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国内データセンタービジネス市場を調査。2027年の国内市場を4兆4,600億円(2022年見込比34.6%増)と推計

株式会社富士キメラ総研は、クラウドサービス利用の増加によってメガクラウドベンダーで需要が高まり、新規開設が急激に進むデータセンタービジネス市場を調査し、その結果を「データセンタービジネス市場調査総覧 2023年版 市場編/ベンダー戦略編」にまとめました。

この調査ではデータセンタービジネス関連市場の最新動向に加え、電気料金や建築コスト高騰に伴うハウジングサービスの価格見直しや、データセンターの再エネ電源活用といった課題についても分析しました。

「市場編」ではデータセンターサービス6品目、データセンター関連製品20品目の市場を調査・分析し、将来を予想しました。「ベンダー戦略編」ではデータセンター事業者34社(SIer系事業者、キャリア系事業者、データセンター特化系(ファシリティ/サービス)事業者)」の動向を整理するとともに、Webによるユーザーアンケート調査を行いました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「データセンタービジネス市場調査総覧 2023年版 市場編/ベンダー戦略編セット」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.データセンターサービスの国内市場

2023年
予測

2022年
見込比

2027年
予測

2022年
見込比

ホスティング

2,770億円

97.5%

2,360億円

83.1%

IaaS/
PaaS

1兆4,057億円

119.5%

1兆8,220億円

154.9%

ハウジング

6,080億円

102.4%

6,490億円

109.3%

通信回線
サービス

1,720億円

104.2%

2,000億円

121.2%

共同利用

3,790億円

99.9%

3,730億円

98.3%

その他
(SaaS他)

8,105億円

113.4%

1兆1,800億円

165.1%

合 計

3兆6,522億円

110.2%

4兆4,600億円

134.6%

データセンターサービスの市場は、クラウドサービスの利用が増加し、基盤となるデータセンターの新規開発ニーズが増すことで拡大し、2027年には4兆4,600億円になると予測されます。IaaS/PaaSやその他に含まれるSaaS/DaaSなどが市場をけん引します。

ホスティング(基本/アウトソーシング)は、プラットフォームにリソースプール型環境が実装されていないサービスを対象とします。サービスを提供するベンダーがIaaS/PaaSに注力していることから需要が減少しています。ベンダーでは新規ユーザーに対してIaaS/PaaSへの移行を推進していることもあり、今後も縮小が続くとみられます。

IaaS/PaaSはプラットフォームにリソースプール型環境が実装されているサービスを対象としています。リソースタイプが仮想共有型(仮想専有型含む)のサービスを共有型、物理占有型のサービスを占有型とします。また、ファシリティとインフラ運用を対象とし、コンサルティングやインプリメントサービスは対象外です。

近年は新型コロナウイルス感染症流行の影響でクラウドへの移行が加速したことにより、市場拡大が後押しされました。メガクラウドベンダーなどの外資系ベンダーに加え、キャリアや国内SIer(システムインテグレーター)などによるハウジング/自社ホスティングビジネスからの移行が進むことで、今後も拡大が予想されます。

共有型はメガクラウドベンダーによって市場が形成されており、運用コスト削減やシステムの拡張ニーズを中心に引き続き需要が増加しています。2023年以降もクラウド化の進展やITシステムの開発により順調な伸びが予想されます。

占有型はユーザーの要望に応じてサポートや設計の変更が可能である点が支持されています。ハウジングやホスティング(アウトソーシング)において運用されていた業務システムやプライベートクラウドの基盤に加えて、オンプレミスで運用されてきたシステムの基盤として需要が底堅く、市場は堅調に拡大するとみられます。

ハウジング(基本/アウトソーシング)はユーザーが所有するサーバー、ストレージ、ネットワーク機器などをデータセンターに持ち込み運用するサービスを対象とします。他データセンター事業者向けサービスは対象外です。IaaS/PaaSへの移行がありますが、ハウジング(基本)はハイブリッドクラウドでのシステム構築の増加、ハウジング(アウトソーシング)は、コスト面でのメリットがあり、根強い需要に支えられ2027年の市場は6,490億円が予測されます。

通信回線サービスは、ユーザー拠点向けデータセンター接続サービス、データセンター構内接続サービス、データセンター間接続サービスの3つを対象とします。ハイパースケールデータセンターを中心にセンター数が増加したことやIX/クラウドサービスのアクセスポイントとの接続需要の増加、トラフィック増強需要の増加などにより市場は拡大しています。

今後はデータセンターの新設や事業者間の協業に伴うデータセンター間接続サービスの利用増加に加え、IXやクラウドサービス、ISP/Webコンテンツプロバイダーとの接続ニーズの高まりなどにより市場拡大が予想されます。

共同利用は、同じような業務システムを構築、利用している企業/団体同士がシステムの共通化を図り、一つのシステムを複数の企業/団体で利用するものを対象とします。主なユーザーは金融業や自治体で、コスト削減を目的に利用することが多いです。

主体の銀行向けで2023年から2024年にかけて共同利用サービスへの移行を予定している銀行が複数あるため、2024年に市場が拡大するとみられます。また証券向けも利用企業が増えるため伸びが予想されます。

2024年以降には、銀行向けで構築基盤をメインフレームからオープン基盤やクラウド基盤へと移行するベンダーが増加するほか、ユーザーの統廃合で利用団体数が減少する信用金庫/信用組合向けや、ガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行達成を目指す自治体向けが縮小するため、市場は縮小していくとみられます。

その他にはSaaS/DaaSなどが含まれます。テレワークやDXの推進を目的として需要が拡大していることから、大幅な市場拡大が予想されます。

2.ハイパースケールデータセンターのラック数

2023年予測

2022年見込比

2027年予測

2022年見込比

総ラック数

13万7,970ラック

122.4%

27万2,210ラック

2.4倍

稼働ラック数

10万7,920ラック

122.4%

19万9,770ラック

2.3倍

ハイパースケールデータセンターはメガクラウドサービスの需要拡大に伴って開発が進んでいます。2022年は前年に新設された複数の施設が稼働したことにより稼働ラックが増加するとみられます。

2027年の総ラック数は27万ラック以上に上り、稼働ラック数も約20万ラックとなる予測です。DXをキーワードとしたIT投資は拡大していくとみられ、その基盤となるクラウドサービス市場を下支えするハイパーデータセンターの需要は増加することが予想され、今後新設のデータセンターはハイパースケールデータセンターが中心になっていくとみられます。

3.電気料金高騰に伴うハウジングサービス価格の動向

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調査対象としたデータセンター事業者へのヒアリングで有効回答を得られた33社の結果をまとめると上図のようになりました。

データセンターの基本的なサービスであるハウジング(リテール)は電気料金を含めた料金体系のため、電気料金の高騰はデータセンター事業の収益悪化に大きな影響を与えています。事業者にとっては価格改定の検討が必要になっていますが、値上げに踏み切れない事業者も多く、一部では短期的赤字に陥るケースもみられます。

電気料金の高騰により、2022年度で25%近い事業者がサービス価格の値上げに踏み切りました。特に、データセンター専業あるいは主事業の一つとしている事業者では、電気料金高騰が会社全体の収益に大きく影響を及ぼすため、価格を改定したケースが多くみられました。

2022年度は価格維持と回答した企業においても、2023年度には値上を実施・検討する企業が多く、2022年度に実施済みの事業者も含め、75%以上の事業者が値上げを行うとみられます。

【参考】本記事で使用した「データセンタービジネス市場調査総覧 2023年版 市場編」に掲載している調査対象市場

データセンターサービス

  • ホスティング(基本/アウトソーシング)
  • IaaS/PaaS(共有型/専有型)
  • ハウジング(基本/アウトソーシング)
  • DinD
  • 通信回線サービス
  • 共同利用
  • その他(SaaS、他)

データセンター関連製品

IT機器

  • サーバー
  • ストレージ
  • ルーター/スイッチ
  • WDM
  • メディアコンバーター
  • サーバーラック

空調機器

  • パッケージエアコン
  • ターボ冷凍機
  • チラー
  • AHU
  • 中央監視システム

電気設備

  • 無停電電源装置
  • PDU/PDP
  • インテリジェントPDU
  • バスダクト
  • DCIM
  • 非常用発電機(ディーゼル/ガスタービン)
  • 受電/変電設備

その他

  • 二重床
  • ビル型データセンター

データセンター事業者(34社)

  • SIer系事業者 16社
  • キャリア系事業者 9社
  • データセンター特化系(ファシリティ)事業者 6社
  • データセンター特化系(サービス)事業者 3社

◆本記事は「データセンタービジネス市場調査総覧 2023年版 市場編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。