックディスプレイ
  • TV(業務利用)
  • ビジネスプロジェクター
  • フルカラーLEDディスプレイ
  • 放送用モニター
  • 医療用モニター
  • タブレット端末
  • スマートグラス/HMD

入力/撮像機器

  • 監視カメラ
  • 放送用カメラ
  • 医療用カメラ
  • Webカメラ
  • ドローン

記録/再生機器・システム

  • 監視レコーダー
  • 映像アーカイブシステム

配信/伝送機器

  • デジタルサイネージ用STB
  • ビデオエクステンダー

会議/通信機器・システム

  • ビデオ会議システム
  • Web会議システム
  • インタラクティブホワイトボード
  • ワイヤレスプレゼンテーションユニット

分野

  • 一般企業(オフィス)
  • 一般企業(工場/研究所)
  • 教育機関
  • 医療機関
  • 店舗/商業施設
  • 公共施設
  • 官公庁自治体
  • 交通機関
  • レジャー/アミューズメント施設
  • 放送局/プロダクション

◆本記事は「次世代映像ビジネス総覧 2020」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。