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製造業のDX化に関する市場(デジタルファクトリー関連市場)を調査。2025年の世界市場を6兆6,393億円(2020年比55.0%増)と推計

株式会社富士経済は、ニューノーマルな社会環境に対応するために、設計・生産・販売の各部門においてシステム・ソリューションの新規導入やレガシーシステムからの刷新による新たなモノづくりへの変革を目指す、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に関する世界市場(デジタルファクトリー関連市場)について調査しました。その結果を「2021年版 DIGITAL FACTORY関連市場の実態と将来展望」にまとめました。

この調査では、設計・販売・計画システム・ソリューション10品目、生産現場システム・ソリューション7品目、PA(Process Automation)システム・ソリューション7品目、ネットワーク・セキュリティ6品目、関連サービス(Service)5品目の市場の現状を調査し、将来を予想しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年版 DIGITAL FACTORY関連市場の実態と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

デジタルファクトリー関連の世界市場

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

設計・販売・
計画システム・
ソリューション

1兆7,652億円

108.1%

2兆5,537億円

156.4%

生産現場
システム・
ソリューション

1,782億円

134.3%

3,567億円

2.7倍

PAシステム・
ソリューション

1兆9,792億円

102.0%

2兆1,976億円

113.3%

ネットワーク・
セキュリティ

2,640億円

127.4%

5,331億円

2.6倍

関連サービス
(Service)

4,567億円

123.0%

9,982億円

2.7倍

合 計

4兆6,433億円

108.4%

6兆6,393億円

155.0%

2020年は新型コロナウイルス感染症の流行による市場への影響が懸念されましたが、製造業におけるDXニーズの高まりが追い風となり、市場が拡大しました。2021年以降はテレワークへの対応などによるDX進展とともに、サプライチェーンの見直しなど新たな課題があらわれており、設計・生産・販売をはじめとする各部門においてシステム・ソリューションの新規導入・刷新・拡張・連携を進め、モノづくり全体のフローやプロセスを再構築する動きが活発化しています。DXニーズのさらなる高まりを背景に、シームレスにつながる工場の構築・稼働が加速し、市場は拡大を続けるとみられます。

設計・販売・計画システム・ソリューションは、新型コロナ流行を契機としたDXニーズの高まりにより市場が拡大しています。新たなモノづくりに向けた仕組み作りとして、各品目での単体システム・ソリューションの導入・更新・拡張に加え、システム・ソリューションの連携が本格化しています。新たなモノづくりプラットフォームの構築に向けた動きはさらに本格化し、今後も市場拡大が予想されます。特に、PDM/PLMやサプライチェーン見える化プラットフォーム(製造業向け)、ローコードプラットフォーム(製造業向け)などの成長率が高いです。

生産現場システム・ソリューションは、DXニーズの高まりを背景に業務の効率化や最適化・自動化を主目的とした生産現場のデジタル・IT化が加速しており、市場拡大が続いています。可視化、遠隔対応、予測・予兆など生産現場における様々な課題の解決に向け、各システム・ソリューションの導入が進んでいるとともに、エリアや業界、企業規模を問わず導入ユーザーのすそ野が広がっていることも市場拡大を後押ししています。今後、多品種少量・変種変量生産への対応に向け、このカテゴリーの需要はさらに増加するとみられます。特に、スマートグラスやARプラットフォーム、ロボット遠隔ソリューションなどの伸びが期待されます。

PAシステム・ソリューションは、2020年において新型コロナ流行の影響による設備投資の減少に伴い市場は縮小しましたが、2021年は落ち込みの大きかったDCS(Distributed Control System)や安全計装システムが回復に向かうことから前年比2.0%増が見込まれます。今後、プロセスシミュレーターはオイル&ガス関連の投資回復に伴い需要が増えるとともに、現実の世界から収集した様々なデータをコンピュータ上で再現するデジタルツインの中核製品として伸びが期待されます。LIMS(Laboratory Information Management System)やQMS(Quality Management System)は製薬などライフサイエンス分野での着実な需要増加とともに、化学や食品分野で採用拡大が期待されます。設備保全管理システムはプラントの設備保全におけるデジタル化に不可欠な製品として、また、安全対策ソリューションは作業員の安全確保を目的として需要増加が予想されます。

ネットワーク・セキュリティは、Wi-Fiなどの無線規格を採用した機器同士の相互連携や制御の高度化のためにFA無線システムが普及してきましたが、近年はより広いエリアで多くの機器の制御を遅延なく行う、また、遠隔制御ニーズに対応することを目的に、工場向けセルラー基地局の需要が急増しています。加えて、ネットワーク化の進展に伴い、外部からのサイバー攻撃やIoT機器のウイルス感染、障害による生産設備の停止リスクへの対処などの必要性が高まっており、制御システム向けファジングツールやFA UTM/次世代ファイアウォールは今後も堅調に伸びるとみられます。

関連サービス(Service)は、米中貿易摩擦やサイバー攻撃など生産体制維持・継続に関わる脅威の顕在化により、IoTを活用した生産現場の全体最適化を図る動きが加速し、モノづくりの変革ニーズに適したサービスの利用が拡大してきました。2020年前半は投資が抑えられていましたが、後半はテレワーク環境に適した提供形態やメニューの拡充により、クラウドサービス(製造業向け)やオンデマンド部品調達プラットフォームなどが順調に伸びました。2021年以降、新型コロナ流行を契機に従来の生産体制を見直す動きがさらに強まるとみられ、各サービスの需要が増加するとみられます。

◆注目個別市場サマリー

1.PDM/PLM

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

1,860億円

112.7%

2,790億円

169.1%

PDM(Product Data Management)は、設計・開発段階でのCADデータなどの製品データに関するドキュメントファイルを一元管理する情報管理システム、PLM(Product Lifecycle Management)は設計・開発段階に限らず、製品企画からアフターサポートまでの製品ライフサイクルを関連づけながら、設計情報や人員情報などの情報を一元管理し、業務に応じた情報を提供するシステムを対象とします。

新型コロナ流行を契機としたDX化ニーズの高まりを背景に、市場は拡大しています。レガシーシステムからの刷新やクラウドへの移行、テレワークへの対応、設計情報に関するデータベースの整理、バーチャルでの検証や試作レスなど、製造業におけるデジタル化へのユーザー意識の向上が需要増加を後押ししています。今後もデジタル化の進展に向けた設備投資の増加を受け、幅広いエリアや業種で採用拡大が期待されます。

採用分野をみると、電機・電子関連分野において、テレワークの増加に伴うノートPCやタブレット端末の好調を受け、半導体や電子部品、家電関連で需要が増えています。自動車分野ではグローバル連携や複数拠点連携を目的に安定した需要がみられます。また、医療機器や医薬品などのライフサイエンス分野は新型コロナ流行に伴い、採用が増えています。エネルギー分野では、設備データや部品交換時などの部品管理を一元化する目的で需要が徐々に増加しています。

エリア別では、欧米で大企業を中心に設計・開発部門へのPLM導入が一般化しており、3D CADとのセット導入が多くみられます。日本では大企業を中心にテレワークへの対応やデジタルエンジニアリングの環境構築に向けた設計情報のデータベース整理などを目的とした需要が増えています。また、近年は中国での需要増加が目立っています。今後はインドや東南アジアでの採用拡大も期待されます。

2.統合計画ソリューション(製造業向け)

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

900億円

111.1%

1,420億円

175.3%

販売、需要、供給、生産、調達、在庫など製造に関連する一連の業務に対する計画ソリューションを構成するパッケージソフトウェアを対象とします。

新型コロナ流行の影響により、製造業においてより効率的な業務・生産が要求されるようになり、サプライチェーン全体における業務フローの計画最適化に対する意識が高まっています。このような流れとともに、統合計画ソリューションはERP(基幹システム)との連携強化や、ERPの刷新に対応したサプライチェーンの再構築を目的に世界的な需要増加が期待され、2025年には2020年比75.3%増が予測されます。

幅広い分野で採用が進んでいます。自動車や電機・電子関連分野では、複雑なサプライチェーン構造に対応した最適なプランニングへのニーズが高く、需要増加につながっています。食品分野は需要と供給のバランスが要求されるため、サプライチェーン最適化への意識が高く、採用が拡大しています。また、ライフサイエンス分野の医薬品関連では、新型コロナ流行を受けたサプライチェーン網の強化に向けて、需要が増えています。

エリア別では、生産拠点がグローバルに点在する企業が多い欧米で、サプライチェーンの再構築や計画の最適化に対する取り組みが加速しており、需要増加が顕著です。日本や中国をはじめとするアジアでも、採用が徐々に増えており、今後の需要本格化が期待されます。

【参考】本記事で使用した「2021年版 DIGITAL FACTORY関連市場の実態と将来展望」に掲載している調査対象市場

設計・販売・計画システム・ソリューション

  • PDM/PLM
  • 機械系3D CAD・CAM
  • ラインシミュレータ
  • MES
  • IoTプラットフォーム(製造業向け)
  • ERP(製造業向け)
  • 統合計画ソリューション(製造業向け)
  • CPQ
  • サプライチェーン見える化プラットフォーム(製造業向け)
  • ローコードプラットフォーム(製造業向け)

生産現場システム・ソリューション

  • ダッシュボード(製造業向け)
  • SCADA(製造業向け)
  • 生産スケジューラ
  • AIシステム(製造業向け)
  • スマートグラス
  • ARプラットフォーム
  • ロボット遠隔ソリューション

PAシステム・ソリューション

  • DCS
  • 安全計装システム
  • プロセスシミュレータ
  • LIMS
  • QMS
  • 設備保全管理システム
  • 安全対策ソリューション

ネットワーク・セキュリティ

  • FAフィールドネットワーク
  • FA無線システム
  • PAフィールドネットワーク
  • FA UTM/次世代ファイアウォール
  • 制御システム向けファジングツール
  • 工場向けセルラー基地局

関連サービス(Service)

  • クラウドサービス(製造業向け)
  • 設備リスクアセスメント策定受託サービス
  • 工場向けBCM/BCP策定・訓練サービス
  • オンデマンド部品調達プラットフォーム
  • 工場シェアリング

◆本記事は「2021年版 DIGITAL FACTORY関連市場の実態と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。