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車載電装システムの世界市場を予測。2035年の世界市場を89兆6,716億円(2023年比190.8%)と推計

株式会社富士キメラ総研は、「燃費向上」「CO2排出低減」「安全・安心」「利便・快適」を開発テーマに、「電子制御・電動化」「自動・統合制御」「オンデマンド・デジタル化」によるアプローチが進む車載電装システムの世界市場を調査しました。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2025 上巻」にまとめました。

この調査では、自動車に搭載される主要なシステム19品目をはじめ、デバイス&コンポーネンツ16品目の市場についても地域ごとにその動向を捉え、2035年までの長期予測を提示しました。また、技術トレンド、参入企業の動向、サプライチェーンの把握を行いました。この調査のシリーズで車載ECUの世界市場を調査し、その結果は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2025 下巻」にまとめています。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2025 上巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

車載電装システムの世界市場

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2024年の市場は、49兆9,629億円、世界の自動車生産台数が前年割れするなか、前年比6.3%増の見込みです。xEVの生産台数増加やEVへの移行によるxEV系システムとADAS/自動運転システムの普及や高度化による走行安全系システム、高機能化によるボディ系システムの伸びが寄与しました。

パワートレイン系システムは、ICEの生産台数減少により2026年に縮小に転じると予想されます。一方でxEV生産台数が大幅に増加していくことから、xEV系システムは長期的に大幅な伸長が続くと予想されます。高機能化などにより他分野のシステムも伸長し、2035年には市場は89兆6,716億円が予測されます。

◆注目個別市場サマリー

1.xEV系システム

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HV/PHVシステムは、内燃機関と電動パワートレインの両方を持ち、HVシステムは回生ブレーキによる二次電池の充電を行うシステム、PHVシステムは外部充電に対応した大容量二次電池を搭載するシステムです。

2024年のHV/PHVシステム市場は、前年比31.1%増、6兆820億円の見込みです。PHVシステムが市場の8割強を占めています。2023年までは世界的にEVシフトが顕著でしたが、2024年はアーリーアダプター需要の一巡、欧州一部地域における補助金の打ち切り、EV急増によるEV用インフラの不足などから、HV/PHVシフトがみられます。特に、日本と北米はHV、中国はPHVが大幅に伸びています。長期的な潮流はEVなどへの電動車シフトですが、バッテリーコストが下がりづらいこともあり、短期的にはHV/PHVの販売台数が増し、HV/PHVシステム市場も右肩上がりが予想されます。

なお、HVシステム市場は、2030年までは堅調に拡大しますが、2030年以降は微増となります。PHVシステム市場は、PHVがICEやHVからのシフトも期待されるため、長期的に拡大します。

EV/FCVシステムは、内燃機関を持たず、モーター駆動で走行する電動車システムです。動力はEVシステムがLiB、FCVシステムがFCスタックによる発電から得ています。

2024年のEV/FCVシステム市場は、市場の大部分を占めるEVシステム市場がマイナスとなり、前年比0.2%減、16兆6,801億円の見込みです。

なお、EVシステム市場は、2025年には復調し、長期的には大きく拡大すると予想されます。FCVシステム市場は、現状、まだ規模が小さいです。FCVが新たな参入メーカーや車種が増えておらず伸び悩んでいるためです。また、大都市では水素充填インフラの整備が進みつつありますが、地方都市では未整備が多いです。FCVの販売台数は、2030年以降中国を中心に増加し、それに伴いFCVシステム市場も拡大していくと予想されます。

2.ADAS/自動運転システム

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ADAS/自動運転システムは、センシングカメラやレーダーセンサー、LIDARなど各種センシング機器を使用したシステムです。ADASは、自動運転レベル1および2に相当する緊急自動ブレーキや定速追従走行システムなどがあげられます。また、自動運転システムは、レベル3以上の条件付き自動運転から完全自動運転のシステムとしました。なお、LIDARとHDマップを搭載した車両はレベル3とし、自動運転システムに含めました。

2024年のADAS市場は、前年比9.0%増、2兆5,687億円の見込みです。緊急自動ブレーキの搭載率がいずれの国・地域でも高いことから、搭載数がほとんどの国・地域で自動車生産台数に近い規模となっています。特に、乗用車と小型商用車の搭載率が高いです。一方、新興国で生産される大型商用車の搭載率は低いです。レベル3の普及には車両性能以上に法規制やインフラ整備、事故時の責任所在、保険の適用などが高いハードルとなっていることから、自動車メーカー各社はレベル2の高機能化を進めています。高機能化では搭載される各種センサーの数量増加で単価が上昇することから、2030年にかけて市場は高成長するとみられます。2030年以降はレベル3以上にシフトするとみられることから、市場は縮小推移が予想されます。

2024年の自動運転システム市場は、前年比2.4倍、628億円の見込みです。現状、まだ市場規模は小さいですが、中国ではADASや自動運転システムの搭載が消費者への訴求ポイントになっており、新興EVメーカーの高級車でLIDARとHDマップを搭載するレベル3が増加しています。日本や欧州でもLIDARとHDマップの搭載が始まっていますが、高級車のみでまだ少ないです。高いハードルがクリアされるのには時間を要しますが、徐々に市場は拡大し、2030年以降さらに高い成長率が期待されます。

3.統合コックピットシステム

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統合コックピットシステムは、コックピットドメインコントローラー(CDC)と表示装置で構成されるシステムです。CDCは、メーター(車速やガソリンの残量など)、センターインフォメーションディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、さらにはADASやドライバーモニタリングシステムなどの情報を統合的に制御します。

統合コックピットシステムは、従来のサプライチェーンとは異なるため、新たなサプライチェーンを受け入れやすいEVでの搭載が中心となり、EVの販売台数が多い中国や欧州で需要が比較的多く、今後もこれら国・地域が市場をけん引していくとみられます。

日本ではEVの販売台数が少ないこともあり需要は限定されていますが、2026年以降の次世代E/Eアーキテクチャーの採用により市場が立ち上がるとみられます。欧州では主に高級車やドメイン型E/Eアーキテクチャー採用車に搭載されています。今後、ドメイン型やドメインとゾーンのハイブリッド型アーキテクチャー採用車が増加することから、大幅に市場拡大するとみられます。北米ではTeslaなどのEVメーカーを中心に市場が形成されています。中国では参入する多くのソフトウエアメーカーやカーナビメーカーが今後も製品競争力を高めながらEVをターゲットに販売を強化していくとみられます。その他の国・地域では当面は韓国のHyundai/Kia向けが中心となりますが、インドでも市場が形成され、2030年以降には東南アジアなどでも形成されていくと予想されます。

4.プレミアムサウンドシステム

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プレミアムサウンドシステムは、独立したアンプユニットが搭載され、ユニット内のデジタルシグナルプロセッサーで生成された高音質なサウンドが体感できるカーオーディオシステムです。ここでは標準搭載品もしくはメーカーオプション品を対象としました。システムは高出力かつ多チャンネルのパワーアンプユニットや、車室内の各所に搭載される多数のスピーカー、それらを接続するケーブル、デジタル接続の場合はトランシーバーから構成されています。従って、搭載は高コストが受容される高級車や、車室空間の広い大型車が中心ですが、一部の大衆車でもメーカーオプションで提供されています。

統合コックピットシステムへの移行によるアンプの独立化、自動運転システムの高度化による車室空間の快適性向上ニーズを背景に、今後も緩やかに市場は拡大していくと予想されます。当面は、高級車から大衆車の上位クラスへの搭載が期待されます。

日本では高級車や大型車を中心に搭載されていますが、一部の大衆車や軽自動車でもオプション搭載されています。欧州では高級車、大型車で広く搭載されているほか、大衆車の上位クラスにも搭載が拡大しています。北米では高級車を中心とした搭載であり、他の先進国と比較すると搭載率は低いです。ディーラーでのアクセサリーや、アフターマーケットでの製品展開が充実しており、ユーザーによるカスタマイズの需要が大きいことが背景にあります。中国では新興EVメーカーを中心に搭載率が上昇しており、A2B(オートモーティブ・オーディオ・バス:電装化が進む車載インフォテインメントのオーディオ用ハーネスの軽量化(低燃費化)・低コスト化を目的に開発された技術)を用いたデジタルネットワークの採用も始まっています。他方で大衆車や商用車は車両価格抑制のためにHead Unit内蔵型システムが主流です。その他国・地域ではHead Unit内蔵型システムが主流ですが、韓国など先進国では高級車を中心に搭載されています。

【参考】本記事で使用した「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2025 上巻」に掲載している調査対象市場

車載電装システム

パワートレイン系

  • エンジンマネジメントシステム
  • 変速制御システム

xEV系

  • HV/PHVシステム
  • EV/FCVシステム

走行安全系

  • ブレーキシステム
  • パワーステアリングシステム
  • ADAS/自動運転システム
  • エアバッグシステム

ボディ系

  • ボディ制御システム
  • エアコンシステム
  • ヘッドランプシステム

情報系

  • 車外通信システム
  • 統合コックピットシステム
  • Head Unit(カーナビ/ディスプレイオーディオ)
  • メーターシステム
  • HUD
  • 電子ミラーシステム
  • 車内モニタリングシステム
  • プレミアムサウンドシステム

デバイス&コンポーネンツ

センサーモジュール

  • 車載カメラ
  • レーダーセンサー
  • LIDAR
  • 超音波センサー

入出力系デバイス

  • ディスプレイ
  • LED
  • スピーカー
  • マイク
  • シャークフィンアンテナ
  • 補機類向けモーター
  • その他小型モーター

xEV関連デバイス

  • 駆動用モーター
  • インバーターモジュール
  • DC-DCコンバーター
  • OBC
  • 二次電池

◆本記事は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2025 上巻」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。