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皮膚治療薬や育毛剤など一般用医薬品の市場を調査。2020年の国内市場は6,649億円へ縮小

株式会社富士経済は、特定の部位や使用シーンに対応した製品の展開によって需要を獲得している皮膚治療剤や、新規参入企業による様々な取り組み(若年層へのアプローチなど)によって市場が活性化している育毛剤などの一般用医薬品の国内市場を調査し、その結果を「2020 一般用医薬品データブック No.2」にまとめました。

この調査では、皮膚治療薬をはじめとする外皮用薬(12品目)、育毛剤を対象とする毛髪用薬(1品目)のほか、感冒関連用薬(8品目)、アレルギー用薬(3品目)、生活習慣病関連用薬(4品目)、生活改善薬(5品目)、環境衛生用薬(2品目)、眼科用薬(1品目)、8カテゴリー36品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。また、「2020 一般用医薬品データブック No.1」にまとめた9カテゴリー40品目の市場調査結果を加えて分析しました、一般用医薬品の全体市場やリスク分類別市場、スイッチOTC市場の結果についても提示しています。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 一般用医薬品データブック No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2020 一般用医薬品データブック No.2」の全体サマリー

国内一般用医薬品市場

2019年

2020年見込

2019年比

6,696億円

6,649億円

99.3%

2019年の市場は、前年に引き続き拡大し6,696億円(2018年比0.8%増)となりました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響によるインバウンド需要の減少などから、市場は縮小が予想されます。

2019年の市場を品目別にみると、ドリンク剤は、需要期の夏季に天候不順の影響を受け縮小しました。ミニドリンク剤は、一般用医薬品は微減となりました。ビタミン剤は、総合ビタミン剤やビタミンB2主薬製剤などが上位企業の新製品投入やプロモーションの強化によって伸びました。胃腸・消化器官用薬は、腸活ブームによる整腸薬の需要増加やエントリーユーザーの獲得が進んだ便秘薬などが伸びました。オーラルケア関連用薬は、オーラルケア意識の高まりに伴い好調でした。感冒関連用薬は、総合感冒薬が新製品の投入によって伸長したほか、高機能製品が好調を維持した解熱鎮痛剤が前年に引き続き伸長しました。アレルギー用薬は、花粉飛散量の増加とスイッチOTCが好調だったため続伸しました。外皮用薬は、夏場の天候不順や暖冬といったマイナス要因がありましたが、新製品の投入や新たな使用シーンの提案が需要喚起につながりました。育毛剤は、ミノキシジル配合製品が2018年以降相次いで発売され、市場が活性化しました。目薬は、高付加価値製品が需要を獲得していますが、インバウンド需要の減少により縮小しました。

◆注目個別市場サマリー

1.皮膚治療薬

2019年

2020年見込

2019年比

202億円

209億円

103.5%

皮膚治療薬は、体の部位や使用シーンにかかわらず皮膚のトラブルや疾患に対応するものとして需要開拓されてきましたが、近年はデリケートゾーンのかゆみに対応した「フェミニーナ」(小林製薬)や「デリケアエムズ」(池田模範堂)、頭皮湿疹に焦点を当てた「メンソレータム メディクイックH」(ロート製薬)、「ムヒHD」(池田模範堂)など特定の部位や使用シーンに対応した製品の展開によって需要を獲得しており、市場が拡大しています。2019年は、セルフメディケーションにおける皮膚疾患治療に対する注目度が高まったことから、市場は拡大しました。2020年は、ライオンによる既存ブランドのリブランド化、池田模範堂による新コンセプト製品の発売が市場を活性化させており、拡大が予想されます。

2.育毛剤

2019年

2020年見込

2019年比

201億円

205億円

102.0%

市場は、2010年に「リアップ」(大正製薬)が日本皮膚科学会のガイドラインで男女ともに奨励度Aとなったことを受け、大正製薬が継続的なプロモーションや啓発活動を進め、2013年以降増加基調で推移しています。2018年は、ミノキシジル配合製品が新規参入企業のアンファーやロート製薬などから発売され、これらの実績がオンされたことにより、市場は拡大しました。2019年は、大正製薬に加え、新規参入企業による様々な取り組み(若年層へのアプローチなど)が市場を活性化させ、引き続き拡大しました。2020年は、販売チャネルやユーザー層が広がっていることから市場は拡大するとみられます。

3.総合感冒薬

2019年

2020年見込

2019年比

622億円

620億円

99.7%

総合感冒薬は、風邪の諸症状の緩和を効果・効能としており、多くの家庭に普及しています。風邪が流行する秋冬を需要期としており、その年の流行度合によって市場は増減します。

2015年頃から咳、のどの痛み、鼻水、熱などの症状別の製品が発売されたことにより、市場は拡大してきました。2019年は、上位企業で新製品の発売が多かったことや、症状別製品の広告宣伝活動が活発だったことから、市場は拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により医療機関の受診が控えられたことから一時需要が増加しましたが、マスクや手洗いの励行による風邪の罹患者の減少やインバウンド需要が大幅に減少するとみられることから、市場は縮小が予想されます。

4.鼻炎治療剤(内服)

2019年

2020年見込

2019年比

213億円

190億円

89.2%

鼻炎治療剤(内服)は花粉症に対して服用されることが多いことから、市場は花粉の飛散量や飛散期間に左右されます。

2011年に「アレジオン10」(エスエス製薬)、2012年に「アレグラFX」(久光製薬)がスイッチOTCとして発売され、医療用医薬品での処方実績やブランド力の高さから需要を獲得し、市場は拡大してきました。2019年は、花粉飛散量が多かったことが後押しとなり市場は拡大しました。2020年は、春に花粉飛散量が例年より少なかったことから市場は縮小するとみられます。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、マスクやアルコール消毒剤などの特需が発生し、その対応に追われたため十分に店頭販促が一時行えなかったことも市場縮小の要因になるとみられます。

5.点鼻薬

2019年

2020年見込

2019年比

72億円

69億円

95.8%

点鼻薬は、花粉やハウスダストなどを原因とする鼻のアレルギー症状に使用され、内服タイプの鼻炎治療剤と同様に花粉症患者の需要が中心となっています。需要は、花粉の飛散状況に左右されていましたが、2015年にオキシメタゾリンのリスク区分が第1類から第2類へ引き下げられたことから、同成分を配合する製品を展開していた企業が販促を強化したことで開拓が進みました。患部に直接作用するため効果の実感が得やすいことや、内服タイプの鼻炎治療剤やアレルギー用点眼薬との併用提案などによって市場は好調に拡大してきました。2019年は、新製品の投入やテレビCMの投下により市場は活性化し拡大しました。また、インバウンド需要も拡大に寄与しました。2020年は、例年と比べると花粉の飛散量が少なかったことや新型コロナウイルス感染症の影響によりインバウンド需要が減少していることなどから市場は縮小が予想されます。

6.目薬

2019年

2020年見込

2019年比

588億円

576億円

98.0%

目薬は、高付加価値製品の伸びとインバウンド需要の高まりによって市場拡大してきました。2019年は、花粉飛散量が多かったことによりアレルギー用点眼薬が好調でしたが、インバウンド需要が減少したため市場は縮小しました。2020年は、高付加価値製品は好調ですが、新型コロナウイルス感染症の影響によりインバウンド需要はさらに減少するとみられ、市場の縮小が予想されます。

【参考】本記事で使用した「2020 一般用医薬品データブック No.2」に掲載している調査対象市場

感冒関連用薬

  • 総合感冒薬
  • 風邪滋養内服液
  • 葛根湯液
  • 解熱鎮痛剤
  • 鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)
  • 鎮咳去痰剤(経口服用タイプ)
  • 含嗽剤
  • 殺菌塗布剤

アレルギー用薬

  • 鼻炎治療剤(内服)
  • 点鼻薬
  • 抗ヒスタミン剤

生活習慣病関連用薬

  • 肥満改善薬
  • 血清高コレステロール改善薬
  • 中性脂肪値改善薬
  • 強心剤

外皮用薬

  • 鎮痒剤
  • 乾燥皮膚用薬
  • あかぎれ用薬
  • 皮膚治療薬
  • 外用殺菌消毒剤
  • 救急絆創膏
  • 液体絆創膏
  • 水虫薬
  • イボ・ウオノメ薬
  • ニキビ用薬
  • 口唇ヘルペス治療薬
  • 外用消炎鎮痛剤

毛髪用薬

  • 育毛剤

生活改善薬

  • 禁煙補助薬
  • 頻尿・尿もれ改善薬
  • 催眠鎮静剤
  • 眠気倦怠防止剤
  • 足のむくみ改善薬

環境衛生用薬

  • 殺虫剤
  • 消毒剤

眼科用薬

  • 目薬

◆本記事は「2020 一般用医薬品データブック No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。