株式会社富士経済は、車室内の快適性向上ニーズの高まりにより、さらなる高機能化が求められる自動車内装部品、内装材の世界市場を調査し、その結果を「2022年 自動車内装部品・内装材と快適性向上技術の将来展望」にまとめました。
この調査では、内装部品12品目、内装材16品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。また、内装部品メーカー事例として10社の動向を捉えました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2022年 自動車内装部品・内装材と快適性向上技術の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.自動車内装部品の世界市場
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 5兆5,772億円 | 98.7% | 6兆6,715億円 | 118.1% |
2020年の市場は前年比15.7%減の5兆6,479億円となりました。最も規模が大きいのは市場の約6割を占めるシートで、次いでドアトリムです。2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響により自動車生産台数が減少したことから内装部品も連動し、市場は大幅に縮小しました。2021年の前半は自動車市場が回復基調ではありますが、後半は世界的な半導体不足や新型コロナ流行による東南アジアでの半導体および自動車部品工場の稼働率低下により自動車生産台数が急減し、市場は前年比1.3%減が見込まれます。2022年に市場は拡大に転じますが、新型コロナ流行前である2019年の市場規模に回復するのは2025年以降と予想されます。
シート
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 3兆2,748億円 | 98.8% | 3兆9,425億円 | 119.0% |
2020年は新型コロナの影響で自動車生産台数が大きく落ち込んだため、市場は大幅に縮小しました。2021年は後半に、半導体不足や東南アジアにおいて半導体および自動車部品工場の稼働率が低下したことにより自動車生産台数が急減したことから引き続き市場縮小が予想されます。2022年以降、自動車生産台数の増加に連動して市場は拡大に向かうとみられます。将来的にはコンパクトカーにおいてシート位置や高さ、背もたれの角度などを電動で制御する「普及型パワーシート」の搭載が進むとみられ、高機能製品の採用増加が期待されます。
ルーフトリム
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 1,888億円 | 98.0% | 2,134億円 | 110.8% |
ルーフトリムは自動車天井内装側に設置する部品であり、加飾、断熱、吸音、乗員保護を目的としています。近年、吸音性の向上や軽量化を背景にウレタン基材の採用が増加しています。
2020年は新型コロナの影響により各地で自動車生産が縮小されたことから、市場は前年比二桁減となりました。2021年も引き続き市場は縮小しますが、2022年は半導体不足の解消による自動車生産の回復から、市場は拡大に転じるとみられます。2023年以降は世界的な自動車生産台数の増加に伴い、堅調な需要増加が予想されます。
フロアカーペット
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 1,587億円 | 97.8% | 1,837億円 | 113.3% |
フロアカーペットは自動車ボディ床面に敷くカーペットで、意匠性や静粛性を兼ね備えた製品です。また、防音性に優れ、主にロードノイズの車室内への進入を防ぎます。表皮材では抗菌、消臭といった衛生対策のニーズが高まっており、特にシェアカー向けで需要増が期待されます。
2020年は自動車生産台数が減少したことから市場は縮小しました。2021年は、後半に半導体不足や新型コロナ流行の影響による部品工場の稼働率低下により自動車の生産台数が減少しているため、市場は前年比2.2%減が見込まれます。2022年以降、自動車生産台数の増加を背景に市場は回復に向かうとみられます。特に、今後普及が進む電動車はロードノイズが目立つことから対策が要求され、吸遮音材を用いた製品の需要増が期待されます。
2.自動車内装材の世界市場
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 6,450億円 | 99.6% | 7,739億円 | 119.5% |
※表皮材、リサイクルプラスチックは日本市場を対象とします
2020年の市場は前年比14.8%減の6,476億円となりました。表皮材、吸音材、遮熱材、内装用塗料・接着剤などは内装部品の複数箇所で使用され、採用実績も多いことから構成比が高いです。2020年は内装部品と同様、市場は大幅に縮小しましたが、リサイクルプラスチックは環境配慮型製品の普及やカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの強化から伸長しました。2021年も引き続き自動車生産台数が減少することから市場は微減が予想されます。2022年に市場は拡大に転じますが、2019年の市場規模に回復するのは2025年以降と予想されます。
リサイクルプラスチック
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 113億円 | 120.2% | 234億円 | 2.5倍 |
※日本市場を対象とします
従来原価低減を目的とした採用が多かったですが、近年は環境配慮型製品の普及やカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの強化から環境対策として引き合いが強まっています。2020年の前半は新型コロナ流行の影響により需要が減少しましたが、緊急事態宣言が解除された後半は自動車生産の反動増によって需要が増加し、市場は前年比13.3%増となりました。2021年も日本政府がカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを積極化したことで需要が高まっており、市場は続伸が予想されます。自動車メーカーや自動車部品メーカーはCO2排出量削減の手法として、リサイクル素材の活用や研究開発に取り組んでおり、今後も市場拡大が期待されます。
天然繊維複合材・リサイクル繊維
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 86億円 | 102.4% | 117億円 | 139.3% |
天然繊維の中でも「麻」と総称されるヘンプ、ケナフ、フラックスなどの靭皮繊維を使用した天然繊維複合材と、ペットボトルや漁網、衣料品などを再利用したリサイクル繊維を対象とします。
CO2排出量の削減や軽量化、車両ブランド価値向上を背景に欧州を中心に需要が増加していています。2020年はEV向けでシートやフロアカーペットに採用されるリサイクル繊維は伸びましたが、新型コロナ流行の影響による自動車工場の稼働率低下により天然繊維複合材の販売が落ち込んだことから、市場は縮小しました。2021年は天然繊維複合材を採用した欧州自動車メーカーの自動車生産台数が増加し、市場は拡大に転ずるとみられます。また、カーボンニュートラルへの取り組みの一環として天然繊維への引き合いが強まっています。
今後はCO2排出量の削減目的や環境保護に関心の強い顧客層へのブランド価値向上のアピールとして、天然繊維複合材やリサイクル繊維の需要増加が期待されます。
吸音材
| 2021年見込 | 2020年比 | 2025年予測 | 2020年比 |
| 991億円 | 98.4% | 1,162億円 | 115.4% |
吸音材はエンジン音などに対する防音対策として使用され、フロアカーペットやダッシュボード、エンジンルーム周辺、ルーフ、タイヤ周辺などに幅広く採用されています。2020年は車室内の静粛性向上ニーズの高まりに伴い、フェンダーライナーなど採用部位が増加しましたが、新型コロナの流行による世界的な自動車減産の影響により市場は大幅に縮小しました。2021年も引き続き自動車生産台数は減少することから市場は前年比1.6%減が見込まれます。今後は自動車生産台数の増加に加え、車室内の静粛性向上を目的に吸音材を用いた「吸音フェンダーライナー」の採用増加が期待されることから、市場は堅調に拡大すると予想されます。
【参考】本記事で使用した「2022年 自動車内装部品・内装材と快適性向上技術の将来展望」に掲載している調査対象市場
内装部品
- ルーフトリム
- ドアトリム
- シート
- インストルメントパネル
- フロアカーペット
- ダッシュインナーインシュレーター
- エアコンフィルター
- トランク・ラゲッジサイドトリム
- サンバイザー
- ピラーガーニッシュ
- コンソールボックス
- 殺菌装置
内装材
- 表皮材
- 吸音材
- 制振材
- 遮熱材
- 消臭剤
- 防汚剤
- 抗菌剤・抗ウイルス剤
- 内装用塗料
- 内装用接着剤
- 内装用テープ
- 良触感樹脂
- ソフトフィール塗料
- リサイクルプラスチック
- 天然繊維複合材・リサイクル繊維
- CNF複合材
- バイオポリカーボネート
◆本記事は「2022年 自動車内装部品・内装材と快適性向上技術の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。