株式会社富士キメラ総研は、テレワーク環境の構築、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現などにより活用が進むパブリッククラウドの国内市場を調査し、その結果を「2022 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編/ベンダー戦略編」にまとめました。
この調査では、「市場編」でSaaS、DaaS、IaaS、PaaSといったパブリッククラウド市場を調査・分析し、「ベンダー戦略編」で45社の事業者の動向を整理・分析しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2022 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編/ベンダー戦略編セット」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.パブリッククラウドの国内市場(リソース提供)
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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SaaS |
1兆1,650億円 |
117.7% |
1兆8,148億円 |
183.4% |
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DaaS |
385億円 |
111.9% |
495億円 |
143.9% |
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IaaS |
5,314億円 |
130.1% |
8,065億円 |
197.4% |
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PaaS |
2,847億円 |
131.1% |
5,212億円 |
2.4倍 |
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合 計 |
2兆196億円 |
122.4% |
3兆1,920億円 |
193.5% |
スクラッチやパッケージを活用したシステム構築と比較すると、初期導入費用を抑えられ、導入期間の短縮やインフラを含めたシステム全体における運用管理負担を大幅に軽減できることから、クラウドへの移行が進展しています。2020年度から新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景としたテレワーク環境の構築などにより導入が進み、2021年度の市場は前年度比22.4%増の2兆196億円が見込まれます。
これまでは、運用やコスト面での負担低減を目的にクラウドへの移行が検討されていましたが、近年は、新型コロナ対応やDXの実現なども、移行の契機となっています。新規システム開発時に、クラウドで最適化する"クラウドファースト"を掲げる企業が増加しており、クラウドの活用が今後も進むことで、2025年度の市場は2020年度比93.5%増の3兆1,920億円が予測されます。
市場は外資系ベンダーがけん引しています。中でもIaaSやPaaSは、メガクラウドベンダーを中心とした市場であり、今後も需要が集中していくとみられます。システムインテグレーターをはじめとした国内ベンダーは、他社との差別化を図るため単なるリソース提供にとどまらない、自社ならではの付加価値をつけたビジネスを展開していく必要性が増しています。
SaaS
アプリケーションを提供するサービスであり、業種を限定せず利用できる基幹系・情報系・セキュリティ系の業種汎用型SaaS、特定業種で利用される業種特化型SaaSを対象とします。
外部サービスとの柔軟な連携が可能であり、企業規模に関わらず幅広く導入が進んでいることから、2021年度の市場は1兆円を超えると見込まれます。
業種汎用型は、情報系がけん引しており、非対面でのコミュニケーション機会や情報共有機会の増加によりグループウェアやビジネスチャットなどコラボレーション関連が好調です。また、基幹系は情報系と比較しセキュリティ要件が厳しいためオンプレミスが主流でしたが、情報系の利用などによりSaaSへの理解が進んだことで、人事システム関連に加え、財務・会計管理など業務システム関連での導入も増えており、今後大きく伸びるとみられます。
業種特化型は、人手不足が課題となっている中堅/中小企業を中心に導入が進んでいます。また、AIやIoT、ビッグデータなどの活用によるDX実現を目指し、柔軟なシステム連携が可能なSaaSの導入を検討する大手企業も増えています。
DaaS
デスクトップ仮想化/シンクライアントのうち、共有基盤上にデスクトップ仮想化環境を提供するサービスを対象としました。運用管理の難しさから、リソースを占有する個別構築からDaaSへ移行しつつあります。
働き方改革の一環として、場所やデバイスに依存しない業務環境の構築を目的に導入が増えており、2020年度はテレワーク環境の構築を早急に進めるため、新規導入や、一部導入から全社導入に踏み切るケースがみられました。企業の就業形態の一つとしてテレワークが一般的になりつつあることや、入退社や異動などに際し柔軟に設定・変更が可能なことから、DaaSのニーズは今後も高まるとみられ、市場は拡大が予想されます。
IaaS
サーバー、ストレージ、ネットワークインフラのリソースを提供するサービスを対象とします。
社内システムのオンプレミス環境からクラウドへの移行により市場は好調です。急激なトラフィック増加への対応や柔軟かつ迅速なサービス開発・提供が可能なことから、これまではゲームやWebサービスの基盤として利用されてきましたが、近年では基幹系システムをはじめとした社内システムの基盤としての利用が増え、市場が拡大しています。
市場は、サーバーリソース関連が中心であり、データ分析用途やAI/機械学習用途で、サーバーリソースの利用増加も期待されます。一方、クラウドによるコスト最適化や、クラウドネイティブ化によるPaaSへの移行により、伸びは鈍化していくとみられます。
PaaS
アプリケーションを稼働させるためのプラットフォーム/ミドルウェアのリソースを提供するサービスを対象とします。
システムインテグレーターなどによるアプリケーション開発基盤としての利用、データベースのクラウドへの移行とそれに伴うデータ分析基盤のクラウドへの移行が進んでおり、市場が拡大しています。また、IoTではプラットフォーム構築の際に複数拠点を横断したデータ活用ニーズが高いこと、AI/機械学習はプラットフォーム化が進み活用のハードルが低くなることで、さらなる利用拡大が期待されます。DX実現を支援する用途でPaaS利用が進み、市場は大幅な拡大が予想されます。
2.SIの国内市場
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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従来型 |
9兆8,321億円 |
99.7% |
9兆6,446億円 |
97.8% |
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クラウド型 |
3兆5,654億円 |
123.9% |
6兆371億円 |
2.1倍 |
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合 計 |
13兆3,975億円 |
105.1% |
15兆6,817億円 |
123.1% |
2021年度のSI市場は、IT投資の回復とクラウド型がテレワーク対応や各種サービスのオンライン化などの進展により大きく伸びていることから、市場は拡大するとみられます。
従来型はクラウド型への移行により緩やかながら市場縮小が予想される一方、クラウド型は従来型からの移行に加え、新規システムを開発する基盤としても利用されることでさらなる拡大が予想されます。SI全体に占めるクラウド型の比率は2021年度の27%から、2025年度には38%まで上昇するとみられます。
ニューノーマル時代に向け、企業はさまざまな環境変化に柔軟に対応していくことが求められており、DXの実現に際し、柔軟かつ迅速なシステム開発を可能とするクラウドの活用が第一選択肢となり、クラウド型SIの需要増加が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
政府/自治体向けSIの国内市場
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2025年度予測 |
2020年度比 |
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従来型 |
1兆812億円 |
92.8% |
7,264億円 |
62.3% |
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クラウド型 |
2,808億円 |
132.2% |
5,666億円 |
2.7倍 |
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合 計 |
1兆3,620億円 |
98.8% |
1兆2,930億円 |
93.8% |
SI市場のうち、政府/自治体向けの市場を対象とします。 2021年度の政府/自治体向けのSI市場は1兆3,620億円が見込まれます。デジタル庁システム(政府情報システムを3区分に見直した際の区分名)は積極的な投資が予想されますが、大規模なレガシーシステムでのコスト削減が進むことで従来型が大きく減少し、2025年度には、1兆2,930億円まで緩やかに縮小するとみられます。
クラウド型は、2021年度に2,808億円が見込まれます。働き方改革の推進によりグループウェアなどの内部情報関連業務のSaaS利用が拡大しており、ガバメントクラウドが整備されることで、さらに利用が増え、2025年度には、5,666億円が予測されます。クラウド型の比率は2021年度の21%から、2025年度には44%まで上昇するとみられます。
【参考】本記事で使用した「2022 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」に掲載している調査対象市場
市場編
パブリッククラウド
- SaaS
業種汎用型
業種特化型 - DaaS
- IaaS/PaaS
仮想共有型/仮想専有型
物理専有型
ベンダー戦略編
- メガクラウドベンダー
- 外資系ベンダー
- システムインテグレーター
- キャリア/サービスプロバイダー
- クラウドインテグレーター
◆本記事は「2022 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。