株式会社富士経済は、5GやAI、自動運転車などの普及に伴い、需要増加が予想される半導体用材料の市場を調査し、その結果を「2020年 半導体材料市場の現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、前工程材料32品目、後工程材料10品目に加え、デバイス4品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020年 半導体材料市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2020年 半導体材料市場の現状と将来展望」の全体サマリー
半導体用材料の世界市場
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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前工程材料 |
256.6億ドル |
324.2億ドル |
126.3% |
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後工程材料 |
72.9億ドル |
81.0億ドル |
111.1% |
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合 計 |
329.5億ドル |
405.3億ドル |
123.0% |
※市場データは四捨五入しています
2019年はメモリー価格の暴落に伴い在庫調整が進められたことから、シリコンウエハーを中心に多くの半導体用材料の需要が減少しました。しかし、メモリーの高層化に欠かせないCMPスラリーや炭化フッ素系ガス、テトラエトキシシラン、高純度薬液、ポリマー除去液、イソプロピルアルコールなどの材料は需要が増加し、市場は2018年比で横ばいとなりました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響から伸びは鈍化するとみられますが、5G通信の普及に向けた設備投資、テレワークやネット視聴の増加に伴うデータ通信量の増加でサーバーへの需要が高まっていることから、サーバー向けが半導体用材料の需要をけん引し、市場は拡大し341.9億ドル(2019年比3.8%増)と予測されます。今後は5G通信の普及に伴いIoT活用に関連した半導体の需要が高まることから、長期的にも半導体用材料の市場は拡大していくとみられます。特に半導体の微細化、高層化に寄与する材料が市場拡大をけん引していくと予想されます。
前工程材料
前工程材料では、先端SoC(システムオンチップ)でのEUV露光技術の採用に伴い、EUVに対応するフォトレジスト、フォトマスクの市場が2019年に本格的に立ち上がりました。EUV露光技術の採用は今後も増加するため、EUV関連材料の需要は今後も増えるとみられます。また、今後はメモリーの高層化の進展によりエッチングガスや成膜材料、洗浄液、乾燥液などの材料が伸びていくとみられます。
後工程材料
後工程材料は、FC‐BGA用パッケージ基板材料がサーバー向けで大型化しているため、今後の需要増加が予想されます。また、車載デバイス向けで採用増加が期待されるリードフレームの需要が増加していくとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.シリコンウエハー
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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110.6億ドル |
128.7億ドル |
116.4% |
半導体分野におけるシリコンウエハー(11N以上の超高純度シリコン)を対象とします。
2019年はメモリーの在庫調整が進められた影響を受けましたが、価格の値上げや長期契約の比率が高まったことから市場は2018年比で小幅な縮小にとどまりました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により半導体が搭載される自動車や通信機器などの生産工場の停止や消費の冷え込みなどにより状況が厳しくなっています。特に、自動車は先進国を中心に生産停止・低稼働が続いており、車載半導体向けは減少するとみられます。一方で、テレワークや外出自粛の影響でデータ通信量が増えており、サーバー向けは増加が予想されます。今後は、5G通信の普及に伴いIoT活用が進んでいくことから半導体需要が増加し、市場は拡大していくとみられます。
2.フォトレジスト
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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14.8億ドル |
23.7億ドル |
160.1% |
フォトリソグラフィ工程で使用される感光性材料(g線/i線レジスト、KrFレジスト、ArFレジスト、EUVレジスト)を対象とします。
2019年の市場は、EUV露光技術を用いたデバイスの量産が開始され、EUVレジストの需要が増加したことで拡大しました。2020年は、サーバー向けなどで半導体の需要が高まっていることから市場は拡大するとみられます。今後も安定した需要を獲得していくとみられ、中でもEUVレジストが市場の拡大をけん引していくと予想されます。
3.CMPスラリー
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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11.5億ドル |
15.8億ドル |
137.4% |
半導体製造におけるCMP工程で使用される研磨用スラリーを対象とします。
半導体市場の拡大およびデバイスあたりのCMP工程の増加に伴い、市場は拡大してきました。CMPスラリーは、メモリー向けとロジック向けに分かれますが、ロジックではFinFET(フィンフィールドエフェクトトランジスタ)やSAGC(自己整合ゲートコンタクト)などのトランジスタやコンタクト工程における先端プロセスの微細化や複雑化、メモリーでは3D‐NANDの高層化に伴い従来の2D‐NANDと比べて工程数が3割程度増えていることが市場拡大の大きな要因となっています。今後、ロジックの微細化やメモリーの高層化がさらに進むことでデバイス当たりの使用量は増加し、市場の拡大が続くとみられます。
4.炭化フッ素系ガス
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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5.3億ドル |
7.3億ドル |
137.7% |
炭化フッ素系ガスとしてCF4(四フッ化炭素)、c-C4F8(八フッ化シクロブタン)、C4F6(六フッ化ブタジエン)、CHF3(三フッ化メタン)、CH3F(フッ化メチル)を対象とします。主にCF系ガスはSiOx膜のエッチングおよびクリーニング、CHF系ガスはSixNy膜をエッチングする際に用いられています。
ロジックやDRAMの微細化に伴うエッチングプロセスの増加や、3D‐NANDの高層化や生産量の増加に伴い需要が高まり、市場は拡大してきました。ロジックやDRAMでは微細化が限界に近付いていますが、3D‐NANDでは高層化が進みアスペクト比が高まっています。そのため、高アスペクト比のエッチングに対応するC4F6、CH3Fは、今後需要が増加するとみられ、市場の拡大をけん引していくと予想されます。
5.パッケージ基板材料
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2019年 |
2024年予測 |
2019年比 |
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8.8億ドル |
11.1億ドル |
126.1% |
パッケージ基板材料はプリプレグとその両面に施される銅箔から構成され、パッケージ基板のコア材として使用されています。基板の反りを抑制するため、耐熱性や低熱膨張(低CTE)が求められています。
市場は、スマートフォンの高機能化やサーバー需要の増加による半導体市場の拡大に伴い、成長してきました。主にFC‐BGA、FC‐CSPで用いられており、FC‐BGAは、PC向けを中心に採用されています。今後はサーバー向けに基板の大型化が進んでいることから、採用増加が期待されます。FC‐CSPは、スマートフォン向けの需要が中心であり、今後はスマートフォンに搭載されるDRAMでの採用が進むとみられ、需要増加が予想されます。
【参考】本記事で使用した「2020年 半導体材料市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
前工程材料
- シリコンウエハ
- フォトマスク
- フォトレジスト
- アンモニアガス
- 亜酸化窒素
- モノシラン
- ジシラン
- ジクロロシラン
- ヘキサクロロジシラン
- テトラエトキシシラン
- トリスジメチルアミノシラン
- パターニング用プリカーサ
- Low-k材料
- High-k材料
- メタルプリカーサ
- 六フッ化タングステン
- 炭化フッ素系ガス
- 塩素系ガス
- 臭化水素
- 三フッ化窒素
- クリーニングガス
- ドーピングガス
- 高純度薬液
- ポリマー除去液
- イソプロピルアルコール
- CMP後洗浄液
- CMPスラリー
- CMPパッド
- CMPコンディショナ
- ターゲット材
- ダマシン用硫酸銅
- バッファーコート膜・再配線形成材料
後工程材料
- バックグラインドテープ
- ダイシングテープ
- ダイボンドペースト
- ダイアタッチフィルム
- ボンディングワイヤ
- リードフレーム
- パッケージ基板材料
- 層間絶縁材料
- 封止材
- サポート基板
デバイス
- モバイル端末用SoC
- DRAM
- NANDフラッシュメモリ
- CMOSイメージセンサ
◆本記事は「2020年 半導体材料市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。