株式会社富士キメラ総研は、自動車メーカー各社が目指している高度な自動運転化やゼロエミッション車の実現に欠かせない要素として注目される、車載電装システムの世界市場について調査し、その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 上巻」にまとめました。
この調査では、パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系、ボディ系、情報系の車載電装システム計24品目の世界市場を国・地域別に調査・分析しました。また、それらを構成するデバイス&コンポーネンツ18品目の市場についても捉えました。システムを制御するECUとその構成デバイス市場については「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 下巻」でまとめております。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 上巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.車載電装システムの世界市場
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2022年予測 |
2020年比 |
2035年予測 |
2020年比 |
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パワートレイン系 |
6兆8,564億円 |
103.4% |
6兆4,280億円 |
96.9% |
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HV/PHV/EV/FCV系 |
6兆403億円 |
188.5% |
28兆1,390億円 |
8.8倍 |
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走行安全系 |
5兆1,882億円 |
110.2% |
9兆1,538億円 |
194.4% |
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ボディ系 |
2兆8,390億円 |
112.1% |
4兆1,332億円 |
163.3% |
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情報系 |
3兆4,929億円 |
113.6% |
6兆3,186億円 |
2.1倍 |
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合計 |
24兆4,167億円 |
121.2% |
54兆1,726億円 |
2.7倍 |
※市場データは四捨五入しています
2021年は下半期に自動車生産台数が停滞した影響を受けましたが、2022年は堅調な自動車生産に伴い、市場は前年比21.2%増が予測されます。今後、車載電装化の流れは益々強まるため、2035年には54兆円を超える市場が予測されます。
特に伸びが期待されるのは、HV/PHV/EV/FCV系です。xEVの普及に伴い、各システムの需要増加が予想されます。情報系も順調な伸びが予想されます。中でも、コネクテッドサービスを強化する車外通信システムやIVIシステム、電子ミラー、乗員モニタリングシステムなどが大きく伸長するとみられます。また、走行安全系はADAS/自動運転システムの搭載増加、ボディ系はヘッドランプシステムの需要増加などにより、それぞれ順調な伸びが期待されます。一方、パワートレイン系は、電動自動車の普及により、長期的には縮小が予想されます。
2.デバイス&コンポーネンツの世界市場
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2022年予測 |
2020年比 |
2035年予測 |
2020年比 |
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14兆9,726億円 |
157.6% |
47兆3,740億円 |
5.0倍 |
HV/PHV/EV/FCV関連デバイス、センサーモジュール/アクチュエーターモジュール、入出力系デバイスに分類されます。
HV/PHV/EV/FCV関連デバイスは、電動化の進展により、急速に伸びています。今後、順次強化されていく環境規制に向けて、各自動車メーカーは電動自動車のラインアップ拡充に注力しており、堅調な伸びが続くとみられます。センサーモジュール/アクチュエーターモジュールは、ADASや自動運転システムの搭載ニーズの増加を追い風に堅調に拡大しています。中でも、LIDARは自動運転車で採用が増えるため、大幅な伸びが期待されています。入出力系デバイスは、2021年は微増にとどまりますが、2022年以降は自動車生産台数の増加に伴い、堅調に伸びるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.ADAS
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2022年予測 |
2020年比 |
2035年予測 |
2020年比 |
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1兆6,448億円 |
119.3% |
2兆2,852億円 |
165.7% |
ADASはAEB(オートノマス・エマージェンシー・ブレーキ)やACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、LKA(レーン・キープ・アシスト)などの走行支援機能を制御するシステムです。システム構成は、センシングカメラのみで制御するエッジコンピューティング型のシステムや、センシングデバイスをADAS―ECUで集中制御する中央集権型のシステムなど組み合わせがあります。市場はECUおよびセンサーの組み合わせを一つのシステムとして捉えました。なお、SAE自動運転レベルの定義ではレベル1~2のシステムを対象とし、HDマップとLIDARが両方搭載されていないシステムも含みます。
2019年の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)会合で、乗用車などのAEB国際基準が成立したことを背景に、市場は拡大しています。AEBの搭載義務化が欧州や日本をはじめ各国で広がっており、2021年は前年比9.0%増の1兆5,033億円が見込まれます。
地域別にみると、AEB搭載の国際基準に署名した日本や欧州などでは新車への搭載が義務化されているため、自動車生産台数に伴い順調な市場拡大が予想されます。北米や中国はAEB搭載基準に署名はしていませんが、安全走行支援機能の需要は高まっているため、ADASの搭載率は堅調に上昇していくとみられます。
2.自動運転システム
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2022年予測 |
2020年比 |
2035年予測 |
2020年比 |
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113億円 |
4.3倍 |
2兆5,381億円 |
976.2倍 |
カメラおよびミリ波レーダー、LIDAR、高精度位置センサー、HDマップで構成されたシステムを対象とします。SAE自動運転レベルの定義ではレベル3~5のシステムとなります。
現状、ロボットタクシーなどMaaS向けの自動運転車が先行して展開されています。市場はまだ黎明期ですが、2021年は自動運転車の投入が進んだことから、前年比2.2倍の57億円が見込まれます。
一般車両では、2025年までにレベル4の自動運転車が市場へ投入されるとみられます。レベル3システムでは事故が起きた際のドライバー側とシステム側の責任の所在が曖昧ですが、一般車両向けではシステム側の責任が想定されるレベル4の搭載を目指す自動車メーカーが多いです。
地域別にみると、欧州での展開が先行していますが、今後は中国が市場をけん引するとみられます。中国では2021年にロボットタクシーのサービスが開始されており、2025年頃から一般車両向けの展開が進むと予想されます。また、いち早く自動運転車が投入された欧州では、欧州自動車メーカー各社が2022年に自動運転車を発売する予定であり、堅調な伸びが期待されます。また、北米や日本でも自動車メーカー各社が開発に注力していることから、2025年までには市場が立ち上がるとみられます。
3.電子インナーミラー、電子サイドミラー
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2022年予測 |
2020年比 |
2035年予測 |
2020年比 |
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電子インナーミラー |
1,312億円 |
2.5倍 |
7,499億円 |
14.1倍 |
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電子サイドミラー |
62億円 |
2.0倍 |
900億円 |
29.0倍 |
光学インナーミラー、あるいは光学サイドミラーを、カメラとディスプレイを用いてデジタル化した製品を対象とします。
電子インナーミラーは、オプション搭載が中心ですが、高級車だけでなく大衆車でも対応車種が増えています。前後方録画機能が付いた製品の投入、また、電子インナーミラーを標準搭載した車種が登場しており、今後も大幅な市場拡大が予想されます。
電子サイドミラーは、搭載が一部の車種にとどまっており需要は限定的です。現状は光学サイドミラーの搭載が義務化されている地域があることや、故障時の安全性確保、消費電力やコスト高などの課題があるため、当面は欧州や日本自動車メーカーの一部車種での搭載に限られるとみられます。
【参考】本記事で使用した「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 上巻」に掲載している調査対象市場
車載電装システム(システム/情報システム)
パワートレイン系
- エンジンマネジメントシステム
- 変速制御システム
HV/PHV/EV/FCV系
- MHVシステム
- HVシステム
- PHVシステム
- EVシステム
- FCVシステム
走行安全系
- ブレーキシステム(ABS/TCS/ESC)
- パワーステアリング制御システム(EHPS/EPS)
- ADAS/自動運転システム
- エアバッグシステム
- タイヤ空気圧警報システム
ボディ系
- ボディ統合制御システム
- エアコンシステム
- ヘッドランプシステム
- 電子キーシステム
情報系
- 車外通信システム
- IVIシステム
- カーナビ
- カーオーディオ/ディスプレイオーディオ
- HUD
- 車載メーターシステム
- 電子ミラー
- 乗員モニタリングシステム
デバイス&コンポーネンツ
HV/PHV/EV/FCV関連デバイス
- インバーターモジュール
- DC-DCコンバーター
- 駆動用モーター
- 二次電池(NiMH/LiB/全固体二次電池)
- 車載用充電器
センサーモジュール/アクチュエーターモジュール
- レーダーセンサー
- 車載カメラ
- LIDAR
- 超音波センサー
- 生体センサー
入出力系デバイス
- タッチパネル
- ハプティックデバイス
- LED(外装用/内装用)
- ディスプレイ
- セルラーアンテナ
- ドライブレコーダー
- 補機モーター
- その他小型モーター
◆本記事は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 上巻」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。