株式会社富士キメラ総研は、顧客との接点となる接客やカスタマーサポート、あるいは顧客体験(CX:Customer Experience)などを向上させることから、今後ますます重要視される顧客接点/CX関連ソリューション(製品・システム・サービス)の国内市場を調査しました。その結果を「顧客接点・CX変革ソリューション市場分析 2023年版」にまとめました。
この調査では、接客やカスタマーサポート、DM、Webサイトやスマホアプリなど企業と顧客の接点強化で活用されるソリューション、デジタル活用により収集された顧客情報の有効利用を推進するソリューション計22品目の市場(ソフトウェア、インフラ、SI含む)の現状を把握し、将来を予想するとともに、ソリューションベンダー18社の動向を整理しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「顧客接点・CX変革ソリューション市場分析 2023年版」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
顧客接点/CX関連ソリューションの国内市場
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2023年度見込 |
2022年度比 |
2027年度予測 |
2022年度比 |
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データプラットフォーム |
3,052億円 |
110.6% |
4,051億円 |
146.8% |
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オンライン接点 |
5,662億円 |
114.7% |
7,814億円 |
158.3% |
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マーケティング |
1,109億円 |
106.9% |
1,464億円 |
141.2% |
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営業/販売 |
847億円 |
112.6% |
1,201億円 |
159.7% |
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カスタマーサービス |
1,380億円 |
106.4% |
1,700億円 |
131.1% |
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合 計 |
1兆2,050億円 |
111.8% |
1兆6,230億円 |
150.5% |
コロナ禍を経て、消費者が自動対応やオンラインでのやり取りに慣れたことで、デジタル活用が浸透し、これにより情報の収集や分析が進展しました。また、顧客に関する幅広い情報の共有/連携によるサービス品質の向上や、リアルタイムの行動データなどの活用によるアプローチやマーケティングも行われています。収集情報が活用されることにより、CXの改善に伴う顧客育成、売上拡大などが期待され、企業の事業改善手段の一つとして顧客接点/CX改善が進むことで、市場は拡大していくとみられます。
2023年度の市場は前年度比11.8%増の1兆2,050億円が見込まれます。デジタル活用/OMO(Online Merges with Offline)の取り組みの一端として、オンラインでの顧客接点となるWebサイトやECサイト、スマートフォンアプリなどを再整備する動きが活発化しています。
今後は、データプラットフォームやオンライン接点などが中心となり、市場は拡大するとみられます。製品間で連携しやすいSaaSの活用や、顧客接点/CXの再定義も含めたコンサルティングや導入後の活用支援などサービスニーズが増え、2027年度の市場は2022年度比50.5%増の1兆6,230億円が予測されます。
データプラットフォーム
営業やカスタマーサービス業務での利用が進められてきたCRM(営業系、カスタマーサービス系)が市場の中心です。CRMは高機能化や機能統合が進み、SaaSを中心に安定した伸びが予想され、今後も市場をけん引するとみられます。
CDP(Customer Data Platform)/プライベートDMP(Data Management Platform)やCXM(Customer Experience Management)なども高い伸びが期待されます。CDP/プライベートDMPは、業務やシステムを横断した顧客データの集約/統合を進めるためのハブとして、CXMは、顧客の声の収集や活用のためのプラットフォームとして伸長するとみられます。
オンライン接点
顧客接点のチャネルとしてWebサイトやスマートフォンアプリなどの活用が継続して取り組まれているため、アプリケーション構築基盤の市場規模が大きいです。顧客接点/CX改善に向けた取り組みの中で、リアルタイムでの顧客行動の活用を目的とした顧客情報の収集基盤として、Webサイトやスマートフォンアプリの改善、コンテンツの整備などが行われていることから、今後も市場拡大が予想されます。コロナ禍以降、デジタルチャネルの利用が増加しており、オンライン接客やSMS配信サービスなども伸びています。
マーケティング
顧客の個別の状況に合わせた広告展開/アプローチが可能になると期待されており、市場は堅調に拡大しています。マーケティングオートメーションは一時期のブームは落ち着きましたが、安定した需要により高成長が期待されます。また、市場規模の大きいDSP(Demand-Side Platform)は、広告出稿の管理・最適化を行う製品であり広告配信のハブの一つとして堅調な伸びが予想されます。
営業/販売
ECサイト構築基盤が市場をけん引しています。コロナ禍を契機として、ECサイト構築ニーズの拡大や企業のマルチチャネルでの販売戦略強化により利用が増加しています。今後も、OMOやヘッドレスコマースなどをキーワードとして周辺機能の拡充に向けた取り組みが進むとみられ、活発な市場拡大が期待されます。また、CRMとの連携で情報収集の効率化や営業業務の利便性向上につながり、名刺管理やオンライン商談なども伸びが期待されます。
カスタマーサービス
テレフォニー基盤が市場の中心ですが、すでに利用が一般的であり、パッケージからSaaSへの移行がみられます。自動化については、チャットボットによりテキストでのコミュニケーション自動化が先行し、伸びています。ボイスボットは、現状はシンプルな業務の効率化/自動化のみですが、将来的にコミュニケーション機能の自動化/普及が進むことで、大幅な伸長が期待されます。セキュリティ面など検証が進められているChatGPTなどの生成AIを各製品の機能に取り込むことでさらなる市場拡大の加速が期待されます。
◆注目個別市場サマリー
1.ボイスボット
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2023年度見込 |
2022年度比 |
2027年度予測 |
2022年度比 |
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62億円 |
131.9% |
167億円 |
3.6倍 |
音声通信での顧客からの問合せに対し、自動応対や申請/予約の受付完了を目的とするボイスボットを対象としました。市場はSaaSによるボイスボットと導入に際した開発/構築や、運用フェーズにおける音声認識/音声合成および対話エンジンのチューニングなどの運用支援サービスなどを含みます。
ボイスボットは、主にコールセンターへの問合せ対応の自動化によるオペレーターの負担削減を目的に利用が増えており、コロナ禍で自治体が「LINE AiCall」を活用したことにより、知名度が高まりました。
ボイスボットの活用により、オペレーター人員不足解消や業務負担軽減、オペレーター対応できなかった際の営業機会の損失回避ができるほか、オペレーターの労働時間外なども顧客対応を行え、顧客満足度向上が期待されることから、市場が拡大しています。
コロナ禍の収束による飲食業やホテル業、観光業への問合せ増もみられ、これらの業種での導入増加が今後有望視されることから、特定業種向けの特化型ボイスボットの開発や市場参入が期待されます。認知度向上を図る各ベンダーの取り組みにより、ユーザーニーズが顕在化、需要が増加することで2027年度の市場は2022年度比3.6倍の167億円が予測されます。
2.CXM(Customer Experience Management:顧客体験管理)
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2023年度見込 |
2022年度比 |
2027年度予測 |
2022年度比 |
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44億円 |
129.4% |
102億円 |
3.0倍 |
顧客からの自社の商品/サービスについての評価を定量的に測るプラットフォームであり、継続的なモニタリング/調査を目的として、顧客へのWebアンケートの配布、回答回収、分析などの機能を持つ製品と、調査設計から分析までのコンサルティング、作業代行など支援サービスを対象としました。
商品/サービスの改善を目的とした活用のほか、顧客ロイヤルティ向上が重要視されていることにより、顧客関係の継続性を評価するため、顧客満足度などを定量的、継続的、リアルタイムに収集するニーズが拡大しています。
自社の商品やサービスに対する顧客評価を収集/分析し、改善へつなげていく取り組みは、企業が自社の事業戦略や投資領域を策定/実行する根拠となるため、その有効な手段としてCXMが注目を集めています。また、必要性を認識した企業からのニーズは大きく、調査案件数の増加、スポット案件から継続案件へのシフトが続き、2027年度の市場は2022年度比3.0倍の102億円が予測されます。
【参考】本記事で使用した「顧客接点・CX変革ソリューション市場分析 2023年版」に掲載している調査対象市場
製品・システム・サービス市場
データプラットフォーム
- CDP/プライベートDMP
- CRM(カスタマーサービス系)
- テキストマイニング
- CRM(営業系)
- CXM
オンライン接点
- アプリケーション構築基盤
- オンライン接客
- SMS配信サービス
- CMS
- CPaaS
マーケティング
- DSP
- マーケティングオートメーション(BtoB)
- マーケティングオートメーション(BtoC)
- メール配信プラットフォーム
営業/販売
- ECサイト構築基盤
- 名刺管理
- オンライン商談
カスタマーサービス
- テレフォニー基盤
- ボイスボット
- 有人チャット管理
- チャットボット
- FAQナレッジ管理
ソリューションベンダー
- コンサルティングベンダー(2社)
- CX特化ソリューションベンダー(6社)
- SIベンダー(6社)
- ISV(4社)
◆本記事は「顧客接点・CX変革ソリューション市場分析 2023年版」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。