株式会社富士経済は、2020年は外食需要の落ち込みにより縮小するとみられるアルコール飲料や調理済食品の市場を調査し、その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.2」にまとめました。
この調査では、アルコール飲料33品目、冷凍調理済食品22品目、チルド調理済食品6品目、その他調理済食品5品目、計66品目の市場の現状を把握し、将来を予測しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年 食品マーケティング便覧 No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021年 食品マーケティング便覧 No.2」の全体サマリー
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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アルコール飲料 |
3兆3,982億円 |
92.7% |
3兆5,899億円 |
105.6% |
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冷凍調理済食品 |
7,208億円 |
96.0% |
7,437億円 |
103.2% |
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チルド調理済食品 |
1,586億円 |
102.4% |
1,607億円 |
101.3% |
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その他調理済食品 |
1,494億円 |
93.4% |
1,486億円 |
99.5% |
アルコール飲料は、外出自粛や外食業態の休業の影響を大きく受けており前年比7.3%減が見込まれます。これまで好調だったウイスキー、国産ワイン、クラフトビール、スピリッツなどが縮小に転じ、ビール類では国産ビールの前年比20%以上の減少により縮小が続くとみられます。一方、市販用比率の高いRTDは家飲み需要が増加したことで拡大が続いています。
冷凍調理済食品は、巣ごもり需要により市販用が好調な一方、高いウェイトを占める業務用が外食向けを中心に苦戦しており、縮小するとみられます。これまで拡大をけん引してきた冷凍からあげのほか、冷凍カツなどが縮小し、冷凍ハンバーグは前年比二桁減が見込まれます。冷凍ギョーザは市販用がけん引しており、冷凍グラタン類や冷凍お好み焼きは市販用に加え、業務用でも中食惣菜向けが堅調なことから、伸長するとみられます。
チルド調理済食品は、業務用が冷凍調理済食品へシフトしていることから、市販用が中心です。巣ごもり需要の恩恵を受け、拡大するとみられます。チルドハンバーグをはじめメインメニューとしての需要が好調、チルドギョーザとチルドシューマイは家飲み時のおつまみとしての需要も獲得しており、今後も伸びると予想されます。
その他調理済食品は、業務用が中心であり、卵焼き類などの苦戦により縮小するとみられます。うなぎの蒲焼は低迷が続いていますが、外食店でのテイクアウトサービスの展開や市販用での巣ごもり時の"プチ贅沢需要"を獲得したことで、例年よりも小幅な減少になるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.ノンアルコールビール【アルコール飲料】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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726億円 |
103.9% |
775億円 |
106.7% |
酒税法で酒として扱われない、アルコール度数1%未満のビール風味の発泡飲料を対象とします。
2009年に「キリンフリー」(キリンビール)が発売され、市場が一気に拡大しました。市販用が中心で、特定保健用食品や機能性表示食品の発売など需要開拓が行われていましたが、近年は需要に飽和感がみられていました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で健康意識が高まる中で、免疫力を高めるべく家庭内での飲酒量を気にする消費者が増えたことや、コロナ太り対策として需要が活性化しており、市場が拡大するとみられます。
2.ビール類、国産新ジャンルビール風味アルコール飲料【アルコール飲料】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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ビール類 |
1兆5,718億円 |
89.4% |
1兆6,284億円 |
103.6% |
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新ジャンル |
5,200億円 |
105.2% |
5,256億円 |
101.1% |
※新ジャンル(国産新ジャンルビール風味アルコール飲料)はビール類の内数です
国産新ジャンルビール風味アルコール飲料は、ビール風味でありながら酒税法上、「リキュール(発泡性)①」「その他の醸造酒(発泡性)①」に分類される商品を対象とします。2014年から2017年にかけて市場は縮小が続いていましたが、2018年は「本麒麟」(キリンビール)が発売され、コクや飲み応えがある本格感を訴求した商品として大ヒットし、市場が拡大しました。2020年は巣ごもり需要に加えて前年の増税に伴う節約志向の高まりや、「本麒麟」に続いて本格感を訴求した新商品の投入が相次いでいることから、引き続き拡大が続くとみられます。
一方、国産新ジャンルビール風味アルコール飲料を含むビール類は、アルコール飲料で最も市場規模が大きいですが、ハイボールやチューハイといったRTDなどへ需要が流出し、縮小が続いています。2020年は、国産ビールが外出自粛や外食業態の休業の影響により業務用が苦戦し、ビール類は前年比二桁減が見込まれます。
3.RTD【アルコール飲料】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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RTD |
4,350億円 |
112.4% |
4,875億円 |
112.1% |
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高アルコール |
2,496億円 |
114.0% |
2,738億円 |
109.7% |
※高アルコール(アルコール度数7%以上)はRTDの内数です
チューハイやハイボールなど、アルコール度数10%未満でそのまま割らずに飲用できるアルコール飲料を対象とし、このうちアルコール度数が7%以上のものを高アルコールタイプとします。
アルコール度数やフレーバーの多様性が支持されているほか、ビール類からの需要シフトもあり高い伸びが続いています。近年は、高アルコールタイプがコストパフォーマンスの良さもあり、市場をけん引しています。
2020年は家飲み需要の増加により拡大しており、市場は前年比12.4%増が見込まれます。また、10月の酒税法改正により値上げされた、競合の国産新ジャンルビール風味アルコール飲料からのシフトも予想され、今後さらなるユーザー獲得が期待されます。
なお、健康志向の高まりにより、ノンアルコール飲料(市場対象外)やスタンダードタイプを選択するケースもみられており、高アルコールタイプは今後ほかの品目との競合が増えていくとみられます。
4.冷凍お好み焼き【冷凍調理済食品】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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177億円 |
107.3% |
186億円 |
105.1% |
調理後に冷凍されたお好み焼き、モダン焼き、チヂミ、ねぎ焼き、いか焼きを対象とします。
単身世帯や共働き世帯の増加などによる個食化の進展もあり、市販用、業務用ともに拡大しています。
2020年は、業務用は量販店の惣菜を中心とした中食向けが主体なことから横ばいにとどまり、市販用は外出自粛による在宅時間の増加によって家庭内での昼食や間食需要が増加しており、市場は引き続き拡大するとみられます。
今後市場は、業務用が人手不足に伴う簡便化ニーズの増加により、市販用が買い置きニーズの増加により拡大が続くとみられます。
5.冷凍ギョーザ【冷凍調理済食品】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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573億円 |
104.6% |
593億円 |
103.5% |
形成後や調理後に冷凍したギョーザを対象とし、冷凍水ギョーザは含みません。
市販用が中心であり、夕食のおかずとしての需要のほか、おつまみ需要など喫食シーンの広がりがみられたことや、水なし、油なし、ふたなしでもきれいに焼けるといった調理の簡便化と時短により、市場は市販用を中心に拡大を続けています。
2020年は、外食向けの減少により業務用が大幅に縮小しています。一方、市販用は家庭内で食事を作る機会が増えたことによる需要増加に加え、新規ユーザーの取り込みにより好調で、市場は引き続き拡大するとみられます。
6.チルドハンバーグ【チルド調理済食品】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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656億円 |
104.5% |
670億円 |
102.1% |
要冷蔵の畜肉系ハンバーグを対象とします。
簡便性の高い電子レンジ調理対応商品や夕食のおかず向けの高付加価値商品の人気により拡大が続いています。元々家庭内での需要がメインですが、2020年は巣ごもりによる買いだめ需要の獲得や、トライアルユーザーの増加により量販店を中心に好調であり、例年以上に伸びるとみられます。
今後も積極的な新商品投入やフレーバー展開が行われることで、市場は拡大していくとみられます。
【参考】本記事で使用した「2021年 食品マーケティング便覧 No.2」に掲載している調査対象市場
冷凍調理済食品
- 冷凍ハンバーグ
- 冷凍肉団子・ミートボール
- チキン加工品
- 冷凍からあげ
- 冷凍フライドチキン
- 冷凍グラタン類
- 冷凍ギョーザ
- 冷凍水ギョーザ
- 冷凍シューマイ
- 冷凍春巻
- 冷凍天ぷら
- 冷凍お好み焼き
- 冷凍たこ焼き
- その他冷凍スナック
- 冷凍コロッケ
- 冷凍カツ
- 畜肉系カツ
- 水産系カツ
- 冷凍えび・いか・かきフライ
- その他冷凍水産フライ
- 自然解凍冷凍食品
- 冷凍和惣菜
チルド調理済食品
- チルドハンバーグ
- チルドミートボール
- チルドグラタン類
- チルドギョーザ
- チルドシューマイ
- チルド茶わんむし
その他調理済食品
- ワンタン
- 卵焼き類
- 卵豆腐類
- うなぎの蒲焼
- アメリカンドッグ
アルコール飲料
- 清酒
- 生酒
- 合成酒
- 焼酎甲類
- 焼酎乙類
- 甲乙混和焼酎
- 韓国焼酎
- RTD
- チューハイ
- カクテルドリンク
- 水割り洋酒・ハイボール
- 高アルコールRTD
- ノンアルコールドリンク
- ウイスキー
- ブランデー
- ビール類
- 国産ビール
- プレミアムビール
- 国産発泡酒
- 国産新ジャンル風味アルコール飲料
- 輸入ビール類
- クラフトビール
- 機能型ビール類
- ノンアルコールビール
- スピリッツ
- 国産ワイン
- 輸入ワイン
- 酸化防止剤無添加ワイン
- スパークリングワイン
- 梅酒
- リキュール類
- マッコリ
- レモンサワーの素
◆本記事は「2021年 食品マーケティング便覧 No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。