株式会社富士経済は、従来の製造方法よりも省エネルギーなどの特徴を持つドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB(リチウムイオン電池)の世界市場を調査し、その結果を「LiB製造におけるドライプロセスの適合状況と市場展望に関する調査」にまとめました。
この調査では、今後の普及が予想されるドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB市場の現状を把握し、将来を展望しました。なお、主流である三元系とLFP系の正極材を使用する液系LiBを対象としました。
LiBの電極は、製造プロセス別に、ウェット式(湿式)とドライ式(乾式)に分けられます。ウェット式は、活物質とバインダー溶剤を混合したスラリー合剤を集電体に塗布しますが、塗工後に、スラリー合剤からバインダー溶剤を乾燥・回収する際に多量のエネルギーを使用するため環境対応の面で課題となっています。ドライ式は、溶媒を使用せずに活物質や導電助剤などの混合粉末をシート状にし、集電箔上に貼るため、これらの乾燥工程を用いないことから、ウェット式の課題を解決する製造法として注目が集まっています。ただし、現在は合剤の結着や均一な成膜が難しいため、安定した量産化に向けて開発が進んでいる段階です。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「LiB製造におけるドライプロセスの適合状況と市場展望に関する調査」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
ドライ式電極製造プロセスを採用したEV用液系LiBの世界市場
現在、電極製造プロセスでは、活物質とバインダー溶剤を混合したスラリー合剤を集電体に塗布するウェット式が主に採用されていますが、今後、ウェット式の課題に対応できるドライ式の採用が進むとみられます。
現状、ドライ式電極製造プロセスは量産技術が確立されていないため、採用は一部の生産ラインに留まっており、2025年のドライ式で電極製造したEV用液系LiBの市場は124億円が見込まれる程度です。
今後、量産技術が確立すれば、ドライ式を採用した電極製造のコストは、現行のウェット式と比べて2割程度削減できるとみられます。乾燥や溶媒回収が不要となるため省エネルギーであり、CO2排出量が削減可能なことから、環境規制の強化が進む欧州を中心に普及が加速するとみられます。ドライ式の電極製造プロセスを採用したEV用LiBの世界市場は、2040年には2兆6,730億円が予測されます。
【参考】本記事で使用した「LiB製造におけるドライプロセスの適合状況と市場展望に関する調査」に掲載している調査対象市場
EV用液系LiB
- ドライ式電極製造プロセスを採用したEV用液系LiB
◆本記事は「LiB製造におけるドライプロセスの適合状況と市場展望に関する調査」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。