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家電製品の世界市場を調査。2027年にはコロナ流行前の規模に回復

株式会社富士経済は、中国でのゼロコロナ政策により生産が停滞したことで、中国一極集中の生産体制から東南アジアなどへのシフトが加速している家電製品の世界市場を調査し、その結果を「グローバル家電市場総調査 2023」にまとめました。

この調査では、衣住関連8品目、調理関連13品目、空調/給湯関連9品目、美容/健康関連10品目について国・地域別生産・販売動向の現状を分析し将来を予想しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「グローバル家電市場総調査 2023」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

生活家電3品目の世界市場

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

ルーム
エアコン

1億6,602万台

100.7%

1億7,510万台

105.5%

洗濯機/
洗濯乾燥機

1億1,514万台

93.8%

1億2,180万台

105.8%

冷蔵庫

1億2,070万台

95.5%

1億2,704万台

105.3%

これまで、人件費の高騰や米中貿易摩擦といった政治的要因を背景に、各メーカーによる脱中国への取り組みが進められていました。2022年に実施された上海ロックダウンなどにより、中国では部材メーカーも含め家電の生産活動が滞ったことで、脱中国への取り組みが一層加速しました。コスト優位性に加え、部材供給能力が高まっていることから、東南アジアなどで増産を図る動きがあり、今後も移行は進んでいくとみられます。

2022年は、中国や欧米諸国では景気悪化により個人消費が低迷しましたが、東南アジアやインドなどで需要は堅調です。景気悪化の影響は2023年頃まで続くとみられますが、それぞれ2024年以降は回復に向かい、生活家電の普及率が低い東南アジアやインドなどでの伸びにより拡大し、2027年には好調であった2019年や2021年の規模まで回復が期待されます。

ルームエアコン

普及率が低く、経済の回復が進みつつあるインドや東南アジアなどでの需要に加え、経済低迷の中でも中国や欧米での記録的な猛暑により需要獲得が進み、2022年の市場はわずかながら拡大しました。今後は、東南アジアやインドなどが市場をけん引していき、拡大を続けるとみられます。 家電の中でも最もインバーター化が進んでおり、販売製品の搭載比率は80%近いです。中国では2020年の省エネ規制の見直しにより、ノンインバーター製品の淘汰が進みました。今後の普及が期待されるインドでも省エネ施策によりインバーター搭載製品の需要は堅調であり、東南アジアでも日系メーカーや韓国系メーカーなどが積極的にラインアップを強化しています。また、新興国のローカルメーカーでもインバーター搭載製品を増やしていることから、2027年には搭載率が86%を超えるとみられます。

洗濯機/洗濯乾燥機

中国での生産が5割以上を占めています。ゼロコロナ政策の影響を受け、中国で生産を行うメーカーの生産活動や部品調達が停滞したため、計画通りにいかなかったメーカーも多く、2022年の市場は前年比6.2%減となりました。

タイプ別には、中国は一槽式とドラム式が拮抗していますが、日本、東南アジアなどでは一槽式が主流であり、北米、欧州・ロシアではドラム式、インドでは二槽式が主流です。また、コロナ禍における給付金施策により2021年にはハイエンド製品が好調だったことから、販売製品のインバーター搭載率が高まっており、2022年には48%となりました。

冷蔵庫

各国・地域に特化したサイズや機能ニーズがあることや物流コストの関係により、生産地は各地に分散する傾向が強いです。

3割以上を占める中国の需要が、ゼロコロナ政策や長引く不動産市場の低迷などの影響を受けたことにより減少したため、市場は縮小しました。今後は、普及率が低く、経済の回復が比較的堅調である東南アジアの一部やインドを中心に、市場が拡大していくと予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.空気清浄機

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

2,204万台

73.9%

2,320万台

105.3%

2022年の市場は、前年比26.1%減となりました。部品不足や、サプライチェーンの寸断や停滞による生産・販売への影響は、他の家電製品に比べると少なかったですが、コロナ禍に入った2020年、2021年が感染症対策意識の高まりや給付金などの特需により好調だったため、その反動により縮小しました。生産は、8割以上が中国に集中しており、メーカーは徐々に東南アジアへ生産拠点を分散させていますが、コストなどの優位性を考慮すると、いずれにしても生産地はアジアに集中するとみられます。

2024年も特需の反動などが少なからず残るとみられ、本格的に市場が回復していくのは2025年以降と予想されます。

2.ヘアドライヤー

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

1億6,009万台

93.3%

1億7,552万台

109.6%

中国系メーカーによるOEM/ODM生産が多く、9割以上が中国で生産されています。2022年は中国や欧米諸国で需要が低迷しており、市場が縮小しました。今後は新興国で需要が高まり、中南米などを中心に生産の現地化が進むとみられ、中長期的に市場は回復に向かうと予想されます。

なお、コロナ禍を背景に自宅でのヘアケア需要が高まっており、ハイエンド製品が好調です。BLDCモーターを利用した軽量かつ大風量のヘアドライヤーの需要が増えています。
半導体の供給が滞った時期もみられましたが、高度な部材は利用していないことや、ファブレスメーカーが大量に部品を確保していたことなどから、生産やサプライチェーンに大きな支障はみられませんでした。

【参考】本記事で使用した「グローバル家電市場総調査 2023」に掲載している調査対象市場

衣住関連

  • 洗濯機/洗濯乾燥機
  • 衣類乾燥機
  • アイロン
  • 掃除機
  • ロボット掃除機
  • 浄水器
  • アルカリイオン整水器
  • 温水洗浄便座

調理関連

  • 冷蔵庫
  • 電子レンジ/電気オーブンレンジ
  • IHクッキングヒーター
  • 食器洗浄乾燥機
  • トースター
  • ジューサー/ミキサー
  • コーヒーメーカー/エスプレッソマシーン
  • フードプロセッサー/フードチョッパー
  • ホットプレート
  • ホームベーカリー
  • 電気ケトル
  • 炊飯器
  • ワインクーラー

空調/給湯関連

  • ルームエアコン
  • パッケージエアコン/ビルマルチエアコン
  • 電気給湯器
  • 換気扇
  • 扇風機
  • 空気清浄機
  • 除湿機
  • 加湿器
  • シーリングファン

美容/健康関連

  • メンズシェーバー
  • レディースシェーバー/脱毛器
  • ヘアドライヤー
  • ヘアアイロン
  • 美顔器
  • 電動歯ブラシ
  • 血圧計
  • 体重計/体組成計
  • 体温計
  • マッサージチェア

◆本記事は「グローバル家電市場総調査 2023」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。