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ジェネリック医薬品の国内市場を調査。オーソライズドジェネリックやバイオシミラーの市場が成長すると予測

株式会社富士経済は、数量ベースでの置換え率80%超の達成期限まであと半年に迫るジェネリック医薬品の市場を調査し、その結果を「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」にまとめました。

この調査では、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーなども含めたジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)をはじめ長期収載品(後発医薬品がある先発医薬品)の市場を16の薬効領域に分けて調査・分析しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」の全体サマリー

1.ジェネリック医薬品市場

2019年見込

2018年比

2023年予測

2018年比

ジェネリック
医薬品

1兆274億円

107.5%

1兆2,727億円

133.2%

オーソライズド
ジェネリック

1,294億円

124.4%

1,918億円

184.4%

バイオシミラー

470億円

2.1倍

1,155億円

5.2倍

※オーソライズドジェネリックとバイオシミラーはジェネリック医薬品の内数です

ジェネリック医薬品市場は、政府が医療費削減や患者の負担軽減を目的に長期収載品からの置換えを推進しており、拡大しています。2019年はジェネリック医薬品の発売が少なかったものの市場は引き続き拡大し、1兆円突破が見込まれます。また、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーに注力する企業が増えており、それらの増加も拡大の要因となっています。

薬価の引き下げはマイナス要因となりますが、特許切れによるジェネリック医薬品の発売や、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーの増加などにより市場は拡大を続け、2023年には2018年比33.2%増の1兆2,727億円が予測されます。このうち、オーソライズドジェネリックは市場の15.1%、バイオシミラーは市場の9.1%を占めるとみられます。

オーソライズドジェネリック

オーソライズドジェネリックは先発品メーカーから許諾を受け製造されたジェネリック医薬品です。先発品と原薬や製造方法などすべてが同一ながら薬価が低く、消費者の安心・信頼を得やすいこともありジェネリック医薬品の中でも位置づけが高まっています。初めて製品が投入された2013年以降市場が拡大しており、2018年に1,000億円を超え、2018年から2023年にかけて年平均10%超の成長が予想されます。

オーソライズドジェネリックは生活習慣病やアレルギー性鼻炎など患者数の多い治療剤を中心に製品化が行われています。そのため高血圧症治療剤、抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤、代謝系疾患治療剤などの実績が高く、2020年には高血圧症治療剤は500億円、抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤、代謝系疾患治療剤は200億円を超えると予想されます。

抗がん剤(がん関連用剤含む)や婦人科領域の実績も伸びています。また、2019年には泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤が発売され、2020年には整形外科領域でも新たに発売される予定であり、オーソライズドジェネリックが発売される薬効領域が広がっています。

バイオシミラー

バイオシミラーは特許期間が満了したバイオ医薬品の後続品であり、ジェネリック医薬品の一種です。2009年に国内初の製品が発売され、市場が形成されました。2019年は国内初のバイオセイム(バイオ医薬品におけるオーソライズドジェネリック)となる腎性貧血治療剤(エリスロポエチン製剤)が発売され、2018年比2.1倍と大幅な拡大が見込まれ、バイオシミラーへの置換え率※は20%を超えるとみられます。

これまで、実績が100億円を超える成分はありませんでしたが、2019年に発売された「ダルベポエチン アルファ」(協和キリンフロンティア)がバイオセイムという信頼性の高さから一気に需要を獲得し、エリスロポエチン製剤は200億円超が見込まれるほか、2018年に発売された抗がん剤初のバイオシミラーである、リツキシマブを成分とする製品も順調に実績を伸ばしており、2020年には100億円を超えると予想されます。

今後特許切れとなるバイオ医薬品が増えることでバイオシミラーも増加していくとみられ、2018年から2023年にかけて年平均40%近くの成長が予想されます。

※バイオシミラーへの置換え率:バイオシミラー/(バイオ医薬品の長期収載品+バイオシミラー)

2.長期収載品市場およびジェネリック医薬品置換え率

2019年見込

2018年比

2023年予測

2018年比

長期収載品

1兆7,021億円

99.9%

1兆7,945億円

105.3%

ジェネリック
医薬品(再掲)

1兆274億円

107.5%

1兆2,727億円

133.2%

置換え率

37.6%

―

41.5%

―

※置換え率:ジェネリック医薬品/(長期収載品+ジェネリック医薬品)

長期収載品市場は特許切れにより収載品目数が増加することで、今後も1.7兆円台の市場を維持するとみられます。一方でジェネリック医薬品への移行は続き、置換え率は2023年に41.5%が予測されます。

◆注目個別市場サマリー

1.抗がん剤(がん関連用剤含む)

2019年見込

2018年比

2023年予測

2018年比

ジェネリック
医薬品

804億円

107.2%

1,114億円

148.5%

オーソライズド
ジェネリック

87億円

155.4%

138億円

2.5倍

バイオシミラー

88億円

2.0倍

249億円

5.8倍

※オーソライズドジェネリックとバイオシミラーはジェネリック医薬品の内数です

抗がん剤は2019年に「イレッサ」(アストラゼネカ)のジェネリック医薬品が発売されたほか、バイオシミラーも伸びており、市場が拡大しています。しかし、置替えが一巡した成分では薬価引き下げによる縮小もみられます。

オーソライズドジェネリックは岡山大鵬薬品、サンドが展開しており、2019年には第一三共エスファが複数の成分で製品を発売しました。それによりオーソライズドジェネリックの製品数は倍増し、市場も拡大しています。

バイオシミラーは2018年にリツキシマブ、トラスツズマブを成分とする製品が発売されたことで市場が立ち上がり、2019年にはベバシズマブを成分とする製品が発売されました。トラスツズマブは先発品と同じ適応がようやく揃い、本格的な拡大は2020年からとみられます。

2.抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤

2019年見込

2018年比

2023年予測

2018年比

ジェネリック
医薬品

850億円

106.9%

1,007億円

126.7%

オーソライズド
ジェネリック

220億円

118.9%

315億円

170.3%

バイオシミラー

―

―

8億円

―

※オーソライズドジェネリック、バイオシミラーはジェネリック医薬品の内数です

抗アレルギー剤は2017年にベポタスチンベシル酸塩を、呼吸器疾患治療剤は2016年にモンテルカストを成分とするジェネリック医薬品が発売され、それぞれ置換えが進み市場が拡大しています。2019年に「ナゾネックス」(杏林製薬)のジェネリック医薬品が発売され、2020年は伸びが予想されます。また、2022年、2023年と特許切れが予定される製品が複数あり、ジェネリック医薬品の発売とともに拡大し、2023年には1,000億円を超えるとみられます。

オーソライズドジェネリックは、年々ジェネリック医薬品市場内での構成比を高めており、2019年は25.9%が見込まれます。モンテルカスト、フェキソフェナジン、ベポタスチンベシル酸塩を成分とする製品ではオーソライズドジェネリックの規模が最も大きくなるなど、ジェネリック医薬品市場をけん引しています。

バイオシミラーは、2023年頃に「ゾレア」(ノバルティス ファーマ)の特許切れが予定されており、これにより市場が立ち上がるとみられます。

3.高血圧症治療剤

2019年見込

2018年比

2023年予測

2018年比

ジェネリック
医薬品

1,575億円

103.4%

1,821億円

119.6%

オーソライズド
ジェネリック

498億円

113.7%

572億円

130.6%

※オーソライズドジェネリックはジェネリック医薬品の内数です

経口剤が主体で継続服用が必要となる高血圧症治療剤は、2008年、2014年と大型成分のジェネリック医薬品が発売されたことで、2015年にジェネリック医薬品市場は1,000億円を突破しました。その後も、オーソライズドジェネリックの投入などにより拡大が続いており、2019年の置換え率は50%近くに達するとみられます。しかし、既に多くのジェネリック医薬品が発売され、今後予定される大型成分の特許切れは「アジルバ」(武田薬品工業)など限られることから、市場の伸びは鈍化するとみられます。

オーソライズドジェネリックはカンデサルタン、バルサルタン、オルメサルタンなどを成分とする製品が発売されており、ジェネリック医薬品の3割近くを占めています。第一三共エスファが多くのオーソライズドジェネリックを投入しており、市場をけん引しています。

【参考】本記事で使用した「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」に掲載している調査対象市場

総括

  • ジェネリック医薬品
  • バイオシミラー
  • オーソライズドジェネリック

薬効領域別市場

  • 高血圧症治療剤
  • その他循環器官用剤・脳疾患治療剤
  • 中枢神経領域・疼痛領域
  • 消化管疾患治療剤
  • 抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤
  • 代謝系疾患治療剤
  • 解熱消炎鎮痛剤(外用剤含む)
  • 感染症治療剤
  • 抗がん剤(がん関連用剤含む)
  • 体内診断薬
  • 婦人科領域
  • 整形外科領域
  • 泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤
  • 眼科用剤
  • 自由診療領域(脱毛症・睫毛貧毛症治療剤、性機能改善剤、経口避妊薬)
  • その他治療剤(ヒルドイド、メチコバール、ソリタ-T)

バイオシミラー市場

  • ヒト成長ホルモン剤
  • エリスロポエチン製剤
  • CSF
  • 関節リウマチ治療剤(生物学的製剤)
  • 抗がん剤(再掲)
  • 希少疾患
  • 代謝系疾患治療剤(再掲)
  • 眼科用剤(再掲)

◆本記事は「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。