株式会社富士経済は、人手不足対策や労働環境の改善のため、DXが進められている次世代物流システム・サービス市場を調査し、その結果を「2023年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」にまとめました。
この調査ではロボティクス・オートメーション9品目、ロジスティクス・ファシリティ8品目、ラストワンマイル6品目、IoT(ハードウェア・ソリューション)5品目、IoT(ソフトウェア・ソリューション)5品目、サービス5品目、計38品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。なお、市場は日本市場+日系メーカーの海外売上を基準としました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
次世代物流システム・サービス市場【日本市場+日系メーカー海外売上】
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2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
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ロボティクス・オートメーション |
475億円 |
116.1% |
1,441億円 |
3.5倍 |
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ロジスティクス・ファシリティ |
3,027億円 |
106.3% |
4,233億円 |
148.7% |
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ラストワンマイル |
220億円 |
106.8% |
436億円 |
2.1倍 |
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IoT(ハードウェア・ソリューション) |
311億円 |
104.7% |
568億円 |
191.2% |
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IoT(ソフトウェア・ソリューション) |
292億円 |
105.4% |
513億円 |
185.2% |
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サービス |
2,790億円 |
107.7% |
4,641億円 |
179.1% |
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合 計 |
7,114億円 |
107.4% |
1兆1,831億円 |
178.6% |
※市場データは四捨五入しています
2021年は省人化、業務効率化を目的とした設備投資が増えたことで、自動化・デジタル化を促進するロボティクス・オートメーションや、ラストワンマイルを実現する機器・システムの導入が進み、市場が拡大しました。半導体不足を契機とした部材不足の影響がハードウェアを中心にみられますが、2022年は、EC需要の増大による物量の増加や、複雑なオペレーションへの対応を背景に、人手不足解消、業務効率化を目的として、ロボティクスやAI、IoTなど先端技術を活用した機器・システムの導入が進み、市場は前年比7.4%増の7,114億円が見込まれます。
働き方改革関連法に基づく時間外労働の上限規制などの物流業界への適用が2024年4月に迫っていることから、トラックドライバーの人手不足など「2024年問題」への対応が一つのキーワードとなっています。ドライバーの労働環境の整備と人材確保のための取り組み、新たな輸送スキームの構築などが進められており、その中で「物流DX」のニーズが増加し、ビジネスチャンスが広がっています。物流DXは、機械化・デジタル化を通じて物流のこれまでの在り方を変革することと定義づけられており、トラックドライバーの人手不足や長時間労働を解決するため、荷待ち時間の短縮やトラックの稼働率の向上、配送・庫内作業の効率化などを目的に、ロボティクスやAI、IoTといった先端技術を活用した自動化・デジタル化の取り組みが一層加速するとみられます。
物流DXを実現するためには、単一ソリューションによる解決ではなく、複数製品を組み合わせたトータルソリューションが重要となります。近年では、欧州や中国のロボット・マテハン企業が日本市場へ参入しており、海外製品の取り扱いも多くなっています。アライアンスや協業により、個別対応から複合的なソリューション展開やRaaS(Robot as a Service)などのサービス提供が進み、2030年には2021年比78.6%増の1兆1,831億円が予測されます。
カテゴリー別市場
ロボティクス・オートメーションは、人手不足の解消を目的とした省人化、自動化の加速により、WMS(倉庫管理システム)やWES(倉庫実行システム)などと連携した自動化ソリューションが展開され、市場拡大が予想されます。市場黎明期の品目が多く、利便性や認知度の高まりによる伸びが予想されるほか、RaaS(Robot as a Service)による提供が増えることで販路の広がりが期待されます。品目別には、AGV・アーム付きAGVが市場をけん引していき、このほか、次世代物流ロボットシステムや棚搬送AGVなども大きな伸びが期待されます。
ロジスティックス・ファシリティは、ロボットなどほかの機器との組み合わせたトータルソリューションの中の1アイテムとして導入が進み、市場拡大が予想されます。
ラストワンマイルは、宅配ボックスのウエイトが高いです。無人宅配・配送ロボットや物流向けドローンは実証実験から導入へ段階が進んでおり、配送業務の効率化、省人化を目的に導入が進み、市場の拡大が予想されます。
IoT(ハードウェア・ソリューション)は、アナログ対応での運用が多い物流現場の情報をデータ化するための機器として需要が増加し、データの利活用が進んでいくことで、スマートグラスや物流向け音声認識エンジン、AI画像認識活用物流システムなどの伸びが期待されます。
IoT(ソフトウェア・ソリューション)は、WMS(倉庫管理システム)のウエイトが高いです。今後はWMS(倉庫管理システム)に加え、配送見える化ソリューションやバース管理システムが可視化や効率化を行う業務支援ツールとして需要が増加するとみられます。
サービスは、求貨求車マッチングサービスや通販フルフィルメントサービスのウエイトが高いです。今後は、人材不足の対応や労働環境の改善など、物流現場の課題解決につながる新しい物流スキームの構築に向けて新たなサービスに対する需要が高まり、RaaS(Robot as a Service)や倉庫シェアリングなども増えていくとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.物流向けドローン【日本市場+日系メーカー海外売上】
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2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
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全体 |
4億円 |
2.0倍 |
12億円 |
6.0倍 |
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日本市場 |
4億円 |
2.0倍 |
12億円 |
6.0倍 |
配送業務に携わるドローンを対象としました。これまで目視できる範囲での飛行、離島や中山間部など無人地帯での目視外飛行は可能でしたが、2022年12月から、有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)が一部可能となり、市場の転換期を迎えました。
機体登録義務化やライセンス認証など制度も整い始めており、レベル4飛行の実証実験や配送サービスを開始する企業や自治体が増えると予想されます。離島や中山間部などでは、配送効率化や買い物支援などの課題を解決する手段として期待され、特に医薬品やワクチンなどの輸送を中心に進んでいくとみられます。
2.バース管理システム【日本市場+日系メーカー海外売上】
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2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
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全体 |
17億円 |
121.4% |
50億円 |
3.6倍 |
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日本市場 |
17億円 |
121.4% |
50億円 |
3.6倍 |
トラックの予約・受付、車両誘導、車両入退管理などの機能を有するソフトウェアを対象としました。
トラックドライバーの車両待機の回避や入出荷作業の効率化が期待され、トラックドライバーの労働環境の改善や人手不足の解消へ繋がることから、2024年問題の解決手段の一つとして、導入が進んでいます。
2021年は一部大型の設備投資案件の抑制や延期があり微増にとどまりましたが、2022年から駆け込み需要が期待されます。2024年以降は、伸びが落ち着くとみられますが、バース管理システムと庫内業務やゲートシステムなど庫外のシステムを連携させたソリューション提案に加え、初期費用を抑えたパッケージ製品の普及によって、中小企業で導入が進み、市場は拡大を続けると予想されます。
3.AMR(協働型ピッキング支援ロボット)【日本市場+日系メーカー海外売上】
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2022年見込 |
2021年比 |
2030年予測 |
2021年比 |
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全体 |
10億円 |
166.7% |
120億円 |
20.0倍 |
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日本市場 |
10億円 |
166.7% |
108億円 |
18.0倍 |
人と協働しながら物流倉庫内のピッキング工程を行う自律走行搬送ロボットを対象としました。人が商品を保管棚から取り出しロボットの上に載せ、ロボットが自動で搬送します。
2020年に日本市場が立ち上がり、EC事業者や卸・小売業者で徐々に導入が増えています。EC関連の物流倉庫では商品の入れ替えやオーダー変更が随時行われ、自動化が難しいことから、協働型が適しています。省人化を目的とした導入が多いですが、協働型にしたことで搬送のための歩行数が減少し作業負担が軽減されて、高齢者の採用が可能となったという事例が出ています。
今後は、労働環境の改善という観点からも導入が進んでいき、市場は拡大が予想されます。また、レイアウト変更や需要変動にも柔軟に対応できることから、RaaS(Robot as a Service)の活用が増えていくとみられます。
【参考】本記事で使用した「2023年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」に掲載している調査対象市場
ロボティクス・オートメーション
- AGV・アーム付AGV
- AMR(協働型ピッキング支援ロボット)
- 棚搬送AGV
- ACR(自動ケースハンドリングロボット)
- ソーティングロボットシステム
- AGF(無人フォークリフト)
- 次世代物流ロボットシステム
- 物流向けアシストスーツ
- AGV用ワイヤレス給電システム
ロジスティクス・ファシリティ
- デジタルピッキングシステム
- 自動搬送・仕分けシステム
- 立体自動倉庫システム
- 回転棚
- 電動式移動棚
- 垂直搬送機
- ラベルプリンタ
- 自動梱包システム
ラストワンマイル
- 宅配ボックス(戸建住宅向け)
- 宅配ボックス(集合住宅、公共スペース向け)
- AI再配達回避ソリューション
- 物流向けドローン
- 無人宅配・配送ロボット
- 超小型モビリティ
IoT(ハードウエア・ソリューション)
- スマートグラス
- ハンディターミナル
- 自動運転トラック
- 物流向け音声認識エンジン
- AI画像認識活用物流システム
IoT(ソフトウエア・ソリューション)
- WMS(倉庫管理システム)
- 物流向けシミュレーションソフト
- バース管理システム
- 配送見える化ソリューション
- 倉庫内作業可視化システム
サービス
- RaaS(Robot as a Service)
- 通販フルフィルメントサービス
- 倉庫シェアリング
- 求貨求車マッチングサービス
- パレットレンタルサービス
◆本記事は「2023年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。