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水処理膜やイオン交換樹脂の市場を調査。2030年の世界市場を予測

株式会社富士経済は、人口増加や都市化・工業化、それに伴う水域汚染や水資源の枯渇を背景に、安定した水資源の確保に対するニーズが高まっていることから注目される水処理関連の市場を調査しました。その結果を「2023年版 水資源関連市場の現状と将来展望」にまとめました。

この調査では、水処理膜3品目、水処理薬品4品目、水処理部材5品目、水処理装置・プラント10品目、水処理関連サービス3品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023年版 水資源関連市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.水処理関連24品目の国内市場

2023年見込

2022年比

2030年予測

2022年比

水処理膜

153億円

104.1%

177億円

120.4%

水処理薬品

1,350億円

106.7%

1,276億円

100.9%

水処理部材

346億円

103.6%

395億円

118.3%

水処理装置・プラント

1,224億円

110.8%

1,277億円

115.6%

水処理関連サービス

796億円

108.0%

1,109億円

150.5%

合 計

3,869億円

107.8%

4,235億円

118.0%

※市場データは四捨五入しています

新型コロナの影響が収まり、市場は活性化しています。特に、エレクトロニクス分野は世界的な半導体需要の高まりにより、設備投資が活発化したことで水処理需要が増加しています。今後は水処理膜や水処理サービスなど、事業活動において水資源への影響を最終的にゼロにするウォーター・ニュートラルの実現に向けて、水使用のライフサイクルにおける負荷低減に関連する市場の拡大が期待されます。

2.エレクトロニクス分野における水処理装置・EPCサービスの国内市場

2023年見込

2022年比

2030年予測

2022年比

用水処理

1,230億円

115.5%

1,700億円

159.6%

排水処理

504億円

115.6%

712億円

163.3%

合 計

1,734億円

115.5%

2,412億円

160.7%

半導体や電子部品、ディスプレイ関連や、家電製品、配線器具などの電気機器器具、情報通信機器の工場を対象とします。

エレクトロニクス分野は、設備投資が活発であることや付加価値の高い水処理技術が導入されていることもあり、市場が活性化しています。モバイル機器やデジタル家電の需要拡大、自動車の電装化・電動化、5G通信の普及、クラウドサービスの拡大に伴うサーバーやデータセンターでの需要増加などを背景に、設備投資が活発化しており、純水・超純水をはじめとする水処理デバイス、装置、プラント市場は、2020年以降拡大しています。今後も好調な半導体需要により、用水・排水処理ともに高い伸びが予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.水処理膜

市場

2023年
見込

2022年比

2030年
予測

2022年比

MF膜/
UF膜

世界

724億円

104.0%

963億円

138.4%

国内

43億円

104.9%

45億円

109.8%

MBR用膜

世界

731億円

106.3%

1,136億円

165.1%

国内

39億円

102.6%

46億円

121.1%

RO膜/
NF膜

世界

1,681億円

107.2%

2,687億円

171.4%

国内

71億円

104.4%

86億円

126.5%

合 計

世界

3,136億円

106.2%

4,786億円

162.1%

国内

153億円

104.1%

177億円

120.4%

MF膜/UF膜

世界市場は、2022年は中国を含めたアジアの新興国の一部で都市封鎖や施工遅延・サプライチェーンの混乱による影響が残りましたが、全体的には公共・民間案件ともに復調し、さらに安全意識(水セキュリティ)が高まったことなどから市場は拡大しました。2023年は、工業化・都市化により水インフラの整備が進み、投資意欲も回復していることから需要は堅調に増えています。今後も水セキュリティへの意識向上や排水リサイクルといったSDGsに関連するニーズが高まることから、市場拡大は続くとみられます。

国内市場は、施設・設備向けのリプレース需要が中心である。減産・設備稼働率低下などにより需要縮小が続く分野もみられますが、エレクトロニクスや食品・飲料などの分野で新規案件が好調なことから、市場は拡大しています。今後も一定のリプレース需要を中心に市場拡大が続くと予想されます。

MBR用膜

世界市場は、2022年は需要が大きい中国で都市封鎖や施工遅延、物流混乱が続いたほか、米中貿易摩擦により民需の設備投資が低調でしたが、北米市場が活況だったことや、世界的に水への安全意識(水セキュリティ)が高まったことなどから、市場はコロナ禍前の2019年を上回る規模に拡大しました。2023年は工業化・都市化による水インフラの整備や投資増加により、引き続き市場拡大が予想されます。世界的に水セキュリティの重要性が増しているほか、MBRを含む排水の高度処理が新興国においても普及していることから、今後も市場は拡大するとみられます。

国内市場は、下水処理場と食品・飲料をはじめとする民間工場向けの案件が多く、大型の下水処理場でも採用が進んでいます。また、先行してMBRが普及したことからリプレース需要があり、海外メーカーの廉価品の流通も限られているため安定しています。また、製造業の国内回帰もプラス要因となり、市場拡大が続くとみられます。

RO膜/NF膜

世界市場は、2022年はサプライチェーンの見直しにより生産拠点の分散化が進み、先進国においても新設・増設需要が高まったことに加え、中国は都市封鎖や生産拠点の海外移転の影響を受けましたが、内需回復によって伸びたことから、市場は拡大しました。2023年は市場をけん引してきた中国の伸びが鈍化しますが、世界的には海水淡水化プラントをはじめとする大型案件の稼働や半導体工場向けが好調なことから、市場拡大が予想されます。今後も水不足による水リサイクルの世界的な推進により、高品質な再生水の処理には欠かせないRO膜/NF膜の需要は増加するとみられます。

国内市場は、水資源が比較的豊富にあるため、公共水道での需要はごく限られた地域のみであり、排水再利用の導入事例も限定的でした。近年、エレクトロニクス分野で工場新設や設備投資が相次いで計画されているため、今後は水リサイクル向けで需要増加が期待されます。

2.イオン交換樹脂(水処理用)の世界市場

2023年見込

2022年比

2030年予測

2022年比

1,643億円

109.8%

2,158億円

144.2%

イオン交換樹脂(水処理用)は、超純水・純水の製造や脱塩化処理、水中に含まれるマグネシウムイオンやカルシウムイオンを取り除く軟化処理、排水中の重金属の除去やレアメタルの回収などに使用されています。

2021年は各産業で新型コロナの影響を受け、設備稼働率の低下や設備投資計画の延期・凍結がみられましたが、主要需要地における安定したリプレース需要や、さらにはエレクトロニクスや製薬・医薬をはじめとする高純度な水質を要求する分野で、高グレード品の需要が旺盛であったため、市場は拡大しました。2022年は原材料の調達価格の高騰と供給不足、その他物流遅延・混乱などの影響を受けましたが、各産業でアフターコロナの反動需要や原材料費高騰の価格転嫁が進んだことで、引き続き市場拡大となりました。

2023年もエレクトロニクス分野の旺盛な需要により、引き続き市場拡大が予想されます。今後も、様々な分野における一定のリプレース需要や、エレクトロニクスや製薬・医薬、エネルギーなどの設備投資が旺盛な分野の新規需要増加に伴い、長期的に市場拡大が続くとみられます。

【参考】本記事で使用した「2023年版 水資源関連市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場

水処理膜

  • 精密ろ過膜(MF膜)/限外ろ過膜(UF膜)
  • 逆浸透膜(RO膜)/ナノろ過膜(NF膜)
  • MBR(膜分離活性汚泥法)用膜

水処理薬品

  • ボイラ・冷却水用薬品
  • 水殺菌・消毒用薬品
  • 無機凝集剤
  • 高分子凝集剤

水処理部材

  • 活性炭
  • イオン交換樹脂
  • EDIスタック(電気再生式イオン交換装置)
  • キレート樹脂/液体キレート剤
  • 微生物固定化担体

水処理装置・プラント

  • 純水製造装置・システム
  • 超純水製造装置・システム
  • オゾン発生装置(オゾナイザ)
  • 紫外線照射装置
  • 超微細気泡散気装置
  • 脱水機
  • 浄化槽
  • 嫌気処理システム(UASB/EGSB)
  • 海水淡水化装置・プラント
  • リン回収システム

水処理関連サービス

  • 純水・超純水供給サービス
  • クラウド型上下水道遠隔監視・制御システム
  • 地下水利用システム/サービス

◆本記事は「2023年版 水資源関連市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。