株式会社富士経済は、国家戦略やユーザーニーズを受けたEVやPHVの販売増加に伴い、設置が急速に進むEV/PHV充電インフラについて、先行する中国や米国、欧州諸国、また、今後の急拡大が期待されるインド、東南アジア諸国など注目17か国の市場を調査しました。その結果を「EV/PHEV充電インフラの国別整備実態と普及計画 2024」にまとめました。
この調査では、注目17か国のプラグイン充電(急速充電器、普通充電器)とワイヤレス給電のストック市場の現状と将来展望を規格別出力別に捉えるとともに、充電ステーションのロケーション別設置箇所数、また、バッテリースワップシステムの動向などを整理しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「EV/PHEV充電インフラの国別整備実態と普及計画 2024」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.日本の充電インフラストック市場
2023年は、補助金の効果が非常に大きく、急速・普通ともに過去最高の出荷となりました。急速は、公共用で90kW機の高速道路SA・PAやコンビニエンスストアなどへの設置が急増、また、50kW機は幹線道路、特にガソリンスタンドの設置が大きく伸びました。普通は、公共用で6kW機を中心に宿泊施設や遊戯施設、レジャー施設などで設置が増えています。今後もカーディーラーや商業施設を軸に充電ステーション設置が増加するとみられます。
2023年10月に経済産業省が「充電インフラ整備促進に向けた指針」を発表し、充電器設置目標を大幅に増やしています。次世代自動車振興センターの助成プログラムでは、急速充電器設置に対して機器購入費用の50%の補助金が支給されるなど、充電インフラ普及に向けた国家的戦略が追い風となり、市場拡大が期待されます。
(急速充電器、普通充電器を対象としました。市場は年末の累計普及個数です)
2.中国の充電インフラストック市場
2023年はEVの新車販売台数が500万台超、PHVは250万台超となり、不動産市況の悪化などで経済成長の鈍化が懸念されましたが、社会インフラとしての充電ステーション整備は大幅な拡大ペースで進み、充電インフラの市場も堅調に拡大しました。特別市や省レベルで設けられた助成金制度も導入の追い風となりました。設置場所は、幹線道路が中心ですが、他国と比べてオフィス・公的施設も多いです。2024年以降はEV新車販売の増加ペースは若干鈍化しつつありますが、2023年までの新車販売の急拡大に起因するストック台数の増加に対応するため、今後も充電インフラのストック数では、中国が世界でも突出した存在であり続けるとみられます。
ワイヤレス給電は、2023年で1万台となり世界をリードしています。中国メーカーが注力していることもあり、今後も順調な伸びが予想されます。また、満充電された別のバッテリーに交換するバッテリースワップシステムでも先行しており、2023年で6,400箇所のステーションが展開されています。
3.米国の充電インフラストック市場
2023年は、Teslaを中心にEV、PHVの販売が堅調に伸びたことや、超党派インフラ投資法に基づく各州の充電インフラ整備計画の本格稼働により、急速が約1.5万台の純増となり、充電ステーションの新規開設は商業施設や幹線道路を中心に大幅に伸びました。今後、中長期的にはNACS(North American Charging Standard)として統合される方向にあるSuperchargerやCCSが大きく伸びるとみられます。
ワイヤレス給電は、現状一部での普及にとどまっていますが、2025年以降に本格的な普及が期待されます。また、バッテリースワップシステムは、AmpleがUberなどとの連携で、西海岸エリアを中心に実証事業を展開しています。
【参考】本記事で使用した「EV/PHEV充電インフラの国別整備実態と普及計画 2024」に掲載している調査対象市場
充電器
タイプ
- 急速充電器
- 普通充電器
- ワイヤレス給電
利用形態
- 公共用
- 職場用
- 商用車
充電ステーション
ロケーション
- 高速道路
- 商業施設
- カーディーラー
- 幹線道路
- オフィス
- 公的機関
- その他
調査対象国
- ドイツ
- 英国
- フランス
- イタリア
- スペイン
- オランダ
- スウェーデン
- ノルウェー
- 米国
- カナダ
- 中国
- 日本
- インド
- タイ
- インドネシア
- ベトナム
- オーストラリア
◆本記事は「EV/PHEV充電インフラの国別整備実態と普及計画 2024」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。