株式会社富士経済は、Scope3におけるCO2排出量低減に繋がり、カーボンニュートラルへの寄与が期待される、生物由来の樹脂や原料などを使用した粘着剤・接着剤(バイオベース粘・接着剤)の市場を調査し、その結果を「バイオベース粘・接着剤の将来展望」にまとめました。
この調査では、バイオベース粘・接着剤市場の最新動向を把握し、主な用途や今後の注目用途、普及に向けた課題などを分析しました。また、企業事例として参入5社を取り上げ、開発動向や製品についてまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「バイオベース粘・接着剤の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
バイオベース粘・接着剤の国内市場
バインダーにバイオマス樹脂または生分解性樹脂を使用した粘・接着剤のうち、主成分であるモノマーに一定量のバイオマス原料を使用したものを対象とします。原料となる植物が成長する過程でCO2を吸収するため、廃棄時にCO2を排出したとしてもトータルの排出量は増加しないという考えから、カーボンニュートラルを実現する方法の一つとして注目されています。
2022年時点ではサンプルワークや、電機・電子分野の一部で採用がみられます。採用は各業界のバイオマスへの関心度にも左右されるため、カーボンニュートラルの目標を掲げるスマートフォン業界などから採用が始まり、その後は自動車業界や軟包装材業界などに採用が広がっていくとみられます。
バイオベース粘着剤は原料のバイオマス度が50%以上の製品を対象とします。2021年ごろからサンプルワークが増加し、2022年時点では電機・電子分野で粘着シートの粘着層に一部採用がみられます。
2026年以降にスマートフォンでの採用が広がることで市場が本格化し、2030年以降には自動車やラベル・軟包装で採用され拡大していくと予想されます。
大手企業が採用することで追随する企業が増えると考えられ、バイオマス化に積極的に取り組むスマートフォン業界や、自社でカーボンニュートラルの目標を設定している各業界の大手企業で採用検討が進むと期待されます。
バイオベース接着剤は原料のバイオマス度が30%以上の製品を対象とします。ポリアミド系接着剤など、元々原料が天然由来のものは対象外です。
現状、電機・電子分野で採用がみられますが、原料の選択肢が少ないことやバイオマス度を上げにくいことから開発企業が少なく、市場が本格化するのは2030年以降と予想されます。機能面では近年石油由来と競合できる製品が登場してきており、今後サンプルワークが進んでいくとみられます。
接着剤においては、バイオベース化は製品特徴の一つと捉えられています。今後はバイオ原料の使用だけではなく異種接合や硬化時間の短縮など、機能性を高めることが求められます。
今後の拡大に向けては高機能化に加え、価格面も課題の一つとなっています。現状の価格は石油由来製品と比較して粘着剤は2~5倍、接着剤は1.5~2倍程度となっており、特に国内市場は低価格化の要求が厳しいことから採用に至らないケースも多いです。また、バイオベース粘・接着剤を採用する目的をどこに置くのか(CO2排出抑制、枯渇資源の使用量削減など)を明確にしていくこともバイオ化を進める上では重要です。
【参考】本記事で使用した「バイオベース粘・接着剤の将来展望」に掲載している調査対象市場
バイオベース粘着剤
- アクリル系粘着剤
- ウレタン系粘着剤
- ポリエステル系粘着剤
バイオベース接着剤
- アクリル系接着剤
- ウレタン系接着剤
- エポキシ系接着剤
- ポリエステル系接着剤
- オレフィン系接着剤
◆本記事は「バイオベース粘・接着剤の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。