株式会社富士キメラ総研は、メガクラウドベンダーのクラウドサービス拡大がけん引するデータセンタービジネスの国内市場を調査し、その結果を「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編」および「(同)ベンダー戦略編」にまとめました。
「市場編」ではデータセンターサービス8品目、データセンター関連製品17品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。「ベンダー戦略編」ではデータセンター事業者の動向を整理し、Webアンケートによるユーザー調査を行いました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編」の全体サマリー
1.データセンターサービスの国内市場
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2019年見込 |
2024年予測 |
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ホスティング |
3,050億円 |
2,980億円 |
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IaaS/PaaS |
5,963億円 |
1兆3,769億円 |
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ハウジング |
5,470億円 |
5,940億円 |
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通信回線サービス |
1,323億円 |
2,120億円 |
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共同利用 |
3,730億円 |
3,950億円 |
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その他 |
2,845億円 |
3,790億円 |
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合 計 |
2兆2,381億円 |
3兆2,549億円 |
2019年の市場は2兆2,381億円が見込まれます。これまでハウジングが市場拡大をけん引してきましたが、メガクラウドベンダーによって展開されているIaaS/PaaSが好調に伸びており、ハウジングの市場規模を上回るとみられます。今後はIaaS/PaaSの伸びが市場の拡大をけん引していくとみられ、2024年の市場は3兆2,549億円と予測されます。
カテゴリー別にみると、IaaS/PaaSは既存ユーザーの拡張や、ホスティング、ハウジングからの移行需要が高まっています。また、2019年は「Windows server 2008」のサポート終了によるオンプレミスからの移行需要が高まり伸びています。安価に利用が可能であることや、AI/機械学習、ビッグデータ/IoT用途のサービス拡大、デジタルトランスフォーメーション基盤としての新規需要獲得などから今後も伸長していくとみられます。
ホスティング(基本)は、これまでホームページサーバーの需要を獲得していましたが、IaaS/PaaSへの移行が進んでいることから縮小しています。また「Office 365」などのSaaSの普及も縮小の要因とみられます。一方、ホスティング(アウトソーシング)は、グループ会社のシステム運用やプライベートクラウド基盤のフルアウトソーシングニーズの高まりに伴い、横ばいから微増で推移していくとみられます。
ハウジング(基本)は、システム基盤としての利用は需要が一巡していますが、クラウドアクセスポイントとの接続を目的とした利用やIX(インターネットエクスチェンジ)としての利用に加え、自社でデータセンターを運用してきた金融系の需要を獲得しており伸びています。ハウジング(アウトソーシング)は強固なセキュリティ環境が求められる基幹系システムなどの運用が多く、クラウド利用を敬遠するユーザーからの安定的な需要を獲得しています。
通信回線サービスは、IaaS/PaaSへのアクセスにおけるセキュリティ強化、回線速度強化などを目的に専用線やデータセンター内のダイレクトアクセスなどの高付加価値なサービス需要が高まるとみられ伸びが予想されます。
共同利用は、公共系で安定的な需要を獲得していますが市場構成比の高い金融系では需要が一巡したことから微増となっており、全体でも微増で推移していくとみられます。
2.地域別市場
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2019年見込 |
2024年予測 |
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関東 |
1兆6,589億円 |
2兆4,356億円 |
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関西 |
4,055億円 |
6,216億円 |
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その他地域 |
1,737億円 |
1,978億円 |
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合 計 |
2兆2,381億円 |
3兆2,549億円 |
※市場データは四捨五入しています
データセンター施設の立地エリア別にデータセンターサービス市場を分類しました。
市場をけん引するメガクラウドベンダーのサービス拠点は関東を中心に開設され、2018年ごろから関西でも拡充されてきました。このため、地域別市場の拡大は関東、関西が中心となっており、その他地域は微増となっています。
関東は、ユーザー拠点からのアクセス性やネットワーク環境の良さなどから、高い需要を獲得してきました。近年はメガクラウドベンダーのサービス拠点として、大型データセンターであるハイパースケールデータセンターが多く新設されており、2020年以降も新設が計画されているため市場は拡大していくとみられます。
関西は、関東ユーザーのバックアップニーズなどを取り込み拡大してきました。2018年以降は、メガクラウドベンダーが西日本ユーザーの利便性向上を目的に関西にサービス拠点を開設しているため、好調です。関東同様に今後も新たなデータセンターが建設されるとみられ、市場の拡大が予想されます。
その他地域は、地場ユーザーにおける需要の一巡、関東、関西といった大都市圏ユーザーからのバックアップニーズの鈍化が続いていること、関東、関西と異なりメガクラウドベンダーのサービス拠点の誘致に成功していないことなどから苦戦しており、今後は5GやIoTを活用したサービスの展開など新たな需要獲得を目指していくとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.データセンター内稼働サーバー台数とオンプレミス稼働サーバー台数
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2019年見込 |
2024年予測 |
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データセンター内稼働サーバー |
169万台 |
251万台 |
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オンプレミス稼働サーバー |
147万台 |
102万台 |
データセンター内の稼働サーバー台数は2019年の169万台に対して、2024年には251万台まで増加し、国内サーバー稼働総数の内の70%以上がデータセンターに所在するようになるとみられます。
一方で、企業や官公庁などが自社に設置するオンプレミス稼働サーバー台数は、2019年の147万台に対して、2024年には102万台まで縮小すると予想されます。主な要因としては、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)などユーザーの災害対策意識向上によって、サーバーの移行や新システムの構築でIaaS/PaaSの採用が増加していることなどが挙げられます。データセンター内の稼働サーバーは、オンプレミスからの移行や既存ユーザーの拡張などで今後も増加しますが、「仮想化技術によるサーバー統合」「サーバースペックの向上」などにより、増加ペースは鈍化していくとみられます。
ハイパースケールデータセンターラック供給量 ※ラック数
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2019年見込 |
2024年予測 |
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40,570 |
100,220 |
ハイパースケールデータセンターは、昨今におけるデータセンターの大規模需要家であるメガクラウドベンダーや動画・音声コンテンツ配信事業者であるOTT(Over The Top)をターゲットとした大型データセンターであり、関東、関西を中心に開設されています。
ハイパースケールデータセンターの建設/開設は急激に進んでおり、メガクラウドベンダーを中心に利用が増加しています。特に、2020年から2023年にかけて開設が非常に多くなるとみられており、2024年の供給量(総ラック数)は2019年の倍以上になると予想されます。クラウドサービスの利用拡大、5G化の進展によるWebコンテンツの利用拡大などを背景にハイパースケールデータセンターの需要は今後も増加していくとみられます。
【参考】本記事で使用した「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編」に掲載している調査対象市場
データセンターサービス
- ホスティング(基本)
- ホスティング(アウトソーシング)
- IaaS/PaaS
- ハウジング(基本)
- ハウジング(アウトソーシング)
- DinD
- 通信回線サービス
- 共同利用
データセンター関連製品
- サーバー
- ストレージ
- ルーター/スイッチ
- サーバーラック
- 空調設備
- パッケージエアコン
- ターボ冷凍機
- チラー
- AHU
- 中央監視システム
- UPS(無停電電源装置)
- PDU/PDP
- インテリジェントPDU
- DCIM
- 非常用発電機(ディーゼル/ガスタービン)
- 受電/変電設備
- 二重床
- ビル型データセンター
データセンター事業者
- SIer系
- キャリア系
- データセンター特化系(ファシリティ)
- データセンター特化系(サービス)
ユーザー調査
- 521サンプル
◆本記事は「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。