株式会社富士キメラ総研は、児童/生徒の可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協同的な学び」の実現と、事務処理の軽減や教育支援により教職員の働き方改革をサポートする教育DX/教育ICT関連の国内市場を調査し、その結果を「教育DX/ICTソリューション市場総調査 2023」にまとめました。
この調査では、業務支援システム(学習系/教務系)14品目、設備/インフラ4品目、教材/コンテンツ4品目、ネットワーク機器/ツール/サービス7品目、ICT機器10品目を対象に、教育DX/ICT関連市場の現状を分析し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「教育DX/ICTソリューション市場総調査 2023」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
教育DX/ICT関連の国内市場
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2022年度見込 |
2021年度比 |
2030年度予測 |
2021年度比 |
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全体 |
2,486億円 |
102.1% |
3,644億円 |
149.7% |
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教材/ |
209億円 |
119.4% |
783億円 |
4.5倍 |
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ネットワーク機器 |
401億円 |
96.6% |
820億円 |
197.6% |
※教材/コンテンツ、ネットワーク機器/ツール/サービスは、全体の内数です
校内通信ネットワークの整備や児童/生徒1人1台の端末整備を行った「GIGAスクール構想」では、ネットワーク関連機器やPC/タブレット端末などハード面のデジタル化に重点が置かれてきました。現在は、「GIGAスクール構想」で構築された環境を有効活用し、デジタル技術を用いた教育手法の変革や教職員の業務改善、効率化を進めるため、サービスやコンテンツを拡充した教育DXに注目が集まっています。
教育DX/教育データ利活用は、文部科学省やデジタル庁などにより実現までの3フェーズが示されています。2022年度までの第1フェーズでは、情報端末を用いたアナログ情報のデジタル化が進むとみられ、デジタル教科書や教材、教務系システムや保護者向けサービスの連絡手段などに関する品目が伸びるため、市場は拡大が予想されます。
2025年度頃までの第2フェーズは、児童/生徒の一人ひとりの理解状況や能力、適性に合わせて学びを提供する個別最適な学びや協同的な学びの実現、情報活用能力の向上を行う段階です。学習状況やログを収集し、データの分析や利活用を行うため、EdTech関連(授業支援システムや学習支援システム(LMS)、デジタル教材)などが伸びるとみられます。
2030年度頃までの第3フェーズは、教育データに基づく教育内容の重点化や最適化を目指す段階であり、学習モデルの構造改革や教育データによる新たな価値創造に伴って、学習系の業務支援システムや教材/コンテンツ、ネットワーク機器/ツール/サービスが伸長し、大幅な市場拡大が期待されます。
教材/コンテンツは、ネットワーク環境やPC/タブレット端末の整備が進んだことで、指導者用に加えて学習者用のデジタル教科書やデジタル教材の導入が増加しており、市場は拡大しています。デジタル教科書は、2024年度には小学校で本格導入が進むため今後さらに伸びるほか、教育コンテンツ配信サービスや電子図書館サービスも堅調に推移し、2030年度の市場は2021年度比4.5倍が予測されます。
ネットワーク機器/ツール/サービスは、「GIGAスクール構想」の前倒しによって、市場規模の大きいネットワーク関連機器の普及が2020年度に進んだため、2021年度、2022年度は反動減を受けて縮小しています。なお、安全対策やBCP対策に関する意識の向上を背景に、保護者向けサービスである登下校見守りサービスは堅調に伸びています。今後も緊急連絡網サービスや登下校見守りサービスといった保護者向けサービスは伸びるとみられるほか、2025年度頃には、ネットワーク関連機器のリプレース需要が急増するとみられます。5年周期でリプレース需要の高まりが予想されるため、2030年度の市場は820億円が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.デジタル教科書
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2022年度見込 |
2021年度比 |
2030年度予測 |
2021年度比 |
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105億円 |
123.5% |
500億円 |
5.9倍 |
PC/タブレット端末などで閲覧が可能で、テキストの読み上げ、本文や図版の拡大、配色やフォントの変更、QRコードなどを利用したリンク先の設定などの機能が搭載されています。なお、国公私立の義務教育諸学校の全児童/生徒の教科書は、国が費用を負担し、無償提供しています。
2022年度は、文部科学省が全国の小学5年生~中学3年生を対象に英語を中心とした学習者用デジタル教科書を無償提供しています。
文部科学省では、当面、デジタルと紙媒体の教科書の併用を行い、それぞれの役割分担や導入効果を検証した後、2024年度から小学校でデジタル教科書を本格導入する方針です。さらに、中学校でも教科書の改訂タイミングである2025年度を目途に普及を本格化させるため、2030年度の市場は2021年度比5.9倍が予測されます。
2.ヘルプデスク/ICT支援員サービス
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2022年度見込 |
2021年度比 |
2030年度予測 |
2021年度比 |
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170億円 |
121.4% |
250億円 |
178.6% |
務処理を行うタブレット端末の操作補助や校務支援システムのサポートなどを行うヘルプデスク事業および、支援員を派遣し、操作支援などを行うICT支援員サービスを対象とします。
端末の導入自体は落ち着きましたが、利活用に関する各種アプリケーションの設定や操作に対する支援ニーズは高いです。文部科学省がICT支援員を4校に1人設置する目標を定めており、2022年度は前年度同様、サービス未導入の教育機関を中心に新規導入が進むため、市場は拡大が予想されます。
2023年度以降は、教員のICTリテラシー向上やサービス未導入教育機関の減少に伴って、伸びが鈍化しますが、システムの機能追加や端末のリプレースに伴う機種変更などの対応により、サービスの需要は高いため、市場は堅調に推移すると予想されます。
3.登下校見守りサービス
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2022年度見込 |
2021年度比 |
2030年度予測 |
2021年度比 |
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50億円 |
142.9% |
173億円 |
4.9倍 |
児童が学校や習い事へ通学する際に、学校の校門や駅をはじめとした特定地点の通過情報を検知し、保護者に通知するサービスを対象とします。
IC乗車券で改札を通過する際に通知を行うパッシブ型、ICタグや小型端末により校門などを通過する際に通知するアクティブ型、GPS搭載の通信端末を用いたGPS型に分類されます。スマートフォンを用いたサービスは含みません。
パッシブ型は収益化が難しいことから、参入企業の撤退も予想され、ユーザー数の減少が予想されます。一方、GPS型は参入企業が増加しており、TVCMやウェブ広告などの積極的なプロモーションによりユーザー数が増えています。登下校だけでなく、習い事の道中における見守り用に使用されるケースも多く、また、音声機能を付加した製品は連絡手段としても用いられており、GPS型の伸長によって2022年度の市場は拡大するとみられます。学校や自治体での導入ケースが多いアクティブ型も伸長が予想されます。
現在、登下校見守りサービスの普及率は10~15%程度であり、児童/生徒の安全対策として導入の余地が大きいです。今後、認知度の向上とともに子供の見守りが一般化すると予想され、GPS型が大きく伸びることから、2030年度の市場は2021年度比4.9倍が予測されます。
【参考】本記事で使用した「教育DX/ICTソリューション市場総調査 2023」に掲載している調査対象市場
業務支援システム(学習系/教務系)
- 授業支援システム
- 学習管理システム(LMS)
- 遠隔講義ソリューション
- 収録配信システム
- CALLシステム
- 校務支援システム
- 学務支援システム
- ポートフォリオシステム
- シラバスシステム
- 園務支援システム
- 学習塾/予備校向け業務支援システム
- 図書館管理システム
- デジタル採点システム
- ヘルプデスク/ICT支援員サービス
設備/インフラ
- 校内放送システム
- 監視カメラシステム
- 入退館システム
- デジタルサイネージシステム
教材/コンテンツ
- デジタル教科書
- デジタル教材
- 教育コンテンツ配信サービス
- 電子図書館サービス
ネットワーク機器/ツール/サービス
- ネットワーク関連機器
- Webフィルタリングツール
- 端末管理/セキュリティツール
- 緊急連絡網サービス
- 安否確認サービス
- 登下校見守りサービス
- プリント配信サービス
ICT機器
- PC/タブレット端末
- PC/タブレット端末充電保管庫
- 電子黒板
- 大型提示装置
- 書画カメラ
- Webカメラ
- ヘッドセット
- リモートカメラ
- マイクスピーカー
- 電子辞書
◆本記事は「教育DX/ICTソリューション市場総調査 2023」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。