株式会社富士経済は、各自動車メーカーが車種ラインアップの拡充を図ることで活況をみせているHV(ハイブリッド自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)の世界市場について調査し、その結果を「2020年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」にまとめました。
この調査では、HV、PHV、EVの各市場を捉えると共に、FCV、48VマイルドHV、電動トラック・バス、内燃自動車の市場についても整理し、それらの基幹部品13品目、充電関連3品目の市場について現状を調査し、将来を予想しました。また、日本自動車メーカー11社、海外自動車メーカー16社の取り組みも明らかにしました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2020年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」の全体サマリー
1.HV、PHV、EVの世界市場(乗用車・新車販売台数)
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2019年 |
2018年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
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HV |
263万台 |
112.9% |
675万台 |
2.6倍 |
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PHV |
58万台 |
93.5% |
996万台 |
17.2倍 |
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EV |
167万台 |
128.5% |
1,969万台 |
11.8倍 |
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合計 |
488万台 |
114.8% |
3,641万台 |
7.5倍 |
※市場データは四捨五入しています
現状、HVの普及が先行しています。今後はEV、PHVの普及が進み、特にEV販売台数は2021年にHVを超えるとみられます。2030年に向けて環境規制がより厳格化するため、各自動車メーカーがEV車種のラインアップ拡充に注力していることから、比率が徐々に高まっていくとみられます。
HV、PHV、EVを合計した2019年の市場はEVやHVの好調から2018年比14.8%増の488万台となりました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により販売台数が落ち込むとみられ、2019年比7.2%減の453万台が見込まれます。しかし、2020年から各自動車メーカーによる環境自動車の車種ラインアップの拡充が活発化しているため、2021年の市場は拡大するとみられます。2035年にはEVがけん引し、市場は2019年比7.5倍の3,641万台になると予測されます。
エリア別では、中国と欧州が市場をけん引しています。中国は、補助金などにより環境自動車の普及が進んでおり、今後もEVを中心にPHVやHVも伸び、2035年の市場は2019年比8.9倍の1,374万台が予測されます。欧州はHVの普及が先行していますが、環境規制の影響からEVとPHVの普及が急速に進んでおり、2035年の市場は2019年比9.8倍の1,190万台が予測されます。北米は、国土が広く長距離の移動が多いことやピックアップトラックなど大排気量車両のニーズが高いことなどが環境自動車普及の阻害要因となりますが、2035年の市場は2019年比5.1倍の435万台が予測されます。日本は、HVの普及は進んでいますが、EVやPHVの普及が進まず、2035年の市場は2019年比2.0倍の207万台が予測されます。
2.HVのエリア別市場
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2019年 |
2035年予測 |
2019年比 |
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全体 |
263万台 |
675万台 |
2.6倍 |
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日本 |
99万台 |
133万台 |
134.3% |
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中国 |
36万台 |
116万台 |
3.2倍 |
※日本、中国は全体の内数です
2019年の市場は、263万台となりました。日本が市場をけん引しており、欧州、北米と続きます。今後は日本自動車メーカーなどの注力により中国でも伸長していくとみられます。
日本では、EVやPHVよりも安価で充電インフラが不要な点や、内燃自動車よりも走行距離が長い点が受け入れられたことから、他エリアと比較して普及率が高いです。トヨタ自動車や本田技研工業をはじめ、日産自動車も「e-POWER」をほとんどのモデルに展開する計画を打ち出していることから、2023年までは堅調に拡大しますが、2024年以降はEVやPHVなどへ移行が進み、市場は頭打ちになるとみられます。2030年以降は車の保有離れなどにより自動車販売台数が落ち込むことや一定量がEVやPHVに移行することで縮小するとみられます。
中国では、トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車といった日本自動車メーカーがHVに注力しており、近年はHyundai・Kiaや吉利汽車なども投入していることから中期的には順調に市場拡大するとみられます。
3.PHVのエリア別市場
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2019年 |
2035年予測 |
2019年比 |
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全体 |
58万台 |
996万台 |
17.2倍 |
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中国 |
23万台 |
396万台 |
17.2倍 |
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欧州 |
21万台 |
377万台 |
18.0倍 |
※中国、欧州は全体の内数です
2019年の市場は、58万台となりました。PHVは内燃自動車とEVのメリットを兼ねそなえた環境自動車ですが、HVよりも大容量のバッテリーを搭載するためコスト高となり、消費者ニーズとコストが上手く合致しないことから伸び悩んでいます。しかし、今後は中国や欧州において普及が進み、市場は拡大していくとみられます。
中国では、VWやBMW、Daimlerなどの欧州自動車メーカー、また、BYDや上海汽車(SAIC Motor)などが中国国内の環境規制やインセンティブ政策対応としてPHVの投入を行っており、2021年以降市場は拡大していくとみられます。
欧州では、2021年にCO2排出量を規制するEURO6が施行されるため、欧州自動車メーカーを中心にPHVの積極的な投入が行われるとみられます。また、欧州の環境当局はPHVにおいて「(EV航続距離+25km)÷25」という「係数」を算出し、エンジン走行によるCO2排出量を同係数で割った数値をカタログ上のCO2排出量として認める救済処置を設定していることから、各自動車メーカーは大型大排気量車を中心にPHVのラインアップを拡充するとみられます。また、2019年からPSAやFCA、2020年からは日産自動車やRenaultが新規参入しており、今後は中国と並んで市場をけん引するとみられます。
4.EVのエリア別市場
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2019年 |
2035年予測 |
2019年比 |
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全体 |
167万台 |
1,969万台 |
11.8倍 |
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中国 |
95万台 |
862万台 |
9.1倍 |
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欧州 |
37万台 |
727万台 |
19.6倍 |
※中国、欧州は全体の内数です
2019年の市場は、167万台となりました。EVの登録優遇や補助金などにより急速に拡大している中国市場が大きく、環境規制が年々厳しくなる欧州が続きます。日本や北米などでは、車体価格、走行距離、充電インフラ環境などにおいて消費者の不安がいまだに大きく、中国や欧州と比べて普及が進んでいませんが、各自動車メーカーは本格的な普及を目指し、車種ラインアップ拡充に加えて、EVを身近に感じてもらえるようなイベントやカーシェアへの採用などを進めています。
2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により中国や北米が縮小することから2019年比0.6%減が見込まれますが、2021年には拡大に転じるとみられます。2030年以降、欧州で環境規制がさらに厳しくなることからHVやPHVから移行するケースも増えるなど市場は順調に拡大するとみられます。
【参考】本記事で使用した「2020年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」に掲載している調査対象市場
自動車
- HV
- PHV
- EV
- FCV
- 48VマイルドHV
- 電動トラック・バス
- 内燃自動車
HV、PHV、EV、FCV関連部品
- モータ・ジェネレータ
- インバータ
- DC-DCコンバータ
- パワー素子(パワーデバイス)
- 平滑コンデンサ
- 電動車用暖房機構
- 駆動用バッテリ(ニッケル水素電池・リチウムイオン電池)
- 電流センサ
- 車載充電器
- マネジメントECU
- 高電圧ケーブル
- 燃料電池(FCスタック)
- 水素タンク
- 急速充電器
- 普通充電器
- ワイヤレス給電システム
自動車メーカー事例
- 日本自動車メーカー11社
- 海外自動車メーカー16社
◆本記事は「2020年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。