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自動運転車の世界市場を調査。2030年代はレベル3以上車両が本格普及。高機能レベル2車両は2040年代に自動運転車の主流に

株式会社富士キメラ総研は、レベル2車両が普及段階に入り、レベル3車両の投入やレベル4/5車両の一部実用化が進みつつあり、2021年以降の拡大が期待される自動運転車の市場(生産台数ベース)を調査しました。その結果を「2020 自動運転・AIカー市場の将来展望」にまとめました。

この調査では、自動運転車市場をレベル別、地域別に捉えるとともに、自動運転や自動車AI化を推進する自動運転制御製品5品目、コックピット関連製品7品目、セーフティ関連製品12品目の市場の現状を調査し、将来を予想しました。また、レベル2車両の高機能化動向や、自動運転に関する法律やインフラ整備についても整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 自動運転・AIカー市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2020 自動運転・AIカー市場の将来展望」の全体サマリー

1.自動運転レベル2以上車両の世界市場(生産台数ベース)

2020
年見込

2030
年予測

2045
年予測

2019
年比

レベル2

724万台

6,037万台

7,133万台

10.3倍

レベル3

1万台

571万台

4,280万台

4,280.0倍

レベル4/5

僅少

343万台

2,139万台

-

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により自動車生産台数の減少が予想されるため、レベル2以上の自動運転車両の伸びも鈍化しますが、2021年以降はレベル2車両を軸に大幅な伸びが予想され、2045年にはレベル2以上車両の市場は1億3,552万台が予測されます。

2020年時点ではレベル2車両の普及が進んでいます。レベル3以上の自動運転車両の実現には自動車技術に加えて、関連法律やインフラの整備に時間を要することから、当面はレベル2車両が市場をけん引すると予想されます。

2025年には、レベル2車両は4,766万台が予測され、中でも、車線変更サポートや限定条件下でのハンズフリー機能が付随した高機能レベル2の比率が10%を超えるとみられます。また、高速道路限定のレベル3車両が各自動車メーカーから投入され、タクシーなどではレベル4車両も登場するとみられます。

2035年には、レベル2車両が高機能車両を含め、堅調に伸びるのに加え、高速道路限定走行ではあるがレベル3車両の需要が増加するとみられます。また、レベル4/5車両はタクシーやMaaSでの活用だけでなく、市販車でも一部で展開されると予想されます。

2045年には、レベル3車両は4,000万台を超え、高速道路だけでなく、市街地走行出来る車両も増加すると予想されます。レベル4/5車両も2,000万台を超えるとみられます。レベル2車両は7,000万台程度で推移し、高機能車両が8割を占めると予想されます。

また、自動運転関連製品は、センシング機器やソフトウエアなどが大幅な性能向上とともに、量産化による価格低下が期待され、短期的にはレベル2車両の普及、長期的にはレベル3以上車両の普及を促進すると予想されます。

2.自動運転レベル3以上車両のエリア別市場(生産台数ベース)

2020
年見込

2030
年予測

2045
年予測

2019
年比

日本

僅少

83万台

372万台

-

欧州

1万台

313万台

1,175万台

1,175.0倍

北米

僅少

145万台

1,350万台

-

中国

-

330万台

1,915万台

-

その他
地域

-

43万台

1,607万台

-

本格的な自動運転車とされるレベル3以上車両を対象とします。欧州自動車メーカーがレベル3以上車両の普及推進に積極的に取り組んでいることから、当面は欧州が市場をけん引するとみられます。2020年代は、欧州に加え、中国や北米でも普及が徐々に進み、2030年代前半にはレベル3以上車両の市場は1,000万台を超えるとみられます。

日本は、自動運転車の普及促進を目的に2019年に道路運送車両法と道路交通法が改正されましたが、依然として法整備の面では欧米に比べて遅れているため、レベル3以上車両の市場は2020年代前半まで低水準で推移すると予想されます。一方、2020年に高速道路限定走行が前提ではありますが、日本自動車メーカーからレベル3車両が発売されるとみられ、市場拡大の足掛かりになることが期待されます。レベル4以上車両はインフラ整備や法整備などの課題があるため、2030年代に入って本格的に市場投入されると予想されます。

欧州は、政府や消費者の環境保護への要求が高いことが挙げられ、欧州自動車メーカーはEVやPHVの展開を強化するとともに、自動運転車の開発にも積極的に取り組んでいます。Audiがレベル3車両を2017年に市場投入、また、レベル4車両についてもVWグループやBMW、Daimler、Volvoなどが他地域の自動車メーカーに先んじで2020年代前半に製品化を行う計画であり、レベル3以上車両の市場は当面は欧州がけん引するとみられます。欧州自動車メーカーは、自動運転車やEV、そして、MaaSを同時に普及させることで、従来のディーゼル車販売を中心としたビジネスから置き換わる新たなビジネスモデルの構築を進めています。

北米は、移動手段として自動車が主体であり、ユーザーの長時間乗車が多いため、自動運転車のニーズが高く、早期のレベル3以上車両の市場形成が期待されます。都市近郊道路では自動運転車両に対応したインフラ整備は難しいですが、州間高速道路やUSハイウェイは道幅が広く、ユーザーの運転距離も長いため、レベル3以上車両が普及しやすい環境にあり、長期的には需要が高まると予想されます。また、WaymoやUber、Lyftなどの大手MaaS事業者がサービスを展開しているエリアであり、GMやFord、Teslaなどの米国自動車メーカーはレベル4車両を利用したMaaSへの注力度を高めています。

中国は、次世代技術に対して官民共に積極的に取り組んでいます。EVについては補助金政策が行われており、AIについてもBaiduなどのITメーカーが積極的に取り組んでいます。「雄安新区」をはじめ、自動運転を前提とした都市開発が一部で行われるなど、政府主導の積極的な取り組みが進められており、2045年にはレベル3以上車両の最大エリアになるとみられます。

その他地域は、東アジアや、インドや東南アジアなどの新興国で自動車の需要増加とともに、2030年以降に急激な市場拡大が予想されます。

3.自動運転レベル2車両の世界市場(生産台数ベース)

2020
年見込

2030
年予測

2045
年予測

2019
年比

レベル2

724万台

6,037万台

7,133万台

10.3倍

高機能
レベル2

18万台

1,242万台

5,706万台

356.6倍

※高機能レベル2はレベル2の内数です

レベル3車両は法整備に加え、走行時におけるシステムとドライバーの権限移譲の問題があるため、自動車メーカーによってはレベル3車両をスキップしてレベル4車両の開発に注力するケースもみられます。レベル3車両の早期実現が困難となる一方で、レベル2の高機能化が進展しています。現状、レベル2の車両の多くはAEB(衝突被害軽減ブレーキ)やACC(車間距離制御装置)、LKA(車線維持走行支援)の機能を備えていますが、加えて、車線変更支援や限定条件下でのハンズフリー機能などを備えた高機能レベル2車両が登場しており、それらの車両の早期普及が期待されます。

高機能レベル2車両は、センシング機器を多く使用し、また、複雑なセンサーフュージョンに対しADAS-ECUに搭載する半導体にも処理能力の高いSoCが搭載されることから、システムコストが高くなるため、2020年時点では高級車種のみへの展開に留まっています。しかし、フロント単眼カメラやミリ波レーダーの普及に伴うシステムコストの低減により、幅広い車種での高機能レベル2車両の展開が期待され、2025年の高機能レベル2車両の市場は487万台が予測されます。

また、高機能レベル2車両は、レベル3車両でほぼ必須となるLIDARをはじめとした高価格製品が必ずしも必要でないことから、比較的低価格化が実現しやすいため、2025年以降は急速に普及するとみられます。2045年の市場は5,706万台が予想されます。

【参考】本記事で使用した「2020 自動運転・AIカー市場の将来展望」に掲載している調査対象市場

自動車の自動運転レベル

  • レベル0:自動化なし
  • レベル1:運転支援機能
  • レベル2:部分的運転自動化
  • レベル3:条件付き自動運転
  • レベル4:高度自動運転
  • レベル5:完全自動運転

自動運転制御製品

  • ADAS/自動運転制御ECU
  • テレマティクス制御ECU
  • 自動運転用ステアリングシステム
  • ADAS/自動運転用SoC・FPGA
  • 車載用メモリー(NAND/DRAM)

コックピット関連製品

  • セルラーモジュール
  • 受信用アンテナ
  • Ethernet
  • HMI
  • ディスプレイ
  • ドライブレコーダー/イベントデータレコーダー
  • HUD

セーフティ関連製品

  • LIDAR
  • センシングカメラ
  • レーダーセンサー
  • 超音波センサー
  • パーキングシステム
  • 電子ミラーシステム
  • DMS
  • 自動運転用ロケーター
  • 走行距離計(車速センサー)
  • 慣性センサー(加速度センサー/角速度センサー)
  • 生体センサー
  • ダイナミックマップ

本記事は「2020 自動運転・AIカー市場の将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。