本文にスキップする

富士経済グループ 市場調査サポートサイト

一般用医薬品の市場を調査。漢方処方エキス製剤や歯槽膿漏治療剤などの市場が拡大

株式会社富士経済は、一般用医薬品市場の動向を明らかにするために、ドリンク剤、ビタミン剤、滋養強壮保健薬、検査薬、女性関連薬、神経用薬、胃腸・消化器官用薬、オーラルケア関連用薬、漢方・生薬製剤など、9カテゴリー40品目の市場を調査しました。その結果を「2020 一般用医薬品データブック No.1」にまとめました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 一般用医薬品データブック No.1」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆注目個別市場サマリー

1.漢方処方エキス製剤

2019年

2020年見込

2019年比

215億円

221億円

102.8%

漢方処方エキス製剤は葛根湯などを除くと漢方専門薬局を中心に販売されてきたため、大半の製品はユーザーが限定的でした。2006年に「漢方セラピー」(クラシエ薬品)や「和漢箋」(ロート製薬)などのシリーズ品が薬局・薬店、ドラッグストアで発売されると、漢方に馴染みの薄かったユーザーの需要を取り込み定着しました。

2019年は、冷え性やアレルギー性鼻炎、感冒などさまざまなユーザーの心身の悩みに対応した新製品が投入されたことから市場は拡大しました。2020年は、新型コロナウイルスの影響で通院を控えるユーザーが増えていることから需要が増加しており、感冒関連を中心に市場の拡大が予想されます。

2.歯槽膿漏治療剤

2019年

2020年見込

2019年比

97億円

100億円

103.1%

歯肉炎・歯槽膿漏の諸症状(口臭、口の粘り、歯茎のむずがゆさ、はれ、発赤、歯茎からのうみ、出血など)を緩和する治療薬です。

市場は、オーラルケア意識の高まりやメインターゲットである中高年層の人口増加などによって2013年以降拡大を続けています。2019年は上位企業によるプロモーションの強化から市場が活性化し、拡大しました。今後は、高齢化に伴い歯槽膿漏に悩む中高年層が増加するとみられ、歯科受診や医薬部外品などと競合しますが、市場は拡大していくと予想されます。また、エントリーユーザー獲得のために歯槽膿漏への理解が進んでいない若年層に対する啓発活動が重要になるとみられます。

3.便秘薬

2019年

2020年見込

2019年比

161億円

162億円

100.6%

内服用の瀉下薬と外用の浣腸薬・坐薬があり、便秘症状の程度によって使い分けされています。瀉下薬は慢性的な便秘に悩む女性のユーザーが多く、浣腸薬・坐薬は中高年のユーザーが多いです。

便秘薬は若年層の人口減少や、便秘予防を訴求した健康食品・食品との競合、食事や運動など生活習慣に気を配る健康志向の高まり、インバウンド需要の落ち着きなどによって市場は縮小していました。しかし、2016年に「酸化マグネシウムE便秘薬」(健栄製薬)が発売され、非刺激性(お腹が痛くなりにくい)を訴求したTVCMの投下などによって需要を開拓したことから市場はプラスに転じました。2019年は、上位企業による酸化マグネシウム配合の新製品発売やパッケージリニューアルなどの取り組みによって市場は微増となりました。リピート需要が中心ですが、TVCMの投下や特売などの店頭施策によって、市場は今後も安定的に推移するとみられます。

4.ビタミンB2主薬製剤

2019年

2020年見込

2019年比

128億円

124億円

96.9%

ニキビ、肌荒れ、口内炎、口角炎、目の充血などの治療や緩和を効果・効能とするビタミンB2主薬製剤、B6主薬製剤、B2B6主薬製剤を対象とします。

市場は、女性向けに高いブランド力を誇る「チョコラBB」(エーザイ)がけん引してきました。近年は美容関連製品に対するインバウンド需要が増加しており拡大しています。2019年もインバウンド需要の取り込みにより市場は拡大しましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響により海外からの旅行者が激減していることから縮小が予想されます。

5.造血剤

2019年

2020年見込

2019年比

13億円

14億円

107.7%

造血剤は、血液中の赤血球・ヘモグロビンを増加させる薬剤であり貧血の治療に用いられています。

市場は2013年以降、貧血予防・改善を訴求した健康食品の影響により縮小が続いていました。しかし、2016年に日本臓器製薬が新製品を発売し、積極的にTVCMを投下するなど、市場が活性化したことで、2017年から市場の拡大が続いています。貧血予防・改善を訴求した健康食品と競合しますが、健康食品の普及が造血剤の認知度向上にもつながっており、今後も市場の拡大が期待されます。

6.ドリンク剤、ミニドリンク剤

2019年

2020年見込

2019年比

ドリンク剤

52億円

50億円

96.2%

参考:医薬部外品類

770億円

764億円

99.2%

ミニドリンク剤

352億円

350億円

99.4%

参考:医薬部外品類

278億円

280億円

100.7%

滋養強壮や肉体疲労・病中病後などの栄養補給を効果・効能とした飲みきりタイプの液剤で、100mlサイズの製品をドリンク剤、100ml未満(主に50ml)の製品をミニドリンク剤としています。

ドリンク剤は、製品設計や訴求、プロモーション活動で自由度の高いエナジードリンクや機能性清涼飲料に需要を奪われ縮小が続いています。競合により、若年層の取り込みが進まず、エントリーユーザーの獲得に苦戦していることから市場は停滞しています。

医薬部外品は、販売規制緩和によって「リポビタンD」(大正製薬)をはじめとする主要製品が一般用医薬品規格から移行してきたことで、ドリンク剤の14倍以上の市場規模となっています。2019年は、国内初のパウチ容器入りの「アリナミンメディカルバランス」を発売した武田コンシューマーヘルスケアが実績を伸ばしましたが、需要期である夏場が天候不順だったためほかの企業が伸び悩み市場は縮小しました。

ミニドリンク剤は、高価格帯製品がけん引し2016年まで好調でした。2017年は訴求面で独自の位置づけを持つ製品が好調だったものの、全般的には伸び悩む企業が多く市場は縮小しました。2018年の市場は前年と同様の傾向が続き、2019年も微減となりましたが、上位企業は新製品の投入により実績を伸ばしました。

今後は、高い効果を訴求することでエナジードリンクや機能性表示食品と差別化し、ユーザー開拓を進めていく必要があるとみられます。

医薬部外品は、武田コンシューマーヘルスケアの「アリナミン」シリーズが好調だったことや、エーザイの「チョコラBBローヤル2」が女性ユーザーを開拓したことから2019年に市場が拡大に転じました。

【参考】本記事で使用した「2020 一般用医薬品データブック No.1」に掲載している調査対象市場

ドリンク剤

  • ドリンク剤
  • ミニドリンク剤

ビタミン剤

  • ビタミンB1主薬製剤
  • ビタミンB2主薬製剤
  • ビタミンB1B6B12主薬製剤
  • しみ改善薬
  • ビタミンE主薬製剤
  • 総合ビタミン剤
  • ビタミンA・D主薬製剤

滋養強壮保健薬

  • 滋養強壮剤
  • 薬用酒
  • 強肝解毒栄養剤
  • カルシウム剤
  • 造血剤
  • 関節痛治療薬

検査薬

  • 妊娠診断薬
  • 排卵日検査薬
  • 尿糖・尿蛋白検査薬

女性関連薬

  • 女性保健薬
  • 月経前症候群治療薬
  • 膣カンジダ治療薬

神経用薬

  • 鎮暈剤
  • 小児五疳薬

胃腸・消化器官用薬

  • 総合胃腸薬
  • 健胃・消化薬
  • 制酸薬
  • 鎮痛鎮痙胃腸薬
  • 過敏性腸症候群改善薬
  • 胃腸内服液
  • 整腸薬
  • 止瀉薬
  • 便秘薬
  • 駆虫薬
  • 痔疾用薬

オーラルケア関連用薬

  • 歯槽膿漏治療剤
  • 外用歯痛剤
  • むし歯予防薬
  • 口内炎治療剤

漢方・生薬製剤

  • 漢方処方エキス製剤
  • 物忘れ改善薬

◆本記事は「2020 一般用医薬品データブック No.1」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。