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企業向けソフトウェア53品目の国内市場を調査。2029年度のSaaS/PaaS市場を3兆3,975億円(2024年度比73.0%増)と推計

株式会社富士キメラ総研は、バックオフィスなどのミッションクリティカル領域へのクラウド利用の広がりや、生成AI技術の搭載に向けた取り組みが進展し、今後も成長が予想される企業向けソフトウェアの国内市場を調査しました。その結果を「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」にまとめました。

この調査では、バックオフィス/コーポレート20品目、セールス/マーケティング9品目、デベロップメント/オペレーション13品目、デジタルワークプレース11品目の計53品目について、SaaS/PaaSとパッケージの提供形態別に最新の動向を明らかにし、将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、『ソフトウェアビジネス新市場 2025年版』をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.企業向けソフトウェア53品目の国内市場

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2025年度の市場は各カテゴリーが前年度比10%以上伸長し、3兆円を上回るとみられます。今後も各カテゴリーが堅調に伸び、2029年度の市場は4兆円超が予測されます。特に、レガシーシステムの刷新やバックオフィスDXが進むバックオフィス/コーポレートや、システム内製化ニーズの高まりやIT人材不足で需要が増加しているローコード/ノーコード開発が含まれるデベロップメント/オペレーションが全体をけん引するとみられます。

近年、生成AIの活用に向けた取り組みが活発化する中、自律的にタスクを処理するAIエージェントに注目が集まっており、参入ベンダーは生成AIアプリケーションやAIエージェントをサービスに実装することで競争力を高めていくと期待されます。

バックオフィス/コーポレートは、ソフトウェアのサポート終了を契機としたリプレースに加え、バックオフィスのDX化を目的としたレガシーシステムの刷新需要が継続し、2025年度の市場は前年度比13.1%増が見込まれます。経営に関する情報の分析高度化のため、予実管理、EPM、BSM/購買管理などの需要が高まっているほか、法制度への対応のため、CLM/契約管理、電子契約、契約書審査といったリーガルテック分野の投資が増大し市場の伸びを後押ししています。

セールス/マーケティングは、顧客ロイヤリティの向上に向けた顧客接点の強化により需要が増加しています。また、データ分析の高度化や業務効率化のため、バックオフィス/コーポレート製品との連携が進んでいます。CX/マーケティングスイートやマーケティングオートメーションでは生成AIの組み込みやAIエージェント機能の実装が進むとみられ、より効率的なマーケティング業務が可能な製品の増加が期待されます。

デベロップメント/オペレーションは、DX推進ニーズの高まりから、システム開発の内製化やデータ分析基盤構築などの実現に向けた投資が増えています。事業部門における迅速なシステム開発や、業務プロセスの変換への柔軟な対応が求められる中で、Webデータベース/ノーコード開発やローコード開発といったツールやBPM(Business Process Management)などが伸びています。今後はデータレイクハウスの構築が進み、DWH(データウェアハウス)用DBやデータ連携が成長すると予想されます。

デジタルワークプレースは、BI(Business Intelligence)やテキストマイニングといったアナリティクス領域、ビジネスチャットやファイル共有などのコラボレーション領域に大別されます。アナリティクス領域は、データドリブン経営の実現に向けた投資が市場拡大につながっています。コラボレーション領域はハイブリッドワーク対応や業務効率化、業務属人化の解消などに向けた投資で伸びています。また、AIアシスタントの実装が進展しており、より高度なコラボレーションが実現しています。

2.提供形態別国内市場

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SaaS/PaaSは、パッケージからの移行や新規導入が活発なことから伸びが続いています。コストや運用負荷の低さといった利点に加え、デジタルワークプレース実現に向け、社内に限らずパートナーや顧客からのアクセスが可能な点が評価されています。コラボレーションやマーケティングでの導入が先行しており、これらの領域でのSaaS/PaaS比率は90%を超えます。バックオフィスや基幹系システムといった領域でもクラウド化が進展しています。今後もAIアシスタントやAIエージェントといった先進技術への対応に向け引き続き市場をけん引するとみられます。

パッケージは、SaaS/PaaSへのシフトにより横ばいから微減が予想されますが、ソフトウェアのカスタマイズやアドオン開発が容易であることや、インフラ構築の自由度の高さといったメリットがあります。また、セキュリティの問題でSaaS/PaaS利用が困難なケースもあり、パッケージのニーズは今後も根強いとみられます。

◆注目個別市場サマリー

1.ローコード開発

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ローコード開発を行う開発基盤と実行環境を対象とし、特定のモバイル機器やOSで開発を行うツールは含みません。

システム開発の内製化に取り組む企業の増加に加え、IT人材不足の影響などから近年導入が増えており、2025年度の市場は拡大するとみられます。ワークフローやCRM(Customer Relationship Management)、基幹業務システムの周辺システムやスクラッチで開発されたシステムの改修など社内向けや、BtoB領域での社外向けで中心とした導入が活発です。また有力ERP製品のサポート終了に伴い他製品への移行を検討するユーザーが性能の補完のために本ツールを導入するケースが増えており、2020年代後半はこの動きが市場拡大に影響するとみられます。

DX化推進やIT人材の不足を背景とする「開発の民主化」の流れから、今後は社内向けシステムやBtoBに加え、BtoCでの利用も増加するとみられます。また、AIを活用したコードの自動生成が進み、非IT人材がより利用しやすくなることも市場拡大を後押しするとみられます。

提供形態別ではSaaS/PaaSが主体であり、DX実現や開発の民主化、開発コスト削減のニーズから市場をけん引していくとみられます。また、パッケージも認知度向上に伴って基幹システムなどで採用が増えており、成長が予想されます。

2.契約書審査

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契約書の文面について法的なリスクや不足条項の指摘、修正例の提示を行うことが可能なツールです。ここではAIを用いて契約書のレビュー支援や作成を行うクラウドサービスや、同様の機能を有するクラウドエディターを対象とします。

契約書の作成・審査業務においては、担当者の業務負担や法務人材獲得の難しさが課題でした。その中で、2019年以降、AIを活用したツールの発売が相次いだことや、ビジネスシーン全体における法務の増加や法務人材の減少を背景に市場が拡大してきました。

2025年度は、生成AIを活用した機能の拡充やレビューの精度向上に取り組むベンダーが多く、製品の付加価値向上が進んでいます。これまでは大規模企業や都市部での導入が多かったですが、今後は中小企業や地方への導入が進むとみられます。特に、地方では法務人材が顕著に減少しているため、ニーズが大きく高まると予想されます。

3.大規模企業向けERP

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ERP(Enterprise Resource Planning)を実現するためのソフトウェアのうち、年商500億円以上の企業を主体に提供されているものを対象とします。

2027年に有力製品である「SAP ERP(ECC6.0)」のサポートが終了することを受け、ユーザーは後継製品「SAP S/4HANA」へのマイグレーションや他社製品への乗り換えを進めていることから、2025年度も市場は拡大するとみられます。DX推進に際するレガシーシステムの刷新に向けたニーズも継続しており、今後の市場拡大を後押ししていくと予想されます。また、新リース会計基準対応や約束手形・小切手利用廃止対応のほか、メインフレームやスクラッチシステムからの脱却に向けたニーズの高まりも市場拡大につながるとみられます。

ERPシステム環境の刷新を契機として、購買管理や経営管理、ローコード/ノーコード開発、電子帳票関連などの周辺システムの刷新が期待されますが、マイグレーションへの資源集中により他への投資が抑制される可能性もあり、大規模企業向けERP市場の動向が他のソフトウェア市場に及ぼす影響は大きいです。

大規模企業は独自の業務フローへの対応のため、パッケージをベースとしたカスタマイズ開発を行うケースが非常に多く、パッケージの構成比が大きいです。現状、SaaS/PaaSは全体の30%程度ですが、SaaSビジネスへの注力度を高めるベンダーの増加に加え、ユーザーサイドでも業務プロセスをシステムの標準機能に合わせる考え方「Fit to Standard」の広がりでクラウド需要が高まっており、SaaS/PaaSが順調に伸びると予想されます。

【参考】本記事で使用した『ソフトウェアビジネス新市場 2025年版』に掲載している調査対象市場

バックオフィス/コーポレート

  • 大規模企業向けERP
  • 中規模企業向けERP
  • 財務・会計管理
  • 連結会計管理
  • EPM
  • 予実管理
  • 生産管理
  • 販売・在庫管理
  • BSM/購買管理
  • SCM/S&OP
  • EDI
  • 請求書受領管理
  • 経費精算管理
  • 人事・給与管理
  • 人材管理
  • 勤怠管理
  • 労務管理
  • CLM/契約管理
  • 電子契約
  • 契約書審査

セールス/マーケティング

  • CX/マーケティングスイート
  • マーケティングオートメーション
  • メール配信プラットフォーム
  • CMS
  • ECサイト構築(カスタマイズ型)
  • ECサイト構築(カート型)
  • CRM(営業系)
  • CRM(コンタクトセンター系)
  • コンタクトセンタークラウド基盤/CTI

デベロップメント/オペレーション

  • ワークフロー
  • 電子帳票関連ツール(設計・出力)
  • 電子帳票関連ツール(運用・保存)
  • Webデータベース/ノーコード開発
  • ローコード開発
  • BPM
  • RPA
  • OCR
  • データ連携
  • ファイル転送
  • RDBMS
  • DWH用DB
  • 運用管理/オブザーバビリティ

デジタルワークプレース

  • 統合コミュニケーションサービス
  • グループウェア
  • Web会議
  • ビジネスチャット
  • プロジェクト管理
  • ファイル共有
  • 文書管理/ECM
  • 検索エンジン
  • ITサービスマネジメント
  • BI
  • テキストマイニング

◆本記事は『ソフトウェアビジネス新市場 2025年版』より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。