株式会社富士経済は、国内では初の試みとなる、各種ECサイトを経由して流通する市販薬市場(市販薬EC市場)の調査を実施し、その結果を「全面解禁により注目が集まるOTC医薬品ECチャネルの全容 2024」にまとめました。
この調査では、市販薬EC市場を、品目区分別、ECチャネル区分別に把握し、今後の動向を明らかにしました。
市販薬は2014年6月12日の改正薬事法の施行により、一部を除きネット販売が可能となりました。参入メーカーのECサイトや仮想ショッピングモール、ドラッグストア・調剤薬局ECサイトなどで販売が広がり、特に仮想ショッピングモールでの伸長により市場は拡大しました。
医療用医薬品から市販薬に移行した直後の要指導医薬品については対面販売義務が残っていましたが、2023年に厚生労働省が薬剤師のビデオ通話による服薬指導を条件に2025年以降ネット販売を解禁する見通しを明らかにしたことで、市販薬のネット販売は全面解禁に向かっています。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「全面解禁により注目が集まるOTC医薬品ECチャネルの全容 2024」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
国内の市販薬EC市場
2023年の市販薬EC市場は904億円、国内の市販薬全体市場における比率(EC比率)は6.9%となりました。ECチャネルからの購入は徐々に増えており、EC比率も着実に伸びています。発毛剤やビタミン剤、ドリンク剤が市場拡大をけん引しています。発毛剤は実店舗より気軽に買えることからEC適性が高く、ビタミン剤は購入の緊急性が低く、特に、ひざの痛みや関節痛に効くビタミンB1主薬製剤はリピート購入があるためECとの親和性が高いです。ドリンク剤は購入量によっては重くかさばるためEC利用も多いです。ECチャネル別では仮想ショッピングモールが市場の7割弱を占めています。2割強を占める参入メーカーのECサイトはブランド指名買いによる安定した売上を確保しています。ドラッグストア・調剤薬局ECサイトはチェーンによって注力度に温度差があります。
2029年の市場は2023年比24.6%増が予測されます。EC比率も1.2ポイント上昇します。発毛剤やビタミン剤、ドリンク剤に加え、実店舗で購入しづらい製品、購入の緊急性が低い製品、持ち運びにくい製品、まとめ買いに向いた製品、大容量帯が好まれる製品など、また、実店舗の棚に入りにくいニッチな製品もECサイトでは検索により見つけ出すことができることから今後もECシフトが予想されます。2025年以降には要指導医薬品のネット販売解禁が予定されていることも市場へのプラス要因になるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
発毛剤EC市場
発毛促進、育毛、脱毛の予防、ふけ・かゆみの防止、また、壮年性脱毛症や円形脱毛症、薄毛等における発毛、育毛および脱毛(抜け毛)の進行予防などの効果・効能をもつ市販薬を対象とします。ECチャネルでの展開をメインとするアンファーの「スカルプD メディカルミノキ5」や、実店舗でも同様に展開する大正製薬の「リアップ」シリーズなどがあります。
2023年の市場は110億円となりました。実店舗での購入は人の目が気になったり、抵抗感を感じたりする利用者が多いため、EC比率は32.2%と高いです。毛髪が成長するまで時間を要することから、複数本のまとめ買いニーズに対応した展開(セット販売)や、実店舗や競合製品に対して価格面で優位性を打ち出す展開なども行われています。
【参考】本記事で使用した「全面解禁により注目が集まるOTC医薬品ECチャネルの全容 2024」に掲載している調査対象市場
調査対象
- ECチャネルを介する市販薬(OTC医薬品)
※ドリンク剤は医薬部外品も含む
品目区分
- ビタミン剤(ビタミンB1主薬製剤、ビタミンB2主薬製剤、しみ改善薬)
- ドリンク剤
- 総合胃腸薬
- 痔疾用薬
- 便秘薬
- 総合感冒薬
- 解熱鎮痛剤
- 鼻炎治療剤(内服)
- 外用消炎鎮痛剤
- 皮膚治療薬
- 発毛剤
- 目薬
- その他市販薬
ECチャネル区分
- メーカーECサイト
- 仮想ショッピングモール(メーカー・小売り出店分)
- 仮想ショッピングモール(仮想ショッピングモール企業仕入販売分)
- ドラッグストア・調剤薬局ECサイト
- その他ECサイト
◆本記事は「全面解禁により注目が集まるOTC医薬品ECチャネルの全容 2024」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。