株式会社富士経済は、自動車関連の設備投資回復や車載・デジタル機器などに関連した半導体需要の増加、物流関連の人手不足による自動化ニーズへの対応などから注目が集まる画像処理システムの世界市場を調査しました。その結果を「2022年版 画像処理システム市場の現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、AI・ディープラーニング応用製品2品目、単体機器18品目、検査アプリケーション13品目、物流・ロボティクス3品目、観察・測定関連機器5品目を対象とし、2024年に向けた画像処理システム市場を展望しました。
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◆当該資料の全体サマリー
画像処理システム世界市場
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2021年見込 |
2020年比 |
2024年予測 |
2020年比 |
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AI・ディープ |
192億円 |
154.8% |
811億円 |
6.5倍 |
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単体機器 |
6,079億円 |
114.2% |
7,652億円 |
143.8% |
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検査 |
3,681億円 |
111.6% |
4,728億円 |
143.4% |
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物流・ |
431億円 |
113.1% |
813億円 |
2.1倍 |
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観察・ |
1,703億円 |
114.4% |
2,048億円 |
137.5% |
AI・ディープラーニング応用製品は、従来のルールベースの装置では対応が難しい画像処理や、検出プログラミング工数が多いランダムな傷やムラの発見に適しており、注目が集まっています。新型コロナウイルス感染症流行の影響によりPoC(概念実証)が長期化しているため、伸び率は鈍化していますが、2021年の市場は54.8%増が見込まれます。
今後は、外観検査向けで普及が進むほか、アプリケーションに特化したライブラリを提供することで少ない学習工数かつ高い認識精度で運用できる点が受け入れられ、ディープラーニング活用型画像処理ソフトウエアがけん引することで、2024年の市場は2020年比6.5倍が予測されます。
2021年の単体機器は、前年比14.2%増が見込まれます。処理装置は自動化ニーズにより各品目とも好調で特に画像処理装置(筐体型)は物流関連の旺盛な需要が市場をけん引しています。また、カメラは設備投資が回復に向かっていることから伸びており、産業用CIS、3Dラインプロファイルカメラなどが注目されています。
半導体不足の影響が懸念されますが、物流関連の自動化やEV生産への設備投資増加、車載電装品など電子部品関連の需要増加によって堅調に推移し、2024年の市場は7,652億円が予測されます。
2021年の検査アプリケーションは、基板実装関連でAXIがX線検査の義務化で欧州を中心に伸長しています。また、設備投資増加に伴って自動車関連や食品・薬品関連が回復に向かっており、前年比11.6%増が見込まれます。
今後、自動車関連は目視検査の置き換えとして伸びるほか、農作物など食品関連は各国のHACCP導入による検査の厳格化で、また健康サプリメントの需要増加に伴う検査機器の増強などを要因として伸長し、2024年に向けて市場は拡大すると予想されます。
物流・ロボティクスは新型コロナの影響によるEC市場拡大に伴う配送量の増加で、人手不足が深刻化しているため、自動化に向けた設備投資が進んでいることから、2021年は市場拡大しています。
AI画像認識活用物流システムはAI活用により精度の高い仕分けやピッキングが可能であり、米州や中国を中心に導入が増加するとみられます。また、Visual SLAMは、スタートアップ企業を中心に展開され、ロボティクスや自動車関連の案件が活発化しています。
2021年の観察・測定関連機器は、主に半導体や電子部品関連で伸びています。特に、共焦点レーザー顕微鏡(工業用)は、従来は測定が困難であった対象物の測定が可能となるため、需要が増えるとみられます。
今後は、EVや5G通信の普及に伴う半導体や電子部品関連の研究開発、品質管理向けの需要増加が期待され、観察・測定関連機器の導入が進むことで、2024年には2020年比37.5%増が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.3Dラインプロファイルカメラ
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2021年見込 |
2020年比 |
2024年予測 |
2020年比 |
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140億円 |
110.2% |
166億円 |
130.7% |
カメラとレーザーの一体型で、光切断方式で得た複数枚の断面プロファイルから、三次元画像を結合することができる製品を対象とします。用途は、自動車関連が大半を占めていますが、中国を中心に鉄道関連でも使用されています。
外資系メーカーの製品が普及している中国や欧州、米州が中心で、検査・計測における自動化ニーズや大型製品の三次元画像情報を高速に取得したいという要望が高まっているため導入が進んでいます。日本では、日系メーカーの事業本格化や外資系メーカー製品を扱う代理店の増加によって普及しつつあります。2021年の市場は前年比10.2%増が見込まれます。
今後は、画像処理が2Dから3Dへ移行していくため、市場は拡大するとみられます。また、主流の自動車関連に加えて、日本や中国では鉄道関連、米州では物流関連での採用が増えており、新たな用途で需要が増えることなどから、順調な市場拡大が予想されます。
2.ディープラーニング活用型画像処理ソフトウエア
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2021年見込 |
2020年比 |
2024年予測 |
2020年比 |
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180億円 |
156.5% |
785億円 |
6.8倍 |
画像処理に特化したディープラーニングソフトウェアを対象とします。
電機・電子部品や自動車関連などに加え、食品や薬品、化粧品関連など用途が広がっています。特に、半導体・液晶関連で、現状はルールベースの画像処理技術が一般的ですが、ディープラーニング活用型と組み合わせることで、高精度かつ曖昧さを許容する外観検査システムを構築できるため、導入が増加しています。現在は研究開発目的から生産ライン実装目的に移行する段階にあり、2021年は新型コロナ流行の影響によりPoCが長期化するケースもみられますが、市場は前年比56.5%増が見込まれます。
自動車関連では本格的な導入ケースもみられ、今後は学習工数の削減と様々なワークの検査に対応するライブラリの増加が普及を後押しし、2024年の市場は2020年比6.8倍が予測されます。
3.AXI
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2021年見込 |
2020年比 |
2024年予測 |
2020年比 |
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305億円 |
124.5% |
579億円 |
2.4倍 |
実装基板の不良検知や目視が困難なクラック、異物混入などの判別に対応するX線検査装置であり、二次元透過検査に対応する2Dタイプと3D-CT検査に対応する3Dタイプを対象とします。
2021年は、X線検査の義務化への対応によって、欧州での自動車関連の導入が増加しています。また、アジア地域ではスマートフォン関連や半導体パッケージで需要が高まっています。
中国ではローエンド機が中心のスマートフォン関連から、ハイエンド機が中心の車載電装関連まで幅広く需要が高まっています。日本や欧米では、車載電装や情報通信関連の需要が回復しており、検査の完全自動化に向けて普及していくとみられます。また、自動車のヘッドライトやスマートフォンのバックライトといったミニLED関連の用途が新たに加わるほか、発展途上国の5G通信関連の基地局への投資が活発化しており、全世界的に5G通信関連向けの需要が高まることから、2024年の市場は2020年比2.4倍が予測されます。
4.Visual SLAM
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2021年見込 |
2020年比 |
2024年予測 |
2020年比 |
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9億円 |
128.6% |
19億円 |
2.7倍 |
自動車やドローンなど移動体が、搭載されたカメラなどで得られる映像をもとに自己位置推定を行うVisual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)のソフトウエア開発キットやソフトウエア料金、評価・開発に対するサービス料金を対象とします。
スタートアップ企業による製品開発が活発化し、市場が立ち上がりました。新型コロナ流行の影響により、開発プロジェクトの遅れがみられましたが、2021年からプロジェクト再開が本格化しているため、市場は拡大が予想されます。
オープンソースをベースにVisual SLAMを自社開発する企業は多いですが、開発人員の問題などからサードパーティ製品の需要が増えており、自動運転やロボットなどは自動化が進む社会において欠かせない製品であるためそれらの伸びに伴い、Visual SLAMの市場も拡大するとみられます。また、現在は日本や欧州、米州の需要が中心ですが、中国での開発案件や参入企業も増えており、2024年の市場は2020年比2.7倍が予測されます。
【参考】本記事で使用した「2022年版 画像処理システム市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
AI・ディープラーニング応用製品
- ディープラーニング活用型画像処理ソフトウエア
- 産業用AI機能搭載カメラ
単体機器
処理装置
- 画像処理装置(筐体型)
- 画像処理装置(ボード型・ライブラリライセンス)
- 画像センサ
- 3Dデジタイザ
- Embedded Visionシステム
- 製造業向けドライブレコーダー
カメラ
- FA用エリアスキャンカメラ
- FA用ラインスキャンカメラ
- 産業用CIS
- 3Dラインプロファイルカメラ
- 赤外線カメラ
- ハイパースペクトルカメラ
- マルチスペクトルカメラ
- 紫外線カメラ
- 産業用ToFカメラ
キーコンポーネンツ
- 画像処理用LED照明
- 画像処理用レンズ
- 産業用イメージセンサ
検査アプリケーション
基板実装関連
- クリームはんだ印刷外観検査装置
- インライン実装検査装置(リフロー前後)
- AXI
自動車関連
- 自動車部品外観検査装置
- 自動車ボディ塗装検査システム
- タイヤ外観検査装置
製紙・印刷関連
- Web外観検査装置
- 印刷面外観検査装置
食品・薬品関連
- 飲料容器外観検査装置
- 文字検査装置
- 錠剤・顆粒剤検査装置
- 食品用X線検査装置
- 食品・農作物選別機
物流・ロボティクス
- ロボットビジョンシステム(2D/3D)
- AI画像認識活用物流システム
- Visual SLAM
観察・測定関連機器
- CNC画像測定機
- デジタルマイクロスコープ
- 共焦点レーザー顕微鏡(工業用)
- 工業用X線検査装置
- 非接触三次元測定機
◆本記事は「2022年版 画像処理システム市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。