株式会社富士経済は、早期診断・早期治療介入から今後劇的な変化が予想される心不全関連の検査や医薬品、心不全治療用アプリや再生医療など関連製品の市場を調査し、その結果を「心不全関連市場のフォーキャスト分析 ~BNPのカットオフ値の変更により激変が予測される心不全診療市場~」にまとめました。
この調査では、血液検査としてBNP、NT-proBNP、医薬品として対象5剤とそのジェネリック医薬品、2024年時点の開発パイプラインでフェーズ3にある心不全向け薬剤、その他の心不全関連製品として、ホルター心電計、ペースメーカー、SaMD、再生医療を取り上げ、最新の市場をまとめ、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「心不全関連市場のフォーキャスト分析 ~BNPのカットオフ値の変更により激変が予測される心不全診療市場~」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
心不全関連の血液検査、医薬品、製品の国内市場
2023年に日本、欧州、米国の心不全学会は、前心不全や心不全の患者に対して医療の早期介入を目標に、心不全診断や循環器専門医への紹介基準となるBNP、NT-proBNPのカットオフ値の大幅な引き下げを行いました。今後は心不全の早期医療介入のため、検査数が大きく伸びると予想されます。また現在心不全治療用アプリの開発や再生医療の治験が進められています。これらの実用化は心不全治療の大きな変化に繋がり、すでに標準治療で活用されているSGLT2阻害剤やARNIといった医薬品の市場にも影響を及ぼすと考えられます。
血液検査
血液検査は、心不全診断に用いられるBNP検査、NT-proBNP検査を対象とします。市場は、早期治療介入を目指した検査数の増加に加え、将来的には健診オプションで検査実施率が高まることで拡大していき、2030年は167億円が予測されます。現状の内訳ではBNPの規模が大きいですが、今後はNT-proBNPの構成比が徐々に高まっていくとみられます。健診での需要が増加することや、「エンレスト」(ノバルティスファーマ)の普及により、治療効果のモニタリングとして検査数が増加すると想定されます。
医薬品
医薬品は、SGLT2阻害剤、ARNIなど5剤を対象とし、それらのジェネリック医薬品や2024年時点のフェーズ3開発品も含みます。また心不全治療薬としての売上のみを対象とします。2023年以降、SGLT2阻害剤の複数の製品が重症度を問わず慢性心不全患者へと適応拡大され、比較的軽度なHFpEF、HFmrEF患者への投薬が大幅に増加しており、市場も拡大しています。重症患者向けについても処方可能な医薬品が増えており軽度患者向けの開発品も複数あることから、2030年の市場は、2023年比2.5倍の1,020億円になると予測されます。
製品
製品は、ホルター心電計やペースメーカー、SaMD(Software as a Medical Device)、再生医療を対象とします。2024年時点ではSaMD、再生医療は市場が立ち上がっていません。高齢者を中心とした心不全患者の増加や心不全予防医療の高まり、ペースメーカーの導入タイミング早期化などにより市場拡大が予想されます。ホルター心電計は近年横ばいでしたが、不整脈患者の検査数増加や在宅医療での需要増加により今後拡大していくとみられます。
SaMD(心不全治療用アプリ)は2028年ごろ市場が立ち上がると予想されます。すでに高血圧治療用アプリ(市場対象外)が存在しているため、治療用アプリの認知の広がりや、高血圧治療用アプリとの併用の想定されるため、比較的スムーズに浸透することが期待されます。再生医療は、現在再生医療企業のHeartseedによりiPS細胞を心臓治療へ実用化する治験が世界で初めて進められており、2030年以降に市場が立ち上がるとみられます。
【参考】本記事で使用した「心不全関連市場のフォーキャスト分析 ~BNPのカットオフ値の変更により激変が予測される心不全診療市場~」に掲載している調査対象市場
血液検査
- BNP
- NT-proBNP
医薬品
- SGLT2阻害剤
フォシーガ(小野薬品工業)
ジャディアンス(日本ベーリンガーインゲルハイム) - ARNI
エンレスト(ノバルティスファーマ) - sGC刺激薬
ベリキューボ(バイエル薬品) - HCNチャネル遮断薬
コララン(小野薬品工業) - その他
上記5剤のジェネリック医薬品
2024年時点のフェーズ3開発品
※医薬品は心不全の治療薬として処方されたもののみを対象とします。
心不全治療関連製品
- ホルター心電計
- ペースメーカー
- SaMD(心不全治療用アプリ)
- 再生医療
◆本記事は「心不全関連市場のフォーキャスト分析 ~BNPのカットオフ値の変更により激変が予測される心不全診療市場~」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。