株式会社富士キメラ総研は、半導体需要の高まりの中、各種ハイエンド部材や基板製造への投資が進められ、また、処理能力向上などのニーズ対応に向けてプリント配線板の高多層化や大型化が進んでいる、半導体の実装関連部品、材料・装置の世界市場を調査、分析しました。その結果を「2026 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめました。
この調査では、半導体パッケージ3品目のほか、半導体後工程関連材料8品目、プリント配線板4品目、プリント配線板関連材料12品目、放熱関連材料7品目、実装関連装置6品目、アプリケーション3品目の市場動向や技術トレンドを分析し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2026 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
半導体の実装関連部品・材料・装置の世界市場

2025年以降半導体市場が活況であり、トランプ関税の影響で在庫の積み増しもみられます。また、各種材料の高騰を受けた単価上昇により市場が拡大しています。特にAIサーバー向けを中心としたインフラ機器向けのハイエンド半導体の伸びが大きいため、それらに採用されるFC-BGAやアドバンスドパッケージが特に好調です。
半導体後工程関連材料は、2025年下期以降に民生機器や車載向けパワー半導体市況の回復でリードフレームが堅調であるほか、メモリー向けで単価の高いAuワイヤが好調なボンディングワイヤは2025年に前年比25%以上の伸びが見込まれます。2026年以降、アドバンスドパッケージの需要増加やサイズアップに伴い、再配線材料や1次実装用アンダーフィルが大きく伸びると予想されます。
プリント配線板は、AIサーバーなどのインフラ機器向けの高多層基板、低軌道衛星通信向けや車載向け、AIモジュール用途でHDIなど、単価の高い製品の伸びが大きく、2025年、2026年ともに大幅な市場拡大が予想されます。今後も、AIサーバー、AIスマートフォンの使用拡大により、低誘電対応や処理能力向上に向けた高層化/大型化に伴ってリジッドプリント配線板(高多層)や、FC-BGA基板が大きく伸びるとみられます。
放熱関連材料は、放熱ギャップフィラーや放熱シートの規模が大きいです。双方ともに用途の中心であるEV向けが低調であるものの、サーバー向け高放熱製品が好調に推移しています。中長期的には、車載向けも含めた順調な市場拡大が期待されます。
実装関連装置は、アドバンスドパッケージ向けの需要が非常に好調で、2025年は同用途向けの高価格製品の伸びが市場拡大につながっています。2026年以降もアドバンスドパッケージ向け製品の好調が継続することに加え、地政学上のリスク低減などから後工程・実装拠点を分散させる傾向にあり、インドや北米、東南アジアなどで需要が増えるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.リジッドプリント配線板(高多層)【プリント配線板】

パッケージ基板、HDIを除くリジッドプリント配線板のうち、18層以上の製品を対象としました。18層から20層台はハイエンドAIサーバーや通信機器、30層から50層未満は高速対応通信機器、50層以上は半導体検査装置などが主な用途です。
2025年の市場は前年比27.1%増が見込まれます。特にAIサーバー向けの需要増加が市場をけん引しています。高速対応用の低誘電CCL(銅張積層板)のグレードアップや、材料高騰による単価上昇も市場の伸びに影響しています。また、汎用サーバーでも旧来の14-16層から18層以上の基板採用が進むとみられます。
今後もAIサーバーや関連通信機器の伸び、汎用サーバーの高多層化により市場は順調な拡大を続けると予想されます。AIサーバー向けICなど高性能半導体が広がることにより、半導体検査装置向けの製品も高多層化が進んでおり、今後の伸びが期待されます。
2.FC-BGA基板【プリント配線板】

CPUや通信機器など高性能な多ピンのロジックで採用されるFC-BGAの基板を対象としました。自動車やTVなどの民生向けICなどで8層以下、ゲーム機やPC向けCPU、GPUで10層から14層、サーバー向けCPUやAIアクセラレーターチップ、ハイエンドの通信機器向けで16層以上の製品が採用されています。
2025年はサーバーCPUやAIアクセラレーターチップ向けなどが伸び、通信機器向けや自動車向けも上向いたことで市場は前年比二桁増で1兆円を上回る見込みです。2026年は低CTEガラスクロスの需給ひっ迫により、サーバー向けCPUやAIアクセラレーターチップの生産調整が懸念されますが、材料不足で単価が上昇しているため、市場は引き続き大きく拡大するとみられます。
今後もサーバーCPUやAIアクセラレーターチップが有望用途であるほか、自動車分野ではADASの広がりも市場を後押しするとみられます。高層化や大型化対応により単価も上昇し、市場は2030年には2兆円を超えると予測されます。
3.高機能ガラスクロス【プリント配線板関連材料】

高速対応ガラス基板銅張積層板に採用されている低誘電ガラスクロス、半導体パッケージ基板向けの低CTE対応ガラスクロスを対象としました。プリント配線板の低誘電特性や低そり特性の補強材料および絶縁材料として用いられます。
低誘電CCLの伸長に伴い、低誘電ガラスクロスが大きく伸びており、2025年の市場は前年比40%以上の増加が見込まれます。2026年以降、Super Low LossクラスCCL向けのLow Dk2が拡大、Exereme Low LossクラスCCL向けでさらに単価の高い石英ガラスの出荷増も期待され、市場は順調な伸びが予想されます。
低CTEガラスクロスはFC-BGA基板の需要増加が好材料ですが、2025年時点では供給不足の状況にあり、実需ほどの伸びには至っていません。供給不足のため単価が上昇しており、2026年は数量ベースよりも金額ベースが大きく伸びると予想されます。参入メーカーの生産能力増強が計画されており、今後もFC-BGA基板やメモリー基板の需要増加に従って市場が拡大するとみられます。
低誘電/低CTEガラスクロスの市場が好調であることから、2025年、2026年と台湾や中国の同分野での新興メーカーのシェアが上昇するとみられます。
【参考】本記事で使用した「2026 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」に掲載している調査対象市場
アプリケーション
- スマートフォン
- 自動車
- サーバー
半導体パッケージ
- FO-WLP/PLP
- 2.5Dパッケージ
- 3Dパッケージ
半導体後工程関連材料
- 半導体封止材
- モールドアンダーフィル
- 1次実装用アンダーフィル
- ダイボンドペースト
- リードフレーム
- リードフレーム用条材
- ボンディングワイヤ
- バッファコート材料/再配線材料
プリント配線板
- ガラス基材銅張積層板(汎用/低誘電)
- ガラス基材銅張積層板(パッケージ向け)
- ガラスコア
- 層間絶縁フィルム
- 高機能ガラスクロス(低誘電/低CTE)
- フレキシブル銅張積層板
- ドライフィルムレジスト
- ソルダーレジストフィルム
- 電解銅箔
- 圧延銅箔
- 銅めっき
- 金めっき
放熱関連材料
- アルミナフィラー
- 窒化ホウ素フィラー
- 放熱ギャップフィラー
- 放熱シート
- シンタリング接合材
- 窒化ケイ素基板
- プリプレグ用放熱絶縁シート(15W以上)
実装関連装置
- マウンター
- モールディング装置
- ダイボンダー
- フリップチップボンダー
- 加圧シンタリング装置
- 基板/インターポーザー用露光装置
◆本記事は「2026 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。