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車載EUCの世界市場を調査。xEVの普及や自動運転車の増加などにより拡大が続く

株式会社富士キメラ総研は、xEVや自動運転車の普及に伴い、xEVにおけるモーターやバッテリー、また、ADAS・自動運転などを制御・監視するECUの需要増加が拡大をけん引するECUの世界市場を調査しました。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020 下巻」にまとめました。

この調査では、パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系、ボディ系、情報通信系、スマートセンサー/アクチュエーターのECUの世界市場を国・地域別に調査・分析しました。また、それらを構成するセンサー、半導体、回路部品など29品目のデバイスの市場についても整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020 下巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020 下巻」の全体サマリー

ECUの世界市場

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

パワー
トレイン系

1兆756億円

97.2%

1兆2,805億円

115.7%

HV/PHV/
EV/FCV系

3,173億円

134.1%

1兆8,477億円

7.8倍

走行安全系

1兆9,854億円

101.3%

3兆5,131億円

179.2%

ボディ系

2兆2,984億円

95.1%

2兆7,878億円

115.3%

情報通信系

1兆8,686億円

112.1%

2兆9,514億円

177.0%

スマート
センサー/
アクチュ
エーター

2兆18億円

112.0%

4兆8,017億円

2.7倍

合計

9兆5,471億円

104.0%

17兆1,822億円

187.2%

2019年の市場は自動車生産台数の減少によりやや低い伸び率にとどまりましたが、中長期的にはxEVの普及や自動運転の進展によりECUの需要はますます高まり、拡大が期待されます。

現状、ボディ系の市場規模が最も大きいです。自動車室内外の照明やドア、電源などの制御を行うボディ統合制御ECUはほとんどの車種で標準搭載となっています。エアコンECUは中国や新興国で需要が増大しています。電子キーシステムで使用される照合ECUは電子キーシステムの普及に伴い伸びています。また、中国ではサンルーフの搭載率が高いため、開閉を電動制御するサンルーフECUも需要増加が予想されます。

今後の市場拡大が最も期待されるのは、HV/PHV/EV/FCV系です。xEVの普及に伴い伸びが続き、2030年には2018年比7.8倍が予測されます。スマートセンサー/アクチュエーターは、センシングカメラやミリ波レーダーなど自動運転に密接に関わる部品の制御に必要なため需要が高まり、2030年には2018年比2.7倍が予測されます。

走行安全系や情報通信系のECUは、搭載数の増加に加え平均単価が高いため、堅調な伸びが予想されます。走行安全系では、現状の市場規模は小さいですが、自動運転システムやドライバーモニタリングシステム、また、ADASなどを制御するECUの大幅な伸びが期待されます。情報通信系では、ナビゲーション機能やオーディオ機能を制御するIVI(車載インフォテインメント)-ECUや、路車間通信や車車間通信を制御するV2X-ECUなどの大きな伸びが予想されます。また、先進国を中心にHUD(ヘッドアップディスプレイ)の搭載率が上昇しており、HUDのみ独立して制御することが可能なHUD-ECUも伸びるとみられます。

パワートレイン系は、今後トランスミッションECUやアイドリングストップECUは縮小しますが、市場規模の大きいエンジンECUは微増、また、小規模ながらシフトバイワイヤECUは安定した需要が予想されます。

今後、アプリケーションの統合に伴うECUの一体化や複数制御化など、ECU1個当たりの制御範囲は広がるとみられますが、自動車市場の拡大と電装化の進展により自動車1台当たりのECUの平均搭載数量が増加するため、2030年の市場は2018年比87.2%増が予測されます。

◆注目個別市場サマリー

1.スマートセンサー/アクチュエーター

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

全体

2兆18億円

112.0%

4兆8,017億円

2.7倍

中国

4,279億円

101.1%

1兆2,229億円

2.9倍

日本

1,820億円

111.2%

3,850億円

2.4倍

※中国、日本は全体の内数です

センサー/アクチュエーター側にマイコンを実装した基板を搭載し、それ自体に信号処理機能を持たせたセンサーモジュール、アクチュエーターモジュールを対象としました。自動運転に欠かせないECUであり、センシングカメラやレーダーセンサー、LIDARなどが代表的なものとしてあげられます。電装化が進みECUの搭載スペースは限られますが、センサーやアクチュエーターに処理機能を持たせて機電一体化させることにより、搭載場所の確保やワイヤーハーネスの削減が実現できます。

ADAS機能の高度化および自動運転車の増加や、xEVの普及に連動して市場拡大が予想されます。また、LIDARなどの高価格デバイスが伸びることで、数量ベースと比べて金額ベースの伸び率が高まるとみられます。

センシングカメラやレーダーセンサーはAEB(衝突被害軽減ブレーキ)の搭載義務化や歩行者検知機能の搭載が2020年代前半から進むことにより搭載率が上昇するとみられます。LIDARはハンズフリー運転(条件付き)が可能な自動車が2021年頃から増えるため、フロント部分への搭載が増加するとみられます。ほかには電動コンプレッサー、ウォーターポンプ、ターボチャージャーなど、xEVの普及に伴いモーターで駆動するようになるアプリケーションにおいて、制御用ECUの需要増加が予想されます。

地域別では、現状は北米やEUの需要が市場をけん引していますが、将来的には中国が最大の需要地になるとみられます。日本はそれらの地域と比べると規模は小さいですが、堅調な伸びが予想されます。

2.HV/PHV/EV/FCV系

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

全体

3,173億円

134.1%

1兆8,477億円

7.8倍

中国

874億円

158.3%

7,198億円

13.0倍

EU

697億円

148.9%

3,564億円

7.6倍

※中国、EUは全体の内数です

HV、PHV、EV、FCVの各システムに採用される独立した制御が可能なECUを対象としました。モーター駆動ECU、インバーターECU、バッテリー監視ECU、DC-DCコンバーターECU、チャージECUなどがあげられます。xEVの生産台数の増加に伴い、市場は拡大しています。

短・中期的には、既存車両への搭載が容易なマイルドHVモデルの追加などにより、xEVの普及が進むことから、関連ECUの市場も拡大するとみられます。特にEUではディーゼルタイプの48マイルドHVシステムを搭載した自動車の需要増加が予想され、それに伴いマイルドHVシステム向けのDC-DCコンバーターECUやバッテリー監視ECUの需要が高まるとみられます。

長期的には、インバーターモジュールとモーター、DC-DCコンバーターと車載充電器など車載機器の一体化が進むため、各ECUの統合が進み、ECU1個当たりの制御対象が増えるとみられます。今後は電動アクスルや、DC-DCコンバーターECUとインバーターモジュールなどを一体化させたPCU(パワーコントロールユニット)のようなECU製品の需要増加が予想されます。

3.ワイヤーハーネス 【デバイス】

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

5兆4,418億円

94.3%

5兆3,484億円

92.7%

ECUとセンサーモジュールやアクチュエーターを接続するための電線を束ねたものがワイヤーハーネスです。電線の芯材部および被覆材部を対象とし、コルゲートチューブやスリーブ材などの外装材は対象外としました。芯材の素材は銅や銅合金が中心です。今後は軽量化対策のためアルミ合金の採用が増えるとみられます。

自動車の電装化に伴い、ハイエンド車では1台当たり1,000回路以上となるケースがみられるなど、電動化・電装化の進展により1台当たりの搭載数は増えており、数量ベースでは引き続き拡大することが予想されます。しかし、自動車メーカーの強い低価格ニーズや参入企業間の競合の激化により低価格化が進んでいるため、市場は微減で推移するとみられます。

ワイヤーハーネスの搭載数量が増えることによる車両重量の増加と燃費悪化が懸念されるため、比較的軽量なアルミ合金を用いる製品の需要が増加しています。課題とされていた耐久性なども、研究開発により向上しています。当面、駆動システム向け高電圧製品や各スイッチ用の細径品では引き続き銅や銅合金の採用が主流になりますが、それ以外ではアルミ合金の採用が徐々に増えるとみられます。

xEVでは、インバーターモジュールと駆動用モーターなどを一体化する電動アクスルの採用が増えています。現状、インバーターモジュールと駆動用モーターの接続にワイヤーハーネスが使用されますが、電動アクスルではバスバーに代替されるケースがみられます。短期的には電動アクスルの採用は少数にとどまりますが、長期的には電動アクスルの普及により、ワイヤーハーネスの需要は侵食されるとみられます。

【参考】本記事で使用した「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020 下巻」に掲載している調査対象市場

ECU

  • パワートレイン系
  • HV/PHV/EV/FCV系
  • 走行安全系
  • ボディ系
  • 情報通信系
  • スマートセンサー/アクチュエーター

ECU構成デバイス

センサー

  • 圧力センサー
  • 磁気センサー
  • 温度センサー
  • 加速度センサー
  • 角速度センサー
  • イメージセンサー

半導体

  • 車載マイコン
  • SoC/FPGA
  • DC-DCコンバーターIC
  • パワーマネジメントIC
  • ドライバーIC
  • MOSFET/IPD
  • IGBT/SiCパワーモジュール
  • セルラーモジュール
  • DRAM
  • NANDフラッシュメモリー
  • バッテリー監視IC
  • 車内LANトランシーバー

回路部品

  • アルミ電解コンデンサー
  • 積層セラミックコンデンサー
  • フィルムコンデンサー
  • チップ抵抗器
  • インダクター
  • タイミングデバイス
  • 車載リレー

その他

  • プリント配線板
  • 半導体パッケージ基板
  • ワイヤハーネス
  • 車載コネクター

◆本記事は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2020 下巻」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。