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パブリッククラウドの市場を調査。2023年度の国内市場を2兆1,887億円(2018年度比2.1倍)と予測

株式会社富士キメラ総研は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けて、迅速なシステム開発やIT環境の変化に対応するためますます需要が高まっているパブリッククラウドの市場を調査し、その結果を「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」にまとめました。

この調査ではパブリッククラウド(SaaS(業種汎用型/業種特化型)、DaaS、IaaS/PaaS(仮想共有型/仮想専有型、物理専有型))の国内市場の現状を分析し、将来を予測しました。また、「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 企業編」では、メガクラウドベンダー3社、外資系ベンダー3社、コンピューターベンダー3社、SIベンダー4社、キャリア/サービスプロバイダー7社、CIベンダー12社のビジネス実績や戦略などを整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」の全体サマリー

1.パブリッククラウドの国内市場

2019年度見込

2023年度予測

2018年度比

SaaS

7,238億円

1兆574億円

168.6%

DaaS

276億円

468億円

199.1%

PaaS

1,603億円

4,372億円

4.0倍

IaaS

3,474億円

6,473億円

2.4倍

合 計

1兆2,591億円

2兆1,887億円

2.1倍

オンプレミス環境からの移行ニーズを捉え、市場は拡大を続けています。企業の基幹系システムでもコストや運用負担の低減を目的として、パブリッククラウドの利用は一般化しつつあります。依然としてオンプレミス環境の社内システムを利用している企業は多いため、今後も市場拡大が予想されます。また、経済産業省の「DXレポート」で指摘された「2025年の崖」※1の克服を目的に、システムの刷新やDXの実現を目指したパブリッククラウドの利用促進も期待されます。

※1:複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムの残存や企業IT担当者の不足などに起因するさまざまな企業システムを取り巻く問題が2025年に表面化するとされている問題です

今後、複数のSaaSを組み合わせた利用やシステムごとにIaaS/PaaSを適材適所で活用するマルチクラウド、DXの実現を目的に、新規システム構築に際してパブリッククラウドを第一に優先するクラウドファーストの検討が増えるとみられます。広くパブリッククラウドの利用が進み、市場拡大を後押しすると予想されます。

カテゴリー別では、SaaSの構成比が大きく今後も堅調な伸びが予想されますが、PaaSやIaaSはさらに大幅な伸長が期待されます。特に、PaaSはAIやIoT、データ分析などを推進するDXの実現、サーバーレスやコンテナなどの技術を活用しシステム基盤からアプリケーションまでをクラウド環境に最適化するクラウドネイティブの実現を目的としたニーズ拡大に伴い、大きく伸びるとみられます。

SaaSは、スクラッチ開発やパッケージベースからの移行に加え、新規利用も拡大しています。業種汎用型は、現状は情報系SaaSがけん引していますが、今後は基幹系SaaSやセキュリティ系SaaSの伸長が予想されます。業種特化型は、「クラウド・バイ・デフォルト原則」※2を背景に公共向けSaaSの拡大が顕著です。

※2:各府省が政府情報システムを整備するにあたって、クラウドサービスの利用を第一候補として検討する方針です

DaaSは、運用負担の低減やセキュリティ強化などのニーズ拡大に伴い伸びています。特に、働き方改革をはじめとした職場環境の整備が目的の導入が伸びを後押ししています。また、2020年1月にサポート期間終了を迎えた「Windows 7」からの移行を背景とした利用も増えています。

PaaSは、アプリケーション開発・実行・連携およびデータベース/データウェアハウスとしての需要が増えています。DXやクラウドネイティブの実現を目指したニーズが伸びを後押しするとみられます。特にAI領域に関しては、サービスラインアップが拡充しており、今後も高い伸びが期待されます。

IaaSは、社内システムのオンプレミス環境からの移行が進んでいることから、需要が増えています。仮想共有型/仮想専有型がけん引していますが、セキュリティや処理能力に優位性のある物理専有型も好調です。今後は、データ蓄積/処理などを目的としたDX用途での需要増加も期待されます。

2.SI全体市場に占めるパブリッククラウド関連市場

2018年度

2023年度予測

2018年度比

SI全体

10兆8,400億円

12兆5,200億円

115.5%

パブリックラウド関連

1兆8,305億円

4兆6,000億円

2.5倍

※パブリッククラウド関連は全体の内数です

パブリッククラウドの普及により、関連SIの市場も拡大し、2023年度には2018年度比2.5倍の4兆6,000億円が予測されます。

SI全体市場におけるパブリッククラウド関連の比率は、2018年度で16.9%となりました。今後もパブリッククラウド関連SIの比率は拡大し、2023年度には36.7%になるとみられます。

レイヤー別では、アプリケーション、プラットフォームともに伸びますが、特にプラットフォームでコンサルティング/導入支援、ITリソース提供、運用サービスなどの大幅な伸長が予想されます。

◆注目個別市場サマリー

IaaS/PaaS市場(リソースタイプ別)

2019年度見込

2023年度予測

2018年度比

仮想共有型/仮想専有型

5,364億円

8,400億円

1兆930億円

2.7倍

物理専有型

954億円

1,983億円

2.6倍

合 計

6,318億円

1兆2,913億円

2.7倍

※市場はクラウドインテグレーション(コンサルティング/導入支援、運用サービス)を含みます

仮想共有型/仮想専有型は、ソーシャルゲームのプラットフォームをはじめとしたサービスプロバイダー向けのサービス基盤として導入が先行していましたが、近年は一般企業の社内システムにおける基幹系システムの移行需要が高まっており、市場拡大に寄与しています。拡張性の高さや導入までの迅速さなどがユーザーに受け入れられています。

メガクラウドベンダー※3が、スケールメリットを生かしたビジネスを展開しており、多くの国内ベンダーもユーザーニーズに対応するために、メガクラウドサービスの取り扱いを推進しています。特にPaaSでは、国内ベンダーがメガクラウドサービスを主体にユーザーに提案するケースが増えています。

※3:アマゾン ウェブ サービス ジャパン、グーグル・クラウド・ジャパン、日本マイクロソフト

業種別では、サービスプロバイダーの利用が先行したこともあり、情報通信サービス業をはじめとしたサービス業の比率が高いものの、製造業や金融業、流通業などの一般企業や公共向けの比率が拡大しています。金融業や公共では、セキュリティの信頼性向上をはじめ、以前よりも利用の障壁が低くなってきており、金融業では、新規ビジネスにおけるシステム基盤用途での利用が先行し、基幹系システム用途での採用も増えています。公共向けでは、2018年6月に政府が公表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」における方針の一つとして「クラウド・バイ・デフォルト原則」が打ち出されたことを契機に、中央省庁および地方自治体で需要が増えています。

物理専有型は、基幹系システムなど社内システムの基盤としての導入が増えています。これまでは外資系やコンピューターベンダーによるサービス展開が中心でしたが、メガクラウドベンダー各社も物理専有型の提供を開始しているほか、注力度を高めるクラウドベンダーもみられ市場は活性化しており、今後の拡大が期待されます。

基幹系システムをはじめとした社内システムの基盤として利用されるケースが多く、製造業や流通業などの一般企業の比率が高いです。セキュリティ面で強固な利点もあり、今後は金融業や公共の導入増加が期待されます。

【参考】本記事で使用した「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」に掲載している調査対象市場

クラウドサービス

パブリッククラウド

  • SaaS
    ・業種汎用型SaaS
    ・業種特化型SaaS
  • DaaS
  • IaaS/PaaS
    ・仮想共有型/仮想占有型IaaS/PaaS
    ・物理専有型IaaS/PaaS

◆本記事は「2020 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。