株式会社富士経済は、汎用的な部材であり、多くの分野で多種多様に用いられる粘着テープ・フィルムの世界市場を調査し、その結果を「粘着テープ・フィルム市場の全貌 2020 用途別動向編」にまとめました。
この調査では、エレクトロニクス用、自動車用、建築土木用、包装用、その他に加え、その他工業用、医療用の粘着テープ・フィルム市場を調査・分析し、将来を展望しました。また、支持体別の市場動向についても明らかにしました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「粘着テープ・フィルム市場の全貌 2020 用途別動向編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「粘着テープ・フィルム市場の全貌 2020 用途別動向編」の全体サマリー
粘着テープ・フィルムの世界市場
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2019年 |
2023年予測 |
2019年比 |
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エレクトロ |
9,965億円 |
1兆369億円 |
104.1% |
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自動車用 |
4,564億円 |
4,292億円 |
94.0% |
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建築・土木用 |
3,274億円 |
3,007億円 |
91.8% |
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包装用 |
1兆5,151億円 |
1兆5,896億円 |
104.9% |
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その他 |
2兆401億円 |
1兆9,007億円 |
93.2% |
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合 計 |
5兆3,355億円 |
5兆2,571億円 |
98.5% |
2019年の市場は、5兆3,355億円(2018年比0.8%増)となりました。自動車分野は縮小しましたが、そのほかの分野は好調だったため市場は拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け縮小するとみられます。2021年以降は、回復基調に転じ、2023年の市場は5兆2,571億円(2019年比1.5%減)と予測されます。
用途別にみると、エレクトロニクス用は電子部品固定用テープが2019年の市場の37.8%を占め、最も構成比が高く拡大をけん引しました。電子部品固定用テープは、薄型テレビ用途とモバイル端末用途が好調で伸びましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け縮小するとみられます。2021年以降は中国や東南アジアを中心に需要が増加し、市場は拡大に転じるとみられます。
自動車用は、自動車の生産台数が低迷する中、補修用でも使用される塗装マスキング用粘着テープが安定的な需要を獲得してきました。2020年は自動車の生産台数がさらに低迷するため、塗装マスキング用粘着テープの需要は減少するとみられます。今後は、自動車生産台数の回復によって需要増加が期待されます。
建築・土木用は、建築塗装マスキング用粘着テープが2019年の市場の54.3%を占め、最も構成比が高かったです。建築塗装マスキング用粘着テープは建築需要の動向に影響されるため、2020年は落ち込むとみられますが、中長期的には中国や東南アジアの建築需要の高まりが期待され、それに連動して伸びるとみられます。
包装用は、主に輸送時の段ボール箱での梱包に用いられる中・軽包装用粘着テープが、EC市場の好調などにより伸びました。今後は、EC市場のさらなる拡大や、アジアの新興国などでの産業の発展や生活水準の向上に伴う物流量の増加によって、需要が高まるとみられます。また、重包装用粘着テープは、これまで世界貿易の増加に伴い伸びてきましたが、2019年は減速したため縮小しました。2020年以降は、一時的に落ち込みますが世界経済と連動して次第に回復するとみられます。
その他は、ラベル用粘着紙・フィルムが市場の大半を占めています。東南アジアやアフリカで消費量が増加したほか、北米や欧州でも緩やかに増加し、2019年は伸長しました。2020年は、大幅に縮小するとみられます。2021年以降、緩やかに回復しますが2019年の市場規模に戻るのは2025年以降になると予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.中・軽包装用粘着テープ(包装)
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2019年 |
2023年予測 |
2019年比 |
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1兆868億円 |
1兆1,679億円 |
107.5% |
中・軽包装用粘着テープは、主に輸送時の段ボール箱での梱包に用いられ、特性として粗面接着、耐反撥性、手切れ性などが求められます。
2019年の市場は2018年比で拡大し、1兆868億円となりました。アジアの経済発展や世界規模でのEC市場拡大に伴って需要は増加しました。2020年は、様々な粘着テープ・フィルム市場が縮小する中、巣ごもり需要などでEC利用が増加していることから、市場は微増するとみられます。今後は、アジアの新興国での産業の発展や生活水準の向上に伴い物流量が増加するため需要が高まり、市場拡大が続くとみられます。一方で、欧州では近年、環境規制の進展や包装資材を極力使用しない傾向にあり、同様の動きが世界的に本格化した場合、市場が縮小すると懸念されます。
2.電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ(エレクトロニクス)
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2019年 |
2023年予測 |
2019年比 |
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2,760億円 |
2,808億円 |
101.7% |
電気絶縁に用いられるポリ塩化ビニル(PVC)粘着テープを対象とします。電気配線の結束や絶縁被覆などに使用され、電気絶縁性や難燃性、耐水耐薬品性などに優れています。
2019年の市場は2018年比で拡大し、2,760億円となりました。住宅配線用途、工場などの非住宅配線用途など、多様な用途で用いられています。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により市場が縮小するとみられます。今後、特に中国や東南アジア、中近東などにおいて都市化やインフラ整備が進展し需要が増加するため、緩やかに市場は拡大していくと予想されます。
3.建築養生用粘着テープ(建築・土木)
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2019年 |
2023年予測 |
2019年比 |
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755億円 |
692億円 |
91.7% |
2019年の市場は2018年比で拡大し、755億円となりました。建築需要の高まりや、欧州や北米においてリフォーム需要が高まったことから、養生用粘着テープの採用が進み市場は拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により建築需要が世界的に減少するとみられ、市場の縮小が予想されます。2021年以降は、特に新興国における需要増加が期待され、市場は回復に向かうとみられます。また、日本市場では近年の台風などの自然災害対策によって認知度が高まっているほか、ソーシャルディスタンス対策として床面に貼るなどの利用が増えており、新たな用途で需要増加が今後期待されます。
4.電装部品組み立て用粘着テープ(自動車)
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2019年 |
2023年予測 |
2019年比 |
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1,138億円 |
1,072億円 |
94.2% |
自動車に採用される電装部品は多岐にわたりますが、ここではカーナビゲーション、カーオーディオ/ディスプレイオーディオ、タッチパネル、フルデジタルコックピット、車内センサー/カメラ、モーター/二次電池周辺機器に使用される粘着テープを対象とします。
自動車生産台数の落ち込みなどから、2019年の市場は1,138億円と2018年比で縮小しました。2020年は、自動車生産台数はさらに落ち込むとみられ、大幅な市場の縮小が予想されます。今後は、自動車生産台数の回復とともに需要は増加するとみられます。また、運転時の操作全般をデジタル化したフルデジタルコックピットの普及拡大や採用点数の増加が予想される車内カメラでの需要の高まりが期待されます。
【参考】本記事で使用した「粘着テープ・フィルム市場の全貌 2020 用途別動向編」に掲載している調査対象市場
用途別市場
エレクトロニクス
- 電子部品用マスキングテープ
- 電子部品搬送用粘着テープ
- 電子部品固定用テープ
- 電気絶縁用粘着テープ
- 電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
- 研磨パッド固定用両面粘着テープ
自動車用
- 塗装マスキング用粘着テープ
- 内装部品固定用粘着テープ
- 外装部品固定用粘着テープ
- 電装部品組み立て用粘着テープ
- ワイヤーハーネス用粘着テープ
- 自動車塗膜保護フィルム粘着テープ
- 自動車用制振粘着シート
建築・土木用
- 建築養生用粘着テープ
- 建築塗装マスキング用粘着テープ
- 建築・土木構造用接合粘着テープ
- 建材用プロテクトフィルム
- 建築用ウインドウフィルム
包装用
- 重包装用粘着テープ
- 中・軽包装用粘着テープ
その他
- ラベル用粘着紙・フィルム
- マーキングフィルム
- インクジェットメディア
- セパレータ
その他工業用
- 輸送機器ワイヤーハーネス用粘着テープ
医療用
- サージカルテープ
- フィルムドレッシング
- 穿刺部保護材
- 皮膚接合用テープ
- 創傷被覆材
支持体別市場
片面テープ
- クラフト紙粘着テープ
- クレープ紙粘着テープ
- 和紙粘着テープ
- スフ布粘着テープ
- ポリエチレンクロス粘着テープ
- ポリプロピレン粘着テープ
- ポリ塩化ビニル粘着テープ
- ポリエステル粘着テープ
- ポリイミド粘着テープ
- フッ素樹脂粘着テープ
両面テープ
- 不織布両面粘着テープ
- ポリエステルフィルム両面粘着テープ
- 基材レス両面粘着テープ
- 熱接着両面テープ
- PE/PUフォーム両面粘着テープ
- アクリルフォーム両面粘着テープ
◆本記事は「粘着テープ・フィルム市場の全貌 2020 用途別動向編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。